数年前、キッチンプランナーをしていた頃、国際結婚をして30年北欧に住み、所有していた日本のマンションをリフォームして老後の棲家にしたいという70代目前のおば様と打ち合わせをしたことがあります。
国内のメーカー側の人間としては、他のキッチンの方が優れていると思っていても、自社製品を提案するのが義務。
プランの打ち合わせの際に
「日本のオーブンってどうしてこんなに小さいの?」
(心の声:七面鳥の丸焼きする人は少ないから…)
「吊戸棚に家電が入らないじゃないの!」
(心の声:元々ウォールユニットに家電を入れる人はいない…)
と凄い勢いでダメ出しをされました。
そりゃ、外国製の大きなキッチンを何年も使っていた人からすれば、日本のシステムキッチンはおもちゃですよね。
(断っておきますが、国内にも素敵なキッチンはたくさんありますよ。でも、海外のものに比べると、狭くて小さいんですよね…)
その時、実感したのが、海外のキッチンって本当におしゃれ!!ということ。
皆さんの中にも、システムキッチンを使うなら、有名な海外製を使ってみたい!!と思ってる方もいらっしゃるでしょうね。
また、キッチンリフォームを検討中の方は、国内メーカーと比較するのもあり。
そこで、今日から数回に分けて、日本でも取扱いのある海外のシステムキッチンメーカーと実例を紹介していきたいと思います。
輸入キッチンと言えばドイツ!!のドイチュラントから行ってみましょう。
ドイツのキッチンメーカー別システムキッチン実例-目次
- 1.poggenpohl(ポーゲンポール)のおしゃれなキッチン事例
- 2.SieMatic(ジーマティック)のおしゃれなキッチン事例
- 3.Zeyko(ツァイコ)のおしゃれなキッチン事例
- 4.ALNO(アルノ)のおしゃれなキッチン事例
- 5.nobilia(ノビリア)のおしゃれなキッチン事例
- 6.Haecker(ヘッカー)のおしゃれなキッチン事例
- 7.rational(ラショナル)のおしゃれなキッチン事例
- 8.bulthaup(ブルトハウプ)のおしゃれなキッチン事例
- 9.allmilmo(アルミルモ)のおしゃれなキッチン事例
- 10.beckermann(ベッカーマン)のおしゃれなキッチン事例
- 11.nolte(ノルテ)のおしゃれなキッチン事例
1.poggenpohl(ポーゲンポール)のおしゃれなキッチン事例
キッチンカウンターが五角形!!
調理器具前のカウンターをググーンと伸ばして、ダイニングテーブルにもするアイデアがおしゃれ♪
セテブリティーな臭いがプンプンする上品なキッチン事例です。
ホワイトの扉カラーでⅡ型の対面プラン例。
普通この形なら対面側はシンクなんだけれど、これはIH!
レンジフードが無いのが気になりますが、海外ではこのプランが通るんだろうか…。
ワインレッドのキャビネットがおしゃれ!!
調理器具側をアイランドにしたプランです。
天井にある四角いステンレスはレンジフードかな?
海外のキッチンって、日本のキッチンメーカーには見られない器具が使ってあるので、とても勉強になります。
ホワイトのシンプルなⅡ型のキッチン例。
これも調理器具が対面側。
ポーゲンポールって、このパターンのキッチンプランが多いですね。
動線から考えると、盛り付けてササッとダイニングに持っていけるこのレイアウトの方が実用的なんですが、日本では、レンジフードの排気の関係で調理器具が壁側にあることがほとんどです。
ダークブランの扉にブラックのカウンターが格好良いモダンなキッチン例。
シンクユニットの反対側にビルトインされてる機器は何だろう?食洗かな?
L型キッチン+アイランド+カップボードのとんでもない広さのキッチン例。
すっきりとした印象のホワイトのウォールキャビネットと、木目が美しい茶色のフロアキャビネットのコントラストが素敵♪
冷蔵庫、オーブンの大きさが業務用みたいに大きいのは海外のキッチンならでは。
海外在住歴30年のおば様にダメ出しされるのも納得です(笑)
ポーゲンポールは、1928年、現在のシステムキッチンのベースとなる家具を開発して以来、最高級キッチンとして世界中で認識されているトップクラスの、100年以上の歴史を持つドイツの家具メーカーです。
ポーゲンポールのシステムキッチンの日本での輸入販売は、流し台からシステムキッチンへの変換期にあたる1976年。
2015年5月現在は、アクタスが正規輸入代理店となっています。
2.SieMatic(ジーマティック)のおしゃれなキッチン事例
御影石調の人造大理石カウンターが高級感たっぷり!!
