ホテルは、一つの空間で「寝る」と「くつろぐ」、ビジネスなら「仕事する」という3つの異なる日常行為を同時に行います。
簡単に言えば、ワンルームに生活の中の「食」以外の空間が隣接しているイメージですね。
でも、ホテルに一歩足を踏み入れた瞬間、一人暮らしの部屋に訪れたような殺伐とした印象を受ける人はいませんよね?
それは、「ホテルの部屋の方が面積が広いから。」「窓が大きいから。」「気分的に違うから。」という理由だけではありません。
ホテルのインテリアは、家具のレイアウトやカラーコーディネートの仕方が、どんな人にも心地良く感じるように設計されているからなんですね。
…ということは、ワンルーム(ここでは一人暮らしの部屋を含め、リビング&ダイニングが一つになった1LDKタイプの部屋もこう呼びます。)をホテルっぽくすれば、「あの静観な居心地の良い空間ができるのでは?」と。
12月から1月にかけてホテルに滞在する機会が多かった私は、ホテルライクなインテリアに興味を持ち始めています。
家族で仲良く和気藹々と過ごす住まいよりも、ホテルの一室にいるような清潔感溢れるインテリアの方が好き!!
そんな方は、今回のトピックを参考に、ホテルライクな部屋作りをしてみて下さいね。
ホテルライクな部屋のコーディネート実例-目次
1.照明と窓の景色を最大限に活用した上層階のリビング&寝室&ワークスペースの例
まずは、家族暮らしのマンションの参考になりそうなホテルライクな部屋事を紹介します。
ソファやラグ、カーテンはベージュ&グレーを主体とした無難なカラーコーディネートでまとめ、ソファの背面の壁をダークグレーにしたリビングの例。
家具は、ダークブラウンにして、落ち着きのある印象を演出してあります。
ソファの横にサイドテーブル+テーブルランプをコーディネートする技は、ホテルのラウンジでも見かけるレイアウトです。
見るからに静寂を感じますね。
同じ住まいの寝室のコーディネートは、リビングとは正反対で明るい印象ですが、カラーコーディネートは同じベージュをベースに。
景色が見える窓に向かってベッドがレイアウトしてあるので、空間の広がりが半端ない!!
寝室の隅に曲線カーブのおしゃれなソファがコーディネートしてあるのもポイントです。
先ほどの寝室の入り口からチラっと見えていたのが、このデスクスペースのチェアです。
大きな窓に向かってデスクをレイアウトしてあるので、明るい♪
窓にはカーテンではなくローマンシェードをあしらって、上質なインテリアが作ってあります。
2.ダークカラーの家具で高級感を演出したマンションのリビング&ダイニングの例
TVボードやデスクなど、ホテルに置いてある家具は、薄い茶色よりも濃い茶色の方が多い気がします。
一般的な住まいでホテルっぽいインテリアにする時は、ベッドカバーや床、部屋の真ん中に置くチェアやソファなどは、ベージュや白などの薄い色にして、家具に黒やダークブラウンをチョイスすると、狭さを感じないインテリアが作れます。
TVボード、リビングテーブル、サイドテーブルをダークブラウンにして、ソファと一人掛けソファは無難なライトグレーをコーディネートしたリビングの例。
カーペットにも薄いベージュが使ってあるので、家具による圧迫感はゼロ。
テーブルランプやフロアランプを部屋の隅にレイアウトし、ムーディーなリビングが演出してあります。
先ほどの写真の手前にあるのが、このダイニング。
ダイニングテーブルは、リビングの家具と同じダークブラウン。チェアはソファと同じライトグレーです。
写真では別々の部屋のように見えますが、リビングとダイニングが縦長につながったワンルームタイプです。
ダイニングからリビングを見たのがこの写真。
リビングとダイニングに置いてあるテーブル類と椅子(ソファ、ダイニングチェア)の色が同じなので、“一つの空間”という印象がしますね。
3.レザー素材を取り入れた格好良いリビング&ベッドルームの例
モダンなホテルの客室インテリアには、高級感のあるレザー素材や黒の家具が使ってあることがあります。
そんなちょっぴりリッチなインテリアを意識したのが、この事例。
リビングには、ダークグレーのコーナーソファをメインに、リビングテーブルやチェアも黒っぽいカラーで統一。
8畳以上ありそうな広いリビングですが、高級感のあるカラーコーディネートは狭いリビングでも参考にできます。
