近年、人気のインダストリアルインテリア。
- レンガ風の壁に黒のオープンディスプレイ棚
- 黒板に白のチョークで書いたメニューに電球丸見えのペンダント照明
- ウッディーな横張板の内装に古びたスチールの収納棚
などなど、街中の商業施設のショップデザインにも多く取り入れられているような気がします。
さて、このインダストリアル。
工業的デザインなどと呼ばれ、住まいというよりも倉庫や工場の内装のようなイメージです。
日本の住まいの多くが、部屋の天井や壁が白い壁紙で覆われたフラットなのに対し、インダストリアルな住まいは、レンガがそのまま露出した壁面に、通常であれば天井の裏に隠されている電気配線や排気ダクトも丸見え。
前者が美しく隠してあるのに対して、後者はどちらかと言えば、汚いという印象なのですが、逆に、この汚さが程よい格好良さや居心地の良さを演出し、DIYとも相性が良いということで、広がりを見せています。
近年の間取りは、各部屋に仕切りが無い広いLDKが主流です。
リビングやダイニングをインダストリアルにしたら、「同じ空間にあるキッチンもインダストリアルにしなきゃ!」となるはず。
ところが、住まいの中で一番清潔さを保っておきたい場所と言えば、キッチンです。
また、キッチンは、リビングやダイニングのように「インダストリアルデザインの家具を置けば、それらしくなる」という訳ではありません。
インダストリアルなキッチン空間を作りたい時、どのようなポイントに気を付ければ良いか?を35個の事例とともに紹介しますので、ヒントにしてみて下さいね。
6つのポイントで実現!!インダストリアルなキッチン実例-目次
1.扉柄
キッチンスペースで最も面積を取るものと言えば、キッチンそのもの。
キッチン空間をインダストリアルな雰囲気にしたい場合は、扉の色を後から紹介する壁面やテーブルや照明器具と相性が良い、黒または暗めのグレー、無機質なシルバーにすると良いです。
黒 or ダークブラウン
黒の框扉の壁付けキッチンに赤レンガとホワイトタイルを組み合わせたキッチン例。
ステンレスバーをタイル面に取り付け、鍋や調理器具を露出するアイデアが素敵!!
冷蔵庫側の壁面を真っ黒&床にヘキサゴンタイルを貼ったワンランク上のインテリアの作り方は、ダイニングから丸見えの壁付けキッチンで真似ると良さそう。
フロア部:黒キャビネット、ウォール部:ヴィンテージな木製2段シェルフを組み合わせたキッチン例。
黒と木の組み合わせがカッコよい!!
近頃、日本では蹴込(フロアキャビネットの高さ11cmほどの凹んだ部分)がシルバー色のキッチンも出現してますが、黒の扉の場合は黒の蹴込の方が合いそう。
フロア部:黒キャビネット、ウォール部:ライトグレーの観音開きを組み合わせたキッチン例。
壁面をタイルにして、キッチンの幅と同じだけ吊戸棚を設置するのではなく、シンク上部にだけレイアウトしたパターン。
収納量は減りますが、カウンター上から天井まで真っ白なタイルで覆われたキッチンは清潔感を感じます。
ステンレス
レンガ壁とALLシルバーのI型キッチンのコーディネート例。
業務用っぽいデザインが格好良い!!
キッチンカウンターと言えば、温もりのある人造大理石を組み合わせることも多いですが、この事例のように扉:シルバー、カウンター:ステンレス(ヘアライン)にすると統一感が出ますね。
扉:シルバー、カウンター:茶系の人造大理石のL型+アイランドキッチンの例。
インダストリアルにしては、ちょっぴり綺麗過ぎるかな?
レンジフードやビルトイン調理機器、冷蔵庫も全てシルバーなので“ピカー”って感じ。
シルバー扉は、汚れが雲って目立ってくるので、マメにお手入れをする習慣もつきます。(経験者談)
取っ手がクルンと丸いシルバーの壁付けI型キッチン例。
黒い窓とのコントラストが美しい!
「お料理教室??」と思ってしまうくらいの大きなキッチン事例ですが、シルバー×黒の格好良さが伝わるのではないかな?
シルバー扉のキャビネットとグレーの人造大理石カウンターを組み合わせたⅡ型対面キッチン例。
対面側のカウンター下もシルバー。
シルバーのキッチンは、古材風味のフローリングとの相性抜群です!!
2.壁面
キッチン空間をインダストリアルな雰囲気にしたい場合におすすめの壁材は、ホワイトタイル(正方形よりも横長デザインの方がそれっぽく見える)、レンガ、黒板化した壁です。
ホワイトタイル
黒い扉のL型壁付けキッチンとホワイトタイルのコーディネート例。
ビルトイン調理機器、食洗器、レンジフードは全て黒にした白×黒コンビが美しい!