一度で良いから、こんなキッチンで料理がしてみたいです。
格好良い対面式のL型キッチンプラン。
吊戸棚の継ぎ目が見えないんだけど…もしかしてパネル?
I型キッチン+アイランドをジーマティックのS2シリーズでプランした例。
アイランドの横にキッチンと平行にダイニングテーブルを並べたレイアウトって初めてみたかも。
レール取っ手がとってもおしゃれですね!
鏡面扉のL型+アイランド×2プラン。
ダイニングカウンターをわざわざキッチンユニットを使ってレイアウトしてあるのが凄いです。
キッチン自体が大きいのでわかりにくいかもしれませんが、アイランドの下にビルトインしてあるオーブンレンジが特大で、料理教室が開催できそうなキッチンです。
Beauxarts02シリーズのキッチンプラン例。
何でしょう、このピカピカした高級感過ぎるキッチンは…。
トールキャビネットのスレンレスの質感が、日本のキッチンメーカーでは見られないくらい素敵です!!
「システムキッチンなんて、どのメーカーでもさほど変わらないでしょ。」と思っていた方でも、このキッチンを見れば、このメーカーが秀でているのが実感できる実例ですね。
現在は、国際的高級ブランドとして世界中に認知されています。1979年には既に、閉めた時に音がしにくいキャビネットや引き出しを開発しています。
日本のキッッチンメーカーがこれらを採用し始めたのは2000年になってからなので、ジーマティックが、世界に先駆けてシステムキッチンの技術を追及していることがよくわかります。
3.Zeyko(ツァイコ)のおしゃれなキッチン事例
collection clasicco
懐かしい雰囲気の框扉のキッチンプラン。
カウンターが日本のメーカーの倍以上あるんじゃないかと思うくらい厚くて、重厚感たっぷりです!
collection moderno
このキッチン素敵!!
アイランド部の蹴込(キャビネットより内側に入ってる足元の部分)の高さが高いから格好良く見えます!
20cmくらいあるのかな?(国内メーカーは11cmが一般的)
これも格好良いキッチン!!
こっちは、キッチン側も蹴込が高いので、キッチンが床から浮いたように見えますね。
さらに蹴込のステンレス色があり得ないくらいピカピカ☆(鏡みたいにフローリングが映ってる)
遠目で見ても質の良さが使わってきます。
NO!!!コンクリートみたいなデザインの扉柄が格好良すぎます!!
その上、扉の中に黄色のキッチンが収まってる…。
さっきのアイランドと違ってこっちは蹴込がほとんど見えないので、建物の中に建物が建ってるような印象です。
コンクリートみたいなデザインの扉柄のキッチンプラン2。
アイランドの上に分厚い木で作ったカウンターをL字に乗せたアイデアが素敵!!
このキッチンカウンターの厚みが無いように見えるのだけど、何mmなんだろう…。
ツァイコは、1933年創業の家具メーカーで1971年からシステムキッチンを開発&販売している高級キッチンメーカーです。
日本で現在主流となっている鏡面仕上げのキッチンも1980年後半には生産していて、日本のメーカーが鏡面扉のキッチンを作り始めたのが2000年代前半ということを考えると、このメーカーも世界に先駆けたデザインのキッチンを開発していることがわかります。
Zeyko(ツァイコ)公式サイト(英語です)
4.ALNO(アルノ)のおしゃれなキッチン事例
ALNOBRIT
凛とした佇まいの可愛さもあるシステムキッチン。
キャビネットデザインのバランスがとても素敵です!!
