今流行のキッチンカウンター。
このサイトでも、「使い勝手抜群!見た目もお洒落なキッチンカウンター26例 DIYの参考に」や「IKEAで対面カウンターまるでシステムキッチンみたい!?アイデア実例21選」でキッチンカウンターを特集していますが、流行だからと言って、何も考えずにカウンター下に収納をプラスしたのでは意味がありません。
“収納場所が増える=使い勝手が良くなる”
キッチンカウンターの下に収納を増やす場合、このメリットだけを考えがちですが、部屋のスペースの点から見ると、
“収納場所が増える=オープンスペース(何も使っていない場所)が減る”
です。
つまり、カウンター下に収納をプラスすることで、視界が遮断されたり、床の見えている部分が少なくなって、狭苦しく見えるということも起こり得るんですね。
そこで、このページでは「キッチンカウンターの下に収納がほしい!」と思った時に、「その場所をどんな風に使うか?」「どんなイメージにするか?」の参考になる海外のキッチン下の収納アイデアを3つのパターンに分けて紹介します。
これらのパターンを考慮して、失敗のないキッチンカウンター収納を作っていきましょう。
キッチンカウンター下収納アイデア3パターンと失敗しない!使い勝手考察-目次
1.キッチンカウンター下収納をどんな目的で使うのか考えてみよう
まず、キッチンカウンターの下に空きスペースがあり、そこに収納を作る場合、その場所をどんな目的で使うかを考えておく必要があります。
1-1.食器を収納する
主に使う食器棚の収納量が足りない!
そんな場合、キッチンカウンターの下に収納スペースを設ければ収まりきらない食器収納スペースとして活用できます。
しかし、キッチンカウンター下収納は、キッチンから回り込んで、食器を取り出す必要があるため、日常的に使う食器を入れておくには少し不便。
キッチンカウンター下を食器収納として活用する場合は、以下のポイントについて考えておきましょう。
- 1.日常的に使わない食器があるか否か?
- 2.見せる食器を持っているか?
- 3.食器を隠すのか見せるのか?
- 4.カウンター下に収納しようと思っている食器の最大サイズは何cmか?
キッチンカウンター下にガラスキャビネットをレイアウトして、食器収納にした例。
食器収納としてだけでなく“見せる”も考慮したプランです。
この場合、カウンター下収納は全部観音開きタイプなので、扉をスムーズに開けることが出来るスペースも必要になるので、収納だけでなく、ダイニングセットのレイアウトも考える必要が出てきます。
1-2.本を収納する
リビング、ダイニング、キッチンがひとつながりになった広いLDKタイプの部屋の場合、リビングに背の高い本棚を置くより、キッチンカウンター下の空いたスペースに本棚を設ける方が、開放的な部屋を演出することができます。
キッチンカウンターの下の収納に本を収納する場合は、以下のポイントについて考えておきましょう。
- 1.本が何冊あるか?
- 2.本を隠すのか見せるのか?
- 3.収納したい本のサイズ
キッチンカウンターの下にオープン棚を取り付けて、スペース全部を本収納にした例。
キッチン幅と同じ幅のオープン棚なので、圧巻ですが、元々本をこんなに持っていない人には不要。
見栄えだけでデザインを選んでも、収納するものがなければ、収納を作る意味がありませんね。
雑誌のような薄い本は、縦に並べる以外に、写真のように表紙を表にしてマガジンラックのように収納する方法も。
この場合、収納の奥行は必要ないので、コンパクトで圧迫感のない部屋を演出することができます。
1-3.飾り棚として使う
キッチンカウンターの下をディスプレイ的に活用したおしゃれなキッチン写真を見て「こんな風にしたい!!」と思うこともあるかもしれませんね。
キッチンカウンターの下をディスプレイ的に活用する場合は、1-1や1-2で紹介した食器や本に比べて、使用頻度が少ないので、使い勝手よりも以下のポイントを参考に見栄え重視で考えましょう。
- 1.何を飾るのか?
