先日、本屋さんで立ち読みしていて目に留まったのが、リノベ&DIY本。
DIYに役立つアイテムの紹介や一軒家のリノベ例がたくさん掲載されていたのですが、中でも目を引いたのがキッチン事例でした。
元々、某キッチンメーカーでプランナーをしていた私は、キッチン=メーカーのシステムキッチンというイメージが強く、「独立型・対面式どんな間取りであっても、キッチンの中身は収納部に隠して見えなくする。つまり、扉付きの収納キャビネットは必須。」というのが当たり前だと思っていたんですね。
でも、この本に出てくるキッチンは、どれも古材やステンレスを使った味のあるもので、他の部屋からもお鍋や食器が丸見え状態。
よく考えると、私が当たり前だと思っていた、ツルンとしたお手入れ簡単なウォールキャビネット&フロアキャビネットに、ピカピカのステンレス製のレンジフードや調理機器の組み合わせたキッチンは生活感の少ないモダンなインテリア向きで、古さを生かしたDIYやリノベのイメージとは合わないですよね。
「レンガや木の味わいなどを使ったDIY独特のヴィンテージっぽい雰囲気に合うのは、リユースした木やステンレスを上手く組み合わせたオープンシェルフだな。」
とひしひし感じたので、今回はDIYでキッチンを改造する時に参考になりそうなキッチン収納のプラン&デザイン例をウォール部(腰から上の部分)に焦点を当てて紹介していきたいと思います。
(※インダストリアル系、ヴィンテージ系のキッチン収納例が中心になっています。)
キッチン収納をDIYする時に参考になるプラン・デザイン例-目次
1.使いやすい収納場所のポジショニングを考えよう
今回の特集はウォール部分(腰から上)に焦点を当てたものになっていますが、「棚板を数枚、壁に固定すればOK」という考えだけでは使い勝手の良いキッチンにはなりません。
DIYで棚板を作る場合も
- 壁の幅は?
- 棚板に何を置く?
- 棚板の高さは?
など「どこに、何を」を決めておく必要があり、それによって収納物のサイズに応じた収納棚を作る必要があります。
これは、「どこに、何を」をまとめたシステムキッチンの収納部の図ですが、腰から上のウォール部には“中型・小型で軽いもの”で、なおかつ“頻繁に使うもの”を収納するのがベスト。
日常的に使う食器や調理道具、調味料を収納する場所として、プランニングしていきましょう。
2項目&3項目で紹介する事例では、収納部の奥行き寸法も記載していますので、是非参考にしてみて下さいね。
1.ステンレス、木材(古材)を使ったキッチン収納例
収納部奥行:10~30cm
キッチンの正面とサイドの壁にステンレス製の既成シェルフを取り付けて、鍋、食器、調味料の収納棚にした例。
キッチン正面は、5段!!
「鍋は、ステンレスの網目の上」「丸い食器は縦に」と言った具合に、取り出しやすさ&水滴を考えたプランニングに脱帽!!
「昔の日本の台所ってこんな感じだったなぁ」とどこか懐かしさも感じます。
調味料部は、奥行きが浅いガラス棚が使ってあります。
キッチンの正面にステンレス棚を上下2段、取り付けた例。
コーヒーカップやガラス瓶など直径が小さめの食器類を収納することを目的にしてあるので、奥行きが浅め。
向かって左側は、コーヒー豆や紅茶葉を収納できるティーコーナーになっています。
キッチン前にホワイトタイルを張り、ホワイトの棚板を取り付けて観賞植物を置いた例。
タイル壁とクロス壁の見切り&ディスプレイとして活用した一石二鳥のデザイン。
キッチン周りで使う物は、一切置いてないですが、こんなキッチンも良いな♪
キッチン前のレンガ壁に、古材+黒のアイアンで作ったウォールシェルフを上下に2段取り付けた例。
赤っぽいレンガと古びた木の相性抜群!!