ALNOPEARL
クリームっぽい鏡面扉にブラックのアクセントが印象的なシステムキッチン。
元キッチンプランナーとしては、上下に2段、全て同じ幅でユニットが並んでいるキャビネット扉の割り付け方に心が惹かれます。
ALNOVERA/ALNOVETRINA
ブラック&ホワイトでコーディネートしたスタイリッシュなシステムキッチン。
インテリアカタログのような素敵さに、「こんなキッチンだったら毎日お手入れするかも。」なんて(笑)
ALNOPLAN/SUND
アッシュ系の木目とイエローのコントラストが美しいシステムキッチン事例。
キッチンというより家具ですね。
ホワイト、ブラック、ピンクでコーディネートしたモダンなキッチン。
部屋の真ん中に大きな柱があるのを活用したプランの仕方がナイスです。
カウンターがT字って、凄く珍しい例なんですよ。
アルノは1922年創業のドイツのキッチン家具メーカーで、システムキッチンの売上はドイツ国内トップです。
ALNO(アルノ)公式サイト(英語です)
5.nobilia(ノビリア)のおしゃれなキッチン事例
ホワイトとオレンジイエローのコントラストが美しいシステムキッチン。
ほんのりと暖かみもあり、楽しそうな雰囲気もしますね。
FOCUS 473
木目と鏡面ブラックのコンビネーションが美しいシステムキッチン。
このキッチン、もしかしてIHとガス調理器の2台ついてる?
こんな感じの雰囲気の良いキッチンカウンターって日本のメーカーには無かったなぁ~。
RIVA 893
これも素敵!!
木目が多めの温かい雰囲気のシステムキッチンですね。
単色のホワイト系のキッチンよりも“家具”って感じがするので、最近、木目のキッチンが気になっています。
LASER 416
ホワイトのL型のキッチン例。
キッチン自体シンプルに見えますが、木目調のカウンターやサイドパネル(アイランド側のキャビネットのエンドについてるヤツ)の組み合わせ方が独特。
プランナーさんのこだわりを感じます。
ホワイトのシステムキッチンにハンギングシステムを組み合わせたI型プランの例。
TVドラマに出てくる、おしゃれな家みたい♪
ワインセラーまでビルトインしてあるのが素敵です!!
ノビリアは、1945年創業のドイツのキッチン家具メーカーで、製品の約40%は、ドイツ国外へ輸出されています。
日本では名古屋にショールームがあります。
nobilia(ノビリア)公式サイト(ドイツ語です)
6.Haecker(ヘッカー)のおしゃれなキッチン事例
全てが格好良くおしゃれなキッチン!!
アイランドカウンターにL字型にダイニングカウンターを乗せるのって、これまでの事例でも何個か紹介しましたが、ドイツで流行ってるのかしら?
さっきのキッチンのシンク側のアップ写真。
キャビネットの継ぎ目が全部同じ位置にあるから余計におしゃれに見えますね。
「あれ?継ぎ目って同じ位置じゃないの?」と思った方、家のキッチンがシステムキッチンなら、線に注目してキッチンを眺めてみて下さい。
細い、太い、左右揃ってないなど、システムキッチンのユニット同士の継ぎ目って、意外とバラバラですよ。
さらに同じキッチンをカップボード側から見た写真。
薄いホワイトのキッチンカウンターも素敵です。
「日本のキッチンメーカーの方がカウンターに厚みがあるんじゃ…。」と思った方、日本のシステムキッチンの人造大理石カウンターは、40cmほどの厚みのあるカウンターがキャビネットの上に乗ってるように見えますが、40cmなのは手前だけで、キャビネットの上は8mm程度の厚みしかないんですよ。
ヘッカーは1938年創業で、1972年からキッチンを製造&販売しているドイツのシステムキッチンメーカーです。
日本では、ガイア株式会社が販売しており、東京都世田谷区と兵庫県西宮市にショールームがあります。
Haecker(ヘッカー)公式サイト(ドイツ語です)
7.rational(ラショナル)のおしゃれなキッチン事例
間接照明が美しいキッチン。
おしゃれなショットバーみたいなインテリアですね。
キッチンがうちのリビング&ダイニングより広い(笑)
今まで紹介した事例の中で一番カジュアルな印象ですね。
さっきのキッチンと同じレイアウトで、ホワイト鏡面のパターン。
ホワイトの扉にブラックのカウンターを組み合わせるのって、“THE輸入キッチン”って感じです。
ホワイトキャビネットにエレガントな赤のカウンターの組み合わせ。
素敵過ぎて、言葉になりません!!