- 2.ダイニングテーブルセットで隠れてしまわないか?
せっかく綺麗に飾っていても、他のエリアから見えないのでは、本末転倒です。
キッチンカウンターの下をディスプレイ収納にするのは、狭いダイニングキッチンよりも広いダイニングキッチンの方が向いています。
以上の3つの使い方の中から「どんな風に使うか?」がまとまったら、次は、“見せるのかor隠す”のバランスを考えてみましょう。
少し飾るだけなら、カウンター下全部を収納にしてしまう必要はありません。
オープン棚+ダイニングカウンターのように同じ場所を違う用途で使う方法もあります。
2.キッチンカウンター下収納のプランパターンを考えてみよう
2-1.オールオープンのカウンター下収納
オールオープンは、その名の通り、棚板をメインに使った丸見えの収納です。
- 奥行が感じられるので圧迫感が少ない
- 安上がり
といったメリットがありますが、埃がたまりやすいので、掃除をマメにする必要があります。
キッチンカウンター下を全部オープンにして、3段の棚板を取り付け白の食器を収納した例。
空いたスペースの高さが上に行くほど狭くなる棚板のバランスが参考になります。
食器収納としてだけではなく、陶器製の白の食器(一部ガラス食器)という一つの要素に絞った収納法なので、ディスプレイとしての意味合いも。
手前にちらりと見えるダイニングチェアとの間隔が十分に取れているので、圧迫感がありません。
3つのオープンボックスを規則正しく並べ、本を収納した例。
2段の棚板は、真ん中のスペースだけ高さが低く見えるようにバランスを考えて取り付けてあります。
収納するものが全部見える場合は、2つの事例のように棚板の場所にも注意すると、乱雑な雰囲気が回避できそうですね。
キッチンカウンターの袖壁(腰壁)側を活用してオープン棚を設けた例。
本の数は多くないけれど、キッチンのカウンター下に収納したいという場合は、キッチンの長さ方向ではなく、奥行方向に収納スペースを作る方法も。
※キッチン横の通路幅との兼ね合いを考慮する必要があります。
2-2.セミオープンのカウンター下収納
セミオープンのカウンター下収納は、扉のついたキャビネットとオープン棚を組み合わせたもの。
1か所で“見せると隠す”のバランスが取れたおしゃれなカウンター下を演出することができますが、「どの場所をオープンにするか?」「どの程度オープンにするか?」「オープンとクローズの場所」などで印象が変わってきます。
2-2-1.片側オープン
オープン:クローズ(見せる:隠す)=2:3
カウンター下に観音開きの収納キャビネットを2セットレイアウトし、残りをオープンにした例。
オープン部がキッチンの幅だけでなく、奥行方向までぐるりと回っているので、リビング側から見たときもおしゃれ♪
オープン部には、本を上に積み重ねるようにして並べ、飾り棚的な使い方がしてあります。
2-2-2.上下のどちらかがオープン
オープン:クローズ(見せる:隠す)=1:3
上部オープン、下部観音開きキャビネット×4のコーディネート例。
オープン部にはワインと背表紙が白の本だけを少しだけ並べて何も置いてない場所の方が多い印象です。
オープン部に背板をつけず、キッチン側のスペースを見えるようにすることで、圧迫感を極力減らす工夫もしてありますね。
オープン:クローズ(見せる:隠す)=1:4
上部オープン、下部スライド引き戸のコーディネート例。
ダイニングテーブルとキッチンカウンターの距離が近い場合は、開き扉よりも引き戸の方が省スペースに収めることができます。
オープン部には、ディスプレイ用の白の食器と本を飾り、見た目もすっきり♪
収納がたくさんあるからと言って、キチキチに物を収納するより、写真のような適度な空きがあった方がスマートなインテリアを演出できますね。
オープン:クローズ(見せる:隠す)=4:1
カウンター下に1段引き出し+オープン棚のキャビネットを2セットレイアウトした例。