白いタイルは、この事例のようにサブウェイタイルを使うとインダストリアルっぽい雰囲気が出せそうな予感です。
黒のフラット扉の壁付けI型キッチンとホワイトタイルを組み合わせた例。
ウォールユニット無しのキッチンプランにして置いて、タイルはカウンター上120cmの位置まで貼り、残りはホワイトのクロス仕上げ。
キッチンの反対側の壁面は、茶系のレンガ調で、同じ空間にある壁面の素材を変えたおしゃれなインテリア例です。
グレイッシュなナチュラルブラウンの木目扉キッチンとホワイトタイルをコーディネートした例。
この事例もウォールユニット無しで、タイルはカウンター上120cmまで。
残りは、この建物の構造壁をそのまま剥き出しにしてあるのかな?
ホワイトタイルの上部に、ライセンスプレートが規則正しく飾ってあるのが格好良いです。
レンガ
茶系のレンガ壁に、ホワイトのフラット扉のI型キッチンをコーディネートした例。
「キッチン周りの壁にレンガって、消防法的に大丈夫なのかしら?」と調べてみると、不燃レンガを使えばOKな様子。
とてつもなく天井が高いキッチンなので、吊戸棚の上もレンガになってます。
茶(オレンジ)系レンガ壁に、ホワイトの鏡面フラット扉のI型キッチンをコーディネートした例。
まるでリビングの家具みたい!!
よく見ると、このキッチン、カランとシンクがブラックです。
日本のキッチンメーカーのシンクはシルバー色が多いので、海外のキッチンかオーダーキッチンあたりを探せば、黒でもできるかな?
黒板
キッチンスペースの窓と反対側の壁を黒板化した例。
壁付けキッチンの前はレンガで、その隣にある壁が黒板。
レンガと黒い壁って、めちゃくちゃ相性が良いですね。
調理機器の隣にある柱型を真っ黒にして黒板化した例。
1個前の事例は90度で隣り合う壁の組み合わせ例でしたが、こちらは同じ面にある壁をレンガと黒にしたパターン。
壁掛け時計ではなく、チョークで時計が描いてあるのが可愛いです。(いつ見ても針が動いてないのが難点ですが…)
3.収納
ウォールユニットや家電収納、食器棚など、キッチンスペースに置く収納をヴィンテージな木を使ったオープン棚にするとインダストリアル感が出ます。
さらに、配管シェルフはインダストリアルに欠かせないアイテムなので、DIYが得意な方は、配管パーツを活用するのもありです。
キッチン上
シンク上に木製の3段シェルフを取り付けた例。
レンガ壁とヴィンテージな木の相性抜群!
アイランド風作業台の真上に、配管パイプを吊り下げ、S字フックでお鍋を吊るすアイデアも参考になります。
調理機器の両サイドの壁に、幅60cmほどの配管パイプ+木製板で3段シェルフを取り付けた例。
パイプは銅管?
1個前の事例は、調味料置き場でしたが、こちらは調味料と食器置き場。
作業スペースの真上に食器があると動線が短くなって、料理がスムーズにできそうな予感です。
作業スペース&調理機器&配膳スペースの上に、黒の配管パイプと木の板で、調味料置き場・キッチンペーパーホルダー掛け・お玉掛けを作った例。
使いたいものがサッと取れそう!!
ハイプをグネグネと繋いで、使い勝手の良さそうなレイアウトを考えるのも楽しそうですね。
シンク横の作業スペースに黒の配管とヴィンテージな木板で作った2段シェルフを取り付けた例。
水に近い位置なので、主に食器置き場として活用。
「壁面は古材かしら?」と思っていたら、木のように見えるタイルでした。
TRIBECA BRICK LOOK ITALIAN WALL TILE – CERAMIC RONDINE
壁付けコの字型キッチンのシンク上から調理器具側に向かって、黒の配管パイプ+木製板を使ってL型に3段シェルフを取り付けた例。
主に食器と鍋収納として活用。
調理機器の右側にあるシェルフの最下部は本棚。
レシピ本を収集してる場合は、サッと取り出せてサッとしまえる本棚がキッチンの真上にあると便利そう。
キッチン周辺
壁付けL型キッチンのシンク側の背中側の壁に、配管パイプ+ヴィンテージな木で3段シェルフを作った例。
床面ではなく、目の高さにレイアウトしてあるので使いやすそう。
キッチン側だと、カウンター上で作業する際に頭をぶつけない高さでシェルフを取り付ける必要がありますが、この位置なら高さは自在。
キッチンハーブ、スパイス、食器の収納場所として活用してあります。
シンク横の90cmほどのスペースに木製の棚板を4段取り付け、調味料の収納場所にした例。
下から3段目と3段目の間隔を広く取り、果物やハーブを飾ってディスプレイっぽくするアイデアがおしゃれ!
