年代ものの使い古した感のあるチェスト、先代が大事にしていた調度品など、世界には、古い時代の家具をそのまま、現代の住まいに取り入れたインテリアは、どこか懐かしく落ち着いた感じがしますよね。
また、これらの時代を感じさせる家具に似せたり、傷や塗装のはげなどで、わざとダメージ加工をしたデザインも多く出回っていて、これらを使ったインテリアを“ヴィンテージインテリア”、“アンティークインテリア”と呼びます。
この“ヴィンテージインテリア”、“アンティークインテリア”という言葉。
これまで、同じように使ったり、何となく、「こういうインテリアがアンティークでこういうのがヴィンテージだ。」と境界線を作っていませんか?
ちなみに、私の中では、
- 丸みを帯びたデザインで彫刻などがなされており、見た目は綺麗なもの=アンティーク。
- 使い古した感じがある(傷や塗装のはげがある)もの=ヴィンテージ。
と思っていて、雰囲気でいうと、アンティークはエレガント系、ヴィンテージは現代風という何となくの定義がありました。
でも、実は正確な定義がある様子です。
という訳で、今回はごっちゃになりやすい“ヴィンテージインテリア”、“アンティークインテリア”を実際の家具を置いたインテリアを見ながら紹介していきたいと思います。
ヴィンテージ&アンティーク インテリア-目次
アンティークとヴィンテージの違い
アンティークは、フランス語で骨董品。
ヴィンテージは、英語でワイン作りを指す言葉でしたが、のちにワインの当たり年を示す言葉と変わっていき、現在では、「時代ものの」という意味も含めて、ファッションや音楽で用いられています。
インテリアでは、どちらも「時代を経過したもの」「古いもの」「骨董品」を指し、これらの用語を用いますが、正確には、アンティークは作られてから100年以上経過しているもの、アンティークよりも新しいもので現在から遡り10年以上前に作られ、なおかつ、それだけ時間が経過していても人気があるものはヴィンテージです。
しかし、インテリアでは、デザイン様式を取り入れて、デザインされた家具でもアンティークという場合が多く、家具そのものが100年以上前に使われていたという訳ではないようです。
アンティーク家具を見てみよう
アーティークシャンデリア。
ベネチアン・グラスは13世紀ごろ発症した伝統的な工芸です。
そのデザインを使ったシャンデリアですが、製品自体は年代ものではありません。
ルネッサンス様式を取り入れたテーブル。
16世紀のものと思われる彫刻を施してあって、荘厳な印象です。
アンティークチェスト。
これも、古典的な装飾をあしらった古典的なデザインの家具です。
アンティークな背の高いチェスト。
刻印を押したような繊細なデザインのアンティークベット&チェスト。
アンティークな木製キャビネット。
アンティークデザインの木製のドレッサー。
見るからに年代を感じるアンティークデザインの本棚。
アンティーク調の絵を飾ったモダンなホームオフィス。
アンティークデザインのベッド。
ヴィンテージ家具を見てみよう
使い古した学校のロッカーinダイニング。
ヴィンテージスーツケースをサイドボードとして利用した寝室。
アンティーク インテリア事例
デスク&チェア:アンティークデザイン
このデスクセットは、アンティーク品を置いてる倉庫でたまたま見つけたものだそう。
曲線を生かしたエレガントなデザインとピンクがかった優しいピンクが素敵ですね!
サイドテーブル:アンティークデザイン
ホワイトの猫脚デザインのサイドテーブルを基本に、ソファ、ダイニングテーブルセットもテイストを合わせてコーディネートしたリビングダイニング。
空間全体にレトロな雰囲気が漂い、唯一無二のインテリアと言った感じです。
デスク周りのディスプレイ:アンティークデザイン
ヴィンテージデザインの写真をアンティーク調のフレームに入れて飾るというヴィンテージ、アンティークミックスのインテリア。
デスクランプや地球儀も昔を思わせるデザインで、トータルコーディネートしてあります。
この事例を見ているとテイストを揃えるのって本当に大事だな~と実感しますよね。
ベッドサイドのミニ収納:アンティーク家具
ベッドサイドにさり気なく置かれた引き出しがたくさんついた家具は、昔の薬箱。
その上にアンティーク調のテーブルランプを置いて、雰囲気を統一。
ベッドリネンは麻を用いて、味のあるインテリアを演出してあります。
デスク:アンティーク
この机は元々お医者さんが使っていたものだそう。
角にゴールドの装飾をあしらったデザインはロココ様式(18世紀末~)かな?