狭い部屋で、この事例と似たような色にするなら、ソファは壁を背にレイアウトするのがベスト。
元々広いリビングですが、ボリュームのある家具(ソファ)を壁に沿ってレイアウトすることで空間に開放感を演出してあります。
廊下やホールなどの空いたスペースにレザーベンチとカウハイドラグのコンビを置いて…。
ベンチは、バルセロナデイベッドbyミースファン・デル・ローエです。
1個前のリビングに置いてあるのもミースファン・デル・ローエのバルセロナチェアです。
寝室のベッドの足元にも黒のレザーのベンチをレイアウトして。
ベンチは、Florence Knoll Bench by Knoll(英語サイト/日本でも通販で取扱いのあるショップがあります。)
寝室の大きな窓の下には、一人掛けチェアをハの字にレイアウトした読書が…。
チェアの間にある筒みたいなデザインのミニテーブルは、Platner Side Table by Knoll(英語サイト/日本の通販でも扱っているショップがあります。)
4.黒・ベージュ・茶色のコンビネーションが絶妙!!縦長ダイニングの例
「ホテルのような生活感を感じない部屋は好きだけど、そんなインテリアは、非日常的過ぎて落ち着かない。」
こう感じてしまう場合は、インテリアカラーにベージュや茶色を取り入れると暖かさを感じる部屋になります。
茶色に似たオレンジを使うと、スタイリッシュな印象もプラスできるので、アクセントカラーに使ってみて下さいね。
ベージュのラグにベージュのソファを組み合わせ、クッションにくすんだ黄色、ストールにダークオレンジを使ってアクセントにしたリビングの例。
このリビングも1個前の事例と同じように黒のレザーチェアやリビングテーブルがレイアウトしてあるのですが、全体的に薄い茶色の部屋なので、少し暖かさを感じますね。
先ほどのリビングを窓側から見た写真。
床やキッチンが黒なのですが、ソファやラグの柔らかな印象がLDK全体を包んでいます。
ソファに腰かけてTVを見た場合の写真。
TVボードにはステンレス、リビングテーブルにはガラスといったモダンデザインの家具が中心に組み合わせてあります。
光る素材は、ホテルライクなお部屋作りには欠かせないので、こういった家具を中心に選ぶようにすると良いですね。
ダイニングテーブルは、キッチンのアイランドを活用。
大理石のカウンターとステンレス製のチェアの組み合わせが素敵です。
この網目になったチェアは、サイドチェア by ベルトイア(デザイナーズ家具)です。
お洒落なカフェなどでも見かける椅子なので、気になる方は探してみて下さいね。(日本でも入手可能です。)
5.リゾートホテルを意識した心地よいリビングの例
ここまで紹介したホテルっぽいインテリアはどちらかと言えば、アーバンスタイル。でも、ホテルがあるのは都会の街中だけではありません。
心を癒すなら、リゾート地!!
青い海や気持ちの良い風、潮の香など、自然を感じる室内は、「ここに永遠に住みたい!」と思うくらい現実を忘れさせてくれますよね。
そんなリゾート地のホテルをイメージしたインテリアを紹介します。
ベージュのソファに茶色のレザー製のオットマンを組み合わせたリビングに観葉植物をコーディネートした例。
ベージュ×茶色のリビングは、1個前の事例でも紹介したのですが、全く印象が違いますよね。
天井に梁が見える独特の構造ですが、室内に椰子を飾ってリゾートっぽい雰囲気を出すアイデアは、天井がフラットなお家でも真似できます。
ソファと一人掛けチェアの間からリビングのコーナーを見た写真。(アップ。)
一人掛けチェアと観葉植物の間に置かれたミニテーブルがアラビアっぽい♪
脚に装飾がしてある家具やシルエットが細い家具をコーディネートすると、一層雰囲気が出そうな予感です。
リゾートっぽいインテリアは下記のトピックでも事例を紹介しています。
6.遊び心のあるアーバンスタイルのリビングの例
ここまでの事例を見て、「色が無難過ぎる…」と感じてしまった方は、次の事例のような色を使ったインテリアがおすすめです。
ホワイトのファブリック製のソファにオレンジのプリント柄のクッションと紫×オレンジ×ピンクのストライプのオットマンをコーディネートしたリビングの例。
クッションは、Live LIke a Queen Pillow by Naked Decor(英語サイト)です。
こんな派手な柄のオットマンを部屋の中心に置くという発想がなかったのでビックリ!!