輸入キッチンを選ぶなら、こんな感じの日本のメーカーにはない斬新なデザインを選びたいですね。
ダークブラウンの木目にステンレス素材を組み合わせたモダンなキッチン。
壁側にあるキッチンは、ハンギングタイプで、足元に間接照明が入っています。
フロアユニットがスリットみたいになってる…。
微妙に透けてるから、中に何が入ってるかわかるし、デザインも斬新!!
中に照明が入ってるのかな?
rational(ラショナル)公式サイト(英語です)
8.bulthaup(ブルトハウプ)のおしゃれなキッチン事例
シンプルなコの字型キッチン。
オールホワイトで清潔感に溢れていますね。
ステンレスだけの枠組みの個性的なキッチン+使い勝手の良さそうなバックセット。
カップボードの一番左にあるワイングラスとコーヒーカップの収納が実用的!!
ホワイトの鏡面扉のⅡ型キッチン。
私、こんな感じの扉が少し飛び出たようなデザインのキッチンが大好きなんです!
ピタっと収まってるデザインよりも高級に見えませんか?
取っ手のデザインがおしゃれなホワイトのコの字型キッチン。
システムキッチンって扉が閉まってる状態だと、どのメーカーでもさほど変わりないように思いますが、引き出し中身は、明らかに違う!!
ブルトハウプのシンク下の引き出し(写真正面の左側の引き出し)の中はこんな感じ。
オールステンレスで、ふきん掛け、ゴミ箱、洗剤収納の3つの区分けがされた使い勝手の良さそうなキャビネット。
続いて、コーナーユニットはこんな感じ。
奥から回転式に飛び出てくるお鍋収納。
トレイの色やデザインなど、細部にまでこだわってるのがわかりますね。
9.allmilmo(アルミルモ)のおしゃれなキッチン事例
ホワイトのⅡ型キッチン。
キッチンとダイニングの段差を活用したハッチタイプのキャビネットが素敵!!
インダストリアルな雰囲気のインテリアですね。
凄い!このキッチンカウンター、緩やかなカーブを描いてる!!
フレンチカントリーっぽいレトロな雰囲気のキッチンです。
打って変わって、モダンなダークグレーのキッチン。
壁を背に逆L字にレイアウトこのプランも凄いです!!
10.beckermann(ベッカーマン)のおしゃれなキッチン事例
丸太小屋みたいな木の住まいにモダンなホワイトのシステムキッチン。
ホワイトのキャビネットにダークカラーのカウンターとエンドパネル(キャビネットの端にあるヤツ)を組み合わせるというセンスが素敵です!
鏡面ベージュのⅡ型キッチン+カップボードの組み合わせ。
ウォールキャビネットのデザインがおしゃれ過ぎます!!
フロアキャビネットをグレー、ウォールキャビネットをホワイトでコーディネートしたキッチン。
このウォールキャビネットのデザインも変わってますね。
ベッカーマンは、他のメーカーに比べてウォールキャビネットのバリエーションが豊富なのかも…。
11.nolte(ノルテ)のおしゃれなキッチン事例
框付のホワイトのL型キッチン。
框扉って、どちらかと言えば、少し古いデザインというイメージでしたが、このキッチンは全く古いという印象がない!!
何故だろう?と考えてみると、框の彫が浅く、フラット扉に近いデザインだからですね。
ホワイトのフロアキャビネットのみのI型キッチンの例。
何だか、こちゃこちゃしたインテリアが海外っぽいですね。
重厚な木目のL型のシステムキッチン例。
今回初めて、クラシックな扉を紹介するかも。
これぞ伝統的なシステムキッチンという感じです。
いかがでしたか?
ドイツの主要なキッチンメーカーをピックアップしたつもりですが、正直12社もあったのには驚きです!
しかも、そのほとんどが1920~30年代創業で、システムキッチンを1970年代から作っているなんて…。
日本でシステムキッチンが当たり前になったのって、ここ20年くらいかな?
ドイツのキッチンメーカーが培ってきた歴史を考えると、日本のメーカーは、まだ半分くらいなんですね。
「だから、最先端のキッチンを使いたいと輸入キッチンに憧れるんだ!!」と妙に納得です。
[参照元:Houzz Inc]