写真は、キッチン側から使うタイプなのでオープン部にボールやお鍋が収納してありますが、ダイニング側で同じようなプランをするなら、引き出しに文房具、オープン部に食器+本というような使い方もできますね。
ワゴンタイプの収納は、キッチンカウンターの側面にピタリと収まるようになっています。
オープン:クローズ(見せる:隠す)=1:3
キッチンカウンターの下に床からカウンター下までの観音開きのキャビネットと上部オープン+下部引き出しになったキャビネットを3セットレイアウトした例。
これまで紹介したどの例よりもオープン部が少なく、オープン部には、デザイン性の高い本と花瓶を置いて飾り棚っぽく活用してあります。
同じオープン部でも、そこに何を置くかで、生活感の有り無しが違って見えます。
1.キッチンカウンター下収納をどんな目的で使うのか考えてみようの項目は、意外と見落としがちなポイントなので、十分に考えた上で、キッチンカウンターの下をおしゃれに活用したいものですね。
2-2-3.シンメトリー
シンメトリーは、オープンとクローズのバランスを左右対称にレイアウトした例です。
一見どうでも良さそうなオープン部とクローズ部ですが、このレイアウトにするとおしゃれ感が一気にアップします。
オープン:クローズ(見せる:隠す)=2:1
カウンターの真ん中に4段引き出しのキャビネットをレイアウトし、左右にオープン棚をレイアウトした例。
写真はアイランドカウンターの例ですが、オープン部に飾るもの(置くもの)がバラバラでも、左右均等に並んだキャビネットがあるだけで、整然とした印象です。
オープン:クローズ(見せる:隠す)=3:1
カウンター下の両端に扉付きのキャビネットを1個、中央に1段引き出し+オープン棚のキャビネットを3セットレイアウトした例。
1個前の事例のように両サイドをオープンにするか、中央をオープンにするかで印象が全く異なります。
重厚感や格好良さを求めるなら中央オープン、軽快な印象にするなら左右オープンかな?
オープン:クローズ(見せる:隠す)=2:1
カウンター下の中央に1段引き出し+観音開きのキャビネット、両サイドに1段引き出し+オープン棚キャビネットをレイアウトし、オープン棚にバスケットを収納して、収納物が見えないようにした例。
アイランドカウンターの例ですが、バスケットを収納するアイデアはオープンキッチンでも応用できそうですね。
2-2-4.カフェ風ダイニング+カウンター下収納
収納物がそんなに多く場合は収納部を少なめにして、カウンターチェアを置き、カフェ風ダイニングとして活用する方法も。
壁際に観音開きのキャビネットを1個レイアウトして、残りのスペースをカフェ風ダイニングにした例。
ダイニング側に高さ5cmほどのオープンボックスをカウンター下に取り付けてパソコン置き場にするアイデアがナイス。
これなら、対面カウンターの上をパソコンデスク代わりに使えますね。
オープンボックス+カフェ風ダイニングの例。
棚板が無いオープンボックスに本を重ねて収納し、ディスプレイ的な使い方がしてあります。
この部分に観葉植物を飾るのもありかもしれませんね。
1個前と同じようなプランで棚板有のオープンボックスを組み合わせた例。
2つの事例を比較すると棚板有→収納、棚板無→ディスプレイという印象が濃くなる気がします。
キッチンカウンターの両サイドに側面から収納できるオープンBOXをINして、正面をカフェ風ダイニングにした例。
写真はアイランドカウンターですが、壁付けカウンターでも横から取れる収納にするアイデアは応用できますね。
キッチンカウンターの下に1段オープン+観音開きキャビネット、2段オープン+観音開きキャビネット、カフェ風ダイニングの3つをミックスした例。
複雑なプランですが、このバラバラ感が逆にお洒落に見えるポイントかも。
カウンター下にワインセラーと幅の狭いオープン棚をレイアウトし、残りをカフェ風ダイニングにした例。