ソファとオットマン以外の色が白なので、コントラストが素敵に見えるんですね。
同じ部屋をソファの背中側から見た写真。
窓辺に宇宙っぽいデザインの卵型のチェアを置いたダイニングスペースを作り、ソファの背中にキャビネットを置くレイアウトの仕方も参考になります。
一人暮らしの部屋のカラーコーディネートの参考にすると良さそうな事例です。
7.殺風景=非日常。シンプルにまとめたリビング&ダイニングの例
ホテルの一室は、生活感がまるでありません。
365日過ごす住まいで、あの雰囲気を出すには、室内に置く家具をシンプルに、そして最低限にするのがベスト。
「まだココに物が置けるかも…」と思うくらい、スペースに余裕を持たせた家具のレイアウトをすると非日常的なイメージのインテリアが作れます。
ホワイトのTVボードと黒のコーナーソファをレイアウトしたリビングの例。
ホワイト×黒で作るインテリアは、シンプルで清潔感に溢れていますね。
リビングで見かける雑誌やアートなど、ゴチャゴチャ見えるものは一切排除!!
この潔さが、ホテルのような簡素な部屋を作り出しています。
同じ住まいのダイニングの例。
ガラス製のダイニングテーブルに薄いブルーのイームズチェアを組み合わせたシンプルなコーディネートです。
ペンダント照明にも透明感のあるガラス素材を使って、清潔感が演出してあります。
同じ住まいの寝室の例。
ベッドはホワイトのレザー製。
ベッドと反対側の壁に大きなミラーとレザー製のオットマンを置いただけのシンプルなコーディネートです。
8.シンプルテイスト+ちょっぴりアーバンなリビングの例
1個前の事例の部屋で暮らしていると「まだ家具が置けそうなのに勿体ない!!」と思ってしまうのが人間の性。
特にスペースがあまり取れない狭い部屋に住んでいる場合は、「人が通ることが出来ればOK!」なんて、ついつい物を増やしてしまいがちです。
「すっきりとしたホテルライクな部屋が、生活をしているうちにゴチャゴチャとなってしまいそう…。」
そんな片づけ癖のない人は、予め壁にダークな色を張って圧迫感を作っておくのも一つの方法です。
リビング全体が暗くならないようにTVの背面だけに木目のアクセントクロスを張った例。
1個前の事例と比べると“殺風景”という印象は薄くなっている気がしませんか?
真っ白な壁ばかり眺めていると、どうしても「足りない。」と感じてしまう空間も、工夫次第ですっきりお洒落に見せることが可能です。
同じリビングを遠くから見た写真。
いかがですか?
壁紙なら床面積に影響することなくメリハリの効いたインテリアを演出することが可能ですね。
先ほどのリビングの右手にはシンプルな対面式のキッチンがあります。
キッチンが丸見えの開放的なLDKのインテリアの参考にもなりそう♪
9.アイデアが絶妙!!ショールームみたいなワンルームの例
これまで紹介してきたほてるライクな部屋の事例は、どちらかと言えばファミリー向けでしたが、最後に紹介するのは、リビング、ワークスペース、寝室、キッチンが一つの部屋にある一人暮らしの部屋です。
右手置くに見えるのがキッチンです。
キッチンの手前の空間を斜めに仕切り、右側は寝室、左側はリビング&デスクスペースになっています。
ベッドの上の天井にアートを飾るアイデアが何とも斬新!!
さきほどの部屋を反対側から見た写真。
ベッドの両サイドに、キャンドルのようなフロアランプを並べて間接照明で雰囲気作り。
ヘッドボードの裏側はデスクスペースになっていて、広い空間を遮らないようにアクリルパネルで目隠しがしてあります。
日本のワンルームで、こんな凝ったレイアウトにするのは無理かもしれませんが、この写真を見た時「ホテルみたい!!」と思ってしまいました。
[参照元:Houzz Inc]