このデスクに似つかわしいグリーンのソファやミントブルーのチェア、背後にあるネイビーの収納などの色彩感覚は海外インテリアならでは!と言った感じがしますね。
ベッド、壁掛け時計、スーツケース:アンティーク
最近、こんな壁掛け時計って見なくなりましたよね。
これらは全てアンティークを専門とするショップで購入したものだそう。
おじいちゃんおばあちゃんのお家を思い出すかのような懐かしさを感じるインテリアです。
ヴィンテージ インテリア事例
チェア:ヴィンテージデザイン
デスクやデスクの上に置いてあるラジオもヴィンテージです。
見ただけで「年代もの」とわかるデザインを組み合わせたインテリアは、新しくシンプルなデザインに見慣れている私たちにとって、斬新な印象も残しますね。
時計、ヘッドボード(ベッド)、フレーム:ヴィンテージデザイン
年代を感じさせるデザインのアイテムを壁面にまとめて飾った寝室。
ヴィンテージ家具を買うのは勇気が必要という方は、写真のように時計とトランクの組み合わせると手軽に実現できそうですよ。
チェスト、デスク、チェア:ヴィンテージデザイン
子供の部屋かな?
ここにもトランクの3段重ね。
そういえば、海外の事例には、机や台の代わりにトランクが使ってあるのを良く見かけます。
今度、特集を組んでみましょう!
壁のディスプレイ、チェア:ヴィンテージデザイン
屋外にあったドアを取り外し、同じく屋外に置いてあったチェアを家の中に飾ったかのようなインテリアin寝室。
真っ白で新しい感じがする夫婦のベッドの間に、古いデザインのアイテムを置いて、時代のコントラストを演出。
こんな対比の仕方も面白いですね。
チェスト、ダイニングテーブルセット、ソファなど、全ての家具を1960年代のデザインまとめたリビングダイニング。
この時代に生きていた訳ではないのに、どこか懐かしい雰囲気がするのは何故でしょう。
日本だと、ちゃぶ台や座布団なんかで部屋をコーディネートするとヴィンテージということになるのですが、それらのインテリアは、古いという感覚になってしまいますよね。
海外のものだと“おしゃれ”と感じてしまう不思議…。
看板:ヴィンテージデザイン
ウッドデッキの上に8人掛けのダイニングテーブルを置いて、壁に看板を取り付けてカフェ風にした屋外の食事スペース。
友人を招いてワイワイとパーティーをしたり、お酒を飲んだり…。
一軒家なら一度は憧れるシチュエーションです。
ベッド、ベッドカバー(レース):ヴィンテージデザイン
味のある鉄製のベッドに合わせて、ベッドリネンもヴィンテージ感のあるレースを組み合わせたインテリア例。
レンガ(壁紙ではなく本物)とよく合っていますよね。
左側にあるデスクや棚は、廃材を用いて作ったお手製です。
壁:ヴィンテージデザイン
古い新聞を壁に張ったパウダールーム。
壁紙ではなく、本物の新聞なのだそうですが、上から何をコーディングしてあるかは不明です。
オーブンレンジ:ヴィンテージ
見慣れていない私たちがこの写真を見ても何が年代ものなのかわかりませんが、オーブンレンジがレトロデザインなのだそう。
このレンジは、AGAというメーカーの2-oven AGA Electricという製品です。
レンジの詳細を見たい方はこちら。
アームチェア、ローテーブル、チェア:ヴィンテージデザイン
何て個性的なデザインの家具なんでしょうか!
使い古した味のある雰囲気がモダンな建物と対照的で何とも言えませんね!
看板、テーブル、ドア(インテリア用):ヴィンテージデザイン
クラシック調のインテリアにヴィンテージインテリアをミックスしたリビング。
白のインテリアは全てヴィンテージデザインという統一感のあるコーディネートの仕方です。
壁面家具:ヴィンテージデザイン
北欧インテリアにヴィンテージをプラスしたモダンな印象のリビング。
新しいデザインばかりでなく、古いものを取り入れることで、落ち着いた雰囲気を演出してあります。
リビングテーブル:ヴィンテージデザイン
使い込んだ味のあるリビングテーブルをソファの前に置いた例。
テーブルのデザインに合わせたソファカバーやクッションがコーディネートの参考になります。
最後にヴィンテージデザインを専門とするフランスの家具屋さんの家具を使ったインテリアを2つ紹介。
レトロな赤、白、青の3枚引き戸のチェストinリビング。
色使いがとっても可愛いですね。
さっきと同じシリーズで、引き戸タイプの2段チェストを置いたリビング。
こっちの扉はレトロなブルー&イエロー。
両方ともRien à cirerというところの家具です。
ヴィンテージ&レトロインテリアは、緊張感というより、リラックス感の方が強く、写真を眺めていると、心が落ち着きますね。
冒頭にアンティークは100年以上、ヴィンテージは10年以上100年未満と解説しましたが、インテリアの場合は、100年以上前のデザイン様式を模した家具を指してアンティークと呼ぶ場合もあるので、写真に写っている家具が骨董品なのかどうかは、その道のプロにしかわからない気がします。
いずれにせよ、古き良きものをインテリアに取り入れるアイデアは、「くつろぎを演出するのに効果的だな~。」と今回記事を書きながら改めて思いました。
部屋全体をヴィンテージ風にするのは難しそうなので、部屋の隅のディスプレイあたりから手を加えてみると良さそうですね。
[参照元:Houzz Inc]