3m以上あるキッチンなので、見栄えがしますが、カウンターチェアを2脚減らせば、240cm程度のカウンターでも応用できます。
カウンター下の両サイドにオープン棚を設け、真ん中のスペースをカフェ風ダイニングにした例。
2-2-3で紹介したシンメトリーレイアウトにカウンターチェアをプラスした応用コーディネートです。
カフェ風ダイニングを作る際は、これまで紹介したチェアが入るオープン部を作る方法以外に下の写真のようにカウンターの奥行を下のキャビネットよりも深くする方法もあります。
カウンター下にオープン棚、観音開きキャビネット×2をレイアウトし、カウンターの奥行を20cm程度深くした例。
ただし、このプランの場合、収納物を取り出すのにカウンターの出っ張りが邪魔になることもあります。
2-3.オールクローズドのカウンター下収納
オールクローズドは、カウンター下のキャビネットに全て扉がついているタイプです。
中に何が閉まってあるか見えない(ガラス扉を除く)ので、隠す収納にはもってこいですが、キッチン前に分厚い腰の高さまでの壁があるようなイメージになるので、吊戸棚用の壁(垂れ壁)があるキッチンにプランすると、部屋が狭く見えてしまう可能性も。
カウンター下に観音開きキャビネットを2セットレイアウトした例。
カウンター上に壁がない開放的なキッチンなので、ダークブラウンのキャビネットでも圧迫感は感じませんが、狭いダイニングキッチンで同じようなレイアウトをしたい場合は、ホワイトを選んだ方が良さそうです。
キッチンカウンターの例ではありませんが、スリット入りのキャビネット(写真左)を使うと、少し開放感のある印象に。
カウンター下をオールクローズドの収納にする場合は、色やデザインなど細かい点も気にしてキャビネットを選ぶようにしましょう。
カウンター下にガラス扉付のキャビネットを2セットレイアウトした例。
これまでの2つのパターンと比較すると、扉がガラスというだけで圧迫感が少なくみえませんか?
その分中身が丸見えになってしまいますが、狭いダイニングキッチンや開放感のあるインテリアを作りたい方には、こちらの方がおすすめです。
3.カウンター下収納をおしゃれに演出する方法を考えてみよう
3-1.LED照明で陰影を出す
キッチンカウンターの下にLED照明を取り付けて、カフェ風ダイニングの足元を照らした例。
ぼんやりとした灯りが素敵なオープンキッチンを演出しています。
カウンター下のキャビネットの天板にLED照明を埋め込んだ例。
ガラス扉から薄ら光る本が見えるアイデアが素敵ですね。
オープン棚の上部にLED照明を取り付けてディスプレイを照らした例。
ここにガラス食器やグラスを置いても良さそうです。
3-2.パネルの素材や見え方を工夫する
カウンター下にブルー&グレーのヴィンテージなパネルを張り付けた例。
キッチンとは全く違う色ですが、味わい深い色合いがカフェっぽいカウンターダイニングを演出しています。
カウンター下に幅10cmほどのブルーの板を張り付けた例。
対面側って安く仕上げる為にホワイトのクロス張りになってることが多いので、こんな風に素材感のある板にするだけで新鮮な感じです。
カウンター下のホワイトの収納キャビネットにストラップヒンジを取り付けた例。
扉の裏側ではなく、表に取り付けるのがストラップヒンジ。
通常は隠れているヒンジが見えるという見慣れないデザインにおしゃれ感がアップしている気がします。
キッチンカウンター下収納って、通販サイトなどを見ると「便利そう」「収納量がアップしそう」と良いことばかりのような気がしてしまいますが、圧迫感が出るなどのデメリットもあることが少しは伝わったでしょうか?
無駄なように見えるキッチンカウンター下も、ダイニングを広く見せる為にオープンのままで使用するのもひとつの方法。
どうしても収納が欲しい場合は、流行に惑わされず「何を収納するのか?」「どんなデザインを選ぶのか?」をしっかりと考えておきたいものですね。
[参照元:Houzz Inc]