壁面を黒板化しておいて、チョークでペイントできるようにする手法も参考になります。
4.対面カウンターor作業テーブル
キッチンスペースの中央に作業台が置ける場合、ステンレス素材のデザインをチョイスするとキッチン空間が一気にインダストリアルっぽい雰囲気に。
また、対面キッチンで「腰壁部分がホワイトのクロス壁だ!」という場合は、ステンレスパネル仕上げやレンガ調、横木目にすると工業的なデザインになります。
L型対面キッチンのキッチン中央に幅120cm奥行き60cmほどのステンレステーブルを置いた例。
テーブルの周りに椅子が置いてないので、このテーブルは作業台。
この事例のようなテーブルは、業務用キッチンを探すと見つかりそうな予感です。
壁付け+対面のⅡ型キッチンのアイランド側をステンレスオープン棚と木製カウンターにした例。
1個前の作業台の上に分厚い木のカウンターを乗せたようなイメージ。
事例はシンク付きのアイランドですが、シンク無しなら、ステンレステーブルと木製カウンターを組み合わせてにたようなデザインが出来そうな予感です。
キッチンスペースに、ステンレスのキャスター付きテーブルを2個並べてレイアウトした例。
作業台というよりは、ダイニングテーブルとして使うのかな?
厨房に置いてありそうなシンプルなデザインです。
壁付け+対面のⅡ型キッチンの対面側の足元をオープンにしてステンレス貼りにした例。
ステンレス貼というより、シンクの目隠しがステンレス製?
一般的に腰壁+クロスで綺麗に仕上げる場所をわざと丸見えにしてあるところが、インダストリアルっぽい。
腰壁の対面側をインダストリアルっぽくするアイデア
「対面キッチンカウンターの下に何の味気もないホワイトのクロスが貼ってある」という場合は、ヴィンテージな横木目やレンガ調壁紙に張り替えるとインダストリアル感がUP!!
対面カウンターの下にグレー系のヴィンテージ木目壁紙を貼った例。
対面カウンターの下に赤系のレンガ壁紙を貼った例。
5.カウンターorテーブル用チェア
キッチンと隣接するカウンターにチェア(カウンターチェア/カウンタースツール)を組み合わせる場合は、脚のデザインがゴツゴツとしたインダストリアルスツールをチョイスしましょう。
背もたれなし
対面カウンターと艶消しステンレスの背もたれ無しのインダストリアルスツールを2脚コーディネートした例。
無機質なデザインとシルエットが格好良い!!
クルクル回して座面高を調整できるタイプなので、どんな高さのテーブル(カウンター)と組み合わせることが出来ますね。
背もたれあり
シンクアイランドとインダストリアルデザインの背もたれ付きの木製スツールをコーディネートした例。
作業用の椅子って感じのデザイン。
ヴィンテージな木製アイランドとの相性抜群です。
ヴィンテージな木製アイランドテーブルとインダストリアルデザインの背もたれ付きの木製スツールをコーディネートした例。
1個前のスツールとデザインは似てますが、こちらは倉庫から出してきたかのようなヴィンテージ風味。
こういったスツールは、ヴィンテージ品を扱うインテリアショップでもよく見かけるので、1点ものを探すのもアリかも。
6.照明器具
対面カウンターや作業台の上にペンダント照明を吊り下げられる場合は、インダストリアル照明をコーディネートしてみましょう。
インダストリアル照明には様々なデザインがありますが、色は黒やシルバー、ヴィンテージデザインなら塗装が剥げたものがおすすめです。
1灯
作業台兼ダイニングテーブルの上にグレー塗装のインダストリアルペンダント照明を吊り下げた例。
レンガ壁のダイニングキッチンに鏡面ブラックのモダンなキッチンを組み合わせた小奇麗なキッチンですが、黒板壁と照明、露出ダクトがインダストリアルな雰囲気をUP!!
2灯
ダイニングキッチンのテーブルの真上に、電球が半分露出したシルバーのインダストリアルペンダント照明を2灯吊り下げた例。
キッチン側は、ソケット+裸電球を黒いパイプに巻き付けて高さ違いでコーディネート。
キチンとしてない見た目が、いかにもインダストリアルといった印象です。
3灯
シンク側対面のカウンターの上にシルバーのお椀型のペンダント照明を3灯吊るした例。
照明器具の色は、壁側にある冷蔵庫、レンジフード、排気ダクトと合わせてあるのかな?
レンガ壁のインダストリアルキッチンと黒のペンダント照明を組み合わせた事例をよく見かけますが、キッチンの機器類と統一するならシルバー色ですね。
アイランドカウンターの上に、艶消しブラックのインダストリアル照明を3灯吊り下げた例。
この器具格好良い!!
電球の下に網のようなガードが付いてる照明は、インダストリアルの定番デザインです。