透明グラスの収納場所として活用してあるので、棚板の奥行きは浅めです。
茶系のレンガ壁に、ヴィンテージ風味の木製棚板を上下に2段取り付けた例。
1個前の事例と似てますが、こちらはガラス製のグラスやワイングラスを前後に2個置けるように、棚板の奥行きが深めになっています。
上段の棚は、毎日使わない食器の収納場所として。
キッチン前に、ホワイトの木製パネルを縦張りにして、厚みのあるヴィンテージ風味の木製シェルフを上下に2段取り付けた例。
棚板の色が微妙に違うのが、自然っぽい!!
上段はホワイトの丸皿やスープ皿、下段はガラス製の透明グラスという具合に、それぞれの棚に統一したデザインの食器が置いてあるので、スッキリと見えますね。
キッチン前の壁に、アイアンアングルで支えたヴィンテージな木製シェルフ3つを横一列に取り付けた例。
グラス、丸皿の収納の他にディスプレイ的な使い方も。
ブラケット照明を棚板に向かって当てたカフェのようなインテリアです。
窓があるキッチン前の壁に、ホワイトの棚板+アルミ製のブラケット×6個を使って、上下2段に収納棚を取り付けた例。
ホワイト食器とグラスの収納場所として活用してありますが、窓部を外さずにレイアウトしてあるのが衝撃的!!
このシェルフは、EKBY by IKEAです。
キッチン前の壁に、ヴィンテージ風の木製棚板を取り付け、フライパン、ミルクパン、お鍋を等間隔で並べた例。
お鍋が置いてあるのに、生活感をまるで感じない…。
棚板の下は有孔ボード、上部は壁紙クロスという2種類で張り分けた壁インテリアにも注目です。
キッチン前のタイル壁に、木目が目立つヴィンテージ風味の木製棚板を上下に2段取り付けた例。
この棚板、2枚重ねてある!?
厚みがあると、重厚感が出る上に、上下2枚の木目の切れ目がフロア材みたいな雰囲気でおしゃれに見えます。
鍋、瓶、グラス、丸皿の収納場所として。
レンガ壁の前に、ステンレス製のオーダー品の収納を左右に2個取り付けた例。
ホワイトの食器、寸胴、調理家電などを棚ごとに綺麗に収納してあります。
「この姿、どこかで見たことある!」と思ってたら、かつてバイトしていた居酒屋の厨房だ!!
キッチン前のコンクリート壁に、木製シェルフを壁から壁まで1段取り付けて、上段に陶器食器、下段にカップを吊るした例。
キッチン前に立って、手の届きやすい位置にも棚板が…。
こちらは、調味料やフライ返し、お玉など主に料理をする時の用具置きとなっています。
キッチン前の幅90cmほどの壁に、配管パイプに木製棚板を上下に4段取り付け、食器とレシピ本の収納にした例。
お菓子作り、クリスマス、お正月など、たまにしか見ないけど絶対に必要なレシピ本をキッチンのわかりやすい位置に収納できるのは嬉しいですね。
収納部奥行:40cm以上
壁付けキッチンの正面の壁とサイドの壁に奥行き30cmの4段の棚板付きの収納×2と奥行き40cmの5段の棚板付き収納を取り付けた例。
キッチン前は食器用&ティーコーナー用、キッチンサイドは奥行きの深い食器用。
キッチン正面の収納は、上段の棚板の厚み部分に飾り縁を付け、サイドにガラス板を張った凝ったデザインになっています。
キッチン前のホワイトタイルに配管パイプ+木製板で棚板を作りステンレス鍋を6個並べた例。
デザインもお鍋の並べ方も美しい♪
奥行きに使ってある配管パイプにお玉やザル類が吊るしてあるのもポイントです。
キッチン前の幅60cmほどの壁にホワイトの木製棚を3段取り付けて、レシピ本と電子レンジの収納にした例。
ちょうど目線の高さに電子レンジの扉がくるようにレイアウト。
この位置にレンジがあると使い勝手が良さそうですね。
レンジフードの横に黒の木製棚板を1枚取り付けて、ワイングラスを並べた例。
10個以上グラスが並べてあるので、お酒が好きな人のキッチン?
