海外の素敵なインテリア事例を見てると、たまに登場するのが、窓下に厚みのある座布団のようなクッションを乗せたベンチがある部屋。
「景色が見える窓近くに座るなんて素敵!!」と憧れを持って事例を眺めているのですが、日本の住宅の場合、部屋の一部に出窓があることはあっても、その下に家具(ベンチ)を置くのはごく稀。
また、一番景色が見える場所にある窓が、真っすぐタイプ(単なる腰窓)だったり、掃き出し窓だと、そもそも、こんなインテリアを作ることさえ不可能だと思ってしまいがちですよね。
でも、アイデア次第で、この素敵なウィンドウベンチは再現可能です。
ウィンドウベンチの基本的な構造とウィンドウベンチっぽく見せる3つのアイデアを事例と共に紹介しますので、参考にしてみて下さいね。
ウィンドウベンチの基本と3つのアイデア-目次
1.ウィンドウベンチの基本的な構造
冒頭の事例ようなウィンドウベンチの場合、窓がある場所の壁を平面図で見ると、台形になっています。(下記平面図参照)
この部分を正面から見ると、窓が取り付けてある壁が、他の壁よりも奥にある状態です。
ウィンドウベンチは、この全体的に凹んだ壁の窓下の奥行きを活用したものです。
※日本の住まいで出窓を作る時は、壁全体ではなく、窓部分だけが他の壁よりも奥にあることがほとんど。
2.出窓無しで作るウィンドウベンチ
理想的なウィンドウベンチを作るには、台形型の壁を作るしかない訳ですが、大掛かりなリフォームやお家を新築せずに、今ある窓を活用してウィンドウベンチっぽく見せる方法がいくつかあります。
2-1.収納家具を活用したウィンドウベンチの例
窓がある壁を他の壁よりも奥に見せる方法の1つに「窓の左右に背の高い家具を置く」があります。
窓よりも手前に壁(この場合は家具)を作ることで、窓を出窓っぽく見せ、窓下にベンチをレイアウトします。
腰窓の両サイドに、下部が片開き、上部がオープンになった背の高い収納家具をレイアウトして、腰窓の下にウィンドウベンチをコーディネートした例。
ホワイトの家具とブルー系のクッションの組み合わせが爽やか!
ベンチの下部は引き出し収納になっていて、使い勝手も良さそう。
腰窓の左側に床から天井まであるホワイトの家具をレイアウトし、窓下に収納バスケットをinできるオープン棚をコーディネートした例。
座クッション付きのベンチではなく、ロータイプの家具を使ったパターン。
座り心地は硬そうですが、クッションを背もたれにして外の景色をゆったりと眺めることができそう。
腰窓の両サイドに、幅120cmほどの床から天井まである木目扉家具をレイアウトし、腰窓の下に家具と同じ面材で作ったウィンドウベンチをコーディネートした例。
窓の上も家具と同じ面材を使ってFIXに。
壁の端から端まである家具の中に窓が埋め込まれているような雰囲気です。
2面を腰窓に囲まれたリビングのコーナーに五角形のロータイプのオープン収納を置き、それぞれの窓下にウィンドウベンチをコーディネートした例。
座クッションがピタッと納まってるので造り付け家具かな?
コーナー部の使い方が、とても参考になる事例です。
腰窓の両サイドの壁面に、ベンチ側から取り出せる床から天井まである家具をレイアウトし、窓下にウィンドウベンチをコーディネートした例。
この収納、使い勝手が良さそう。
先ほど、「床から天井まである家具」と書きましたが、壁の端から端まであるベンチを先に置いて、窓幅以外の余った部分に背の高い収納家具を乗っけた形です。
本棚を使ったリーディングヌック
リーディングヌック(Reading Nook)は、部屋の隅にある読書専用の場所。
窓周面に本棚をレイアウトし、窓下にベンチを置いた例を3つ見てみましょう。
低い位置にある腰窓の両サイドに、幅60cmほどのオープン本棚をレイアウトし、窓下にウィンドウベンチをコーディネートした例。
窓から見えるそびえ立つ山々が素敵!!
手前にある一人掛けソファ×2をシンメトリーレイアウトにしたおしゃれなリビング例です。
幅の細い腰窓の両サイドに、幅120cmと幅80cmほどのオープン本棚をレイアウトし、窓下にウィンドウベンチをコーディネートした例。
本棚とベンチの奥行きは同じではなく、ベンチの方が飛び出てる感じ。
窓の幅が狭い分、ベンチのスペースを部屋内に広げたパターンです。
腰窓の上と左右にオープン本棚をレイアウトし、窓下に扉付きの収納家具を置いてベンチと兼用した例。
何というアイデア!
窓周りにピタッと納まる造り付け家具のようなデザインが格好良すぎます。
2-2.壁を活用したウィンドウベンチの例
続いては、腰窓の両側、もしくは片側に壁を作ってウィンドウベンチをコーディネートする方法を紹介。
お部屋が長方形で短い方の壁に腰窓がついているなら、壁を作らずに壁の端から端まであるベンチをレイアウトする方法もあります。
2方向に腰窓があるリビングのコーナー部に、ウィンドウベンチをレイアウトした例。
一方は窓下、もう一方は腰壁を作ってベンチを固定。
先に紹介した家具の間にベンチを作る方法より壁を作った方がベンチの奥行きを自由に調整できる気がします。
リビングの腰窓がある長手方向の壁に端から端まであるロータイプの収納家具をレイアウトし、上部をベンチとして活用した例。
ベンチ用の壁を作るのではなく、今ある壁を活用したパターン。
腰窓の数cm横にあるのは、壁掛けの液晶TVです。
リビングの短手方向いっぱいにある腰窓の下にベンチを設けた例。
窓の横に数cm程度しか壁がない開放的なシチュエーションを生かしたレイアウト。
大自然を眺めながらのお昼寝が気持ち良さそうです。
窓の幅ぴったりの仕切り壁を作り、腰窓の下にベンチをレイアウトした仕事部屋の例。
窓から見えるのは湖?
仕切り壁はベンチと収納家具の縁を切る役割も果たしています。
2-3.床まである窓の前にソファを置いたウィンドウベンチの例
最後は、腰窓ではなく掃き出し窓を使ってウィンドウベンチっぽくアレンジした事例を3つ。
2面を床から天井窓に囲まれたサンルームっぽい部屋のコーナー部に、ガーデン用っぽいデザインの2人掛けソファを置いた例。
背もたれがメッシュデザインなので、視界の邪魔にならず開放感たっぷり!!
この事例は、2面が窓のお部屋ですが、掃き出し窓の前に透け感のあるソファを置くのもありかもしれませんね。
床から天井まである大きな窓の前に、背もたれの無いホワイトレザーのベンチを置いて、ウィンドウベンチっぽく見せた例。
このベンチはワンちゃん専用かしら?
背もたれが無い代わりにクッションを活用して座り心地が良くなるような工夫がしてあります。
テラスへ繋がる掃き出し窓の前に、シンプルなデザインのホワイトレザーのソファを置いた例。
「ここに家具(ソファ)が無い方が開放感がUPして見えるのに…」と思ってしまいますが、庭の見えるカフェ等で、この事例のような家具レイアウトがしてあるのを見たことがある!!
一般的に「掃き出し窓を背にソファを置く」という発想はしないので、とても参考になります。