キッチンの開口周りを囲むようにL型に組んであるステンレス製の収納も格好良いですね。
2.ステンレス、ウッドバーを使ったキッチン収納例
「出っ張りがある収納棚は必要ない!!」という場合に参考にしたい事例を4つ。
キッチン空間の壁に奥行き25cm程度の薄型食器棚を置き、上部に黒のバーを上下に2段取り付けて、お鍋を吊るした例。
食器棚の上にお鍋がある、よく見ると不思議なレイアウト。
薄型食器棚には扉がついていないので、埃が気になるところですが、斬新な印象も。
キッチン前のホワイトのタイル壁に木の角材を上下に取り付けて、お鍋を吊るした例。
お鍋をフックに掛けるアイデアは、何度か見たことありますが、木+S字フックの組み合わせは初めてかも…。
手作りっぽい印象のキッチンです。
キッチン前の壁に黒のバーを上下2段×2か所取り付け、お鍋を吊るした例。
銅鍋がメインなので、見た目も綺麗♪
上下に2段、フックを取り付ける場合は、取っ手を含むお鍋のサイズも考慮して取り付け位置を決めないと、お鍋とフックがぶつかってしまうので注意が必要です。
キッチンサイドの壁に有孔ボードを取り付け、S字フックを使ってお鍋や調理器具をぶら下げた例。
コーナー部分に手が届くか微妙ですが、これだけ目に見える場所にあると、取り出すのも簡単ですね。
軽量スプーンやキッチンバサミをカトラリーと同じ引き出しにしまってる我が家では、使うたびにお箸やフォークの下敷きになってることがしばしば。
この事例のように、「壁面を活用すれば探すたびにイライラしないな…。」と改めて実感です。
3.古材を使ったキッチンウォールキャビネット収納例
続いては、キッチンのウォールキャビネットをDIYならではの個性的なデザインにした事例を2つ。
キッチンのウォールキャビネットの扉をダークレッド、ダークブルー、イエロー、ホワイトにペイントした例。
カラフルな上に個性的!!
オープン棚のあるキャビネットだから余計にペイントが似合ってるのかな?
ダイニングやリビングから丸見えの位置に、こんなキャビネットをレイアウトしてみたい!!
キッチンのウォール部を黒のオープン棚+ヴィンテージな木の扉でデザインした例。
何!?この寂れた感じの素敵なキッチン♪
この味わい深さは、既成のキッチンキャビネットでは、絶対に出せないですね。
4.対面キッチンカウンターの上部収納例
最後は、対面キッチンのカウンター上部に木製シェルフを作った例4つとガラス扉があったら真似したいヴィンテージ風ペイントの例を1つ。
対面キッチンの調理機器上に幅90cm×奥行60cmの黒パイプ+木製棚の収納棚を2個吊り下げ、食器やグラスを置いた例。
IHクッキングヒーターの上だからレンジフード不要なんだろうか…。
このキッチンをダイニング側から見たのが下の写真。
壁やキャビネットではなく、向こう側が透けて見えるオープン棚なので、圧迫感がなく、おしゃれな印象も。
対面キッチンカウンターの上に、木製シェルフを天吊りにして、ワイングラスを逆さにしてぶら下げた例。
ワインバーみたいなインテリア♪
この棚板は、英語で“ceiling mount wine rack”という既製品。
棚板の下についているステンレス部分は日本でも購入可能で、ワイングラスハンガーで検索すると出てきます。
アイランドキッチンの上部から、上下4段+4段の棚板収納を吊り下げた例。
棚板の中をレンジフードが貫通してる!!
「防火・耐火対策はしてあるんだろうか…。」と心配になってしまいますが、お皿が収納してあるので、作業台からそのまま食器に移すのに便利な位置ですね。
アイランドキッチンの上部に長方形に組んだ棚板を天吊りした例。
棚板上部は調理器具、棚板下部にはお鍋とお玉が吊り下げてあります。
料理をふるまうのが好きな方は、こんなキッチンに憧れるかも!!
ガラス扉のキッチンフロアキャビネットにゴールドでアルファベットをペイントした例。
パネル型の扉で真似してもここまで雰囲気は出ないかも…。
食器棚がクリアなガラスという方は、真似してみても面白いのでは?