初心者でも簡単にインテリアカラーを使いこなせる特集の第4回目は、違う色で、トーンを揃えるという手法です。
色に馴染のない人にとって、トーンと言われてもピンと来ないかもしれませんが、トーンは、日常生活の中で目にするものに多く使われています。
例えば、女性なら一度は目にするキッチン雑貨。
赤、青、黄、緑などをベースにカラフルな色使いがしてあるものが多くありますよね?
下の写真は、日本人とは色彩感覚が違うであろうイギリスで購入した軽量スプーンの4本セットです。
手前から、少し灰みがかったピンク、水色、紫、緑なのですが、色が4色あるにも関わらず“バラバラ”という印象はありません。
ちなみに、このスプーンのピンクを鮮やかな赤に変えると…
「赤だけ仲間外れ。」という印象がしませんか?
この軽量スプーンの例のように、違う色同士でも、明度・彩度が同じだと、人間の目は「揃ってる」と感じ、明度・彩度が違うと違和感を覚えてしまうんですね。
インテリアカラーコーディネートで、違う色を2つ以上を組み合わせる場合は、下の図の同じトーンの色を組み合わせることで、心地よいおしゃれな部屋を演出できるという訳なんです。
それでは、違う色同士でトーンを揃えたインテリアの数々をリビングを中心に見ていきましょう。
同じトーンのカラーコーディネート-目次
1.ペールトーンのインテリアコーディネート例
2色以上をペールトーンでコーディネートした部屋は、優しい印象になります。
狭い部屋なら、白+ペールトーンの色を何色か組み合わせることで、広々と開放感のある雰囲気になります。
赤、緑、黄のペールトーンの木製チェアをコーディネートしたダイニングの例。
「可愛い♪」という印象がしますね。
椅子7脚を全部同じ色にするのではなく、4色バラバラ。
違う色同士なのに、「揃ってる。」と感じるのはデザインが同じなのもありますが、それぞれの色のトーンが同じだからです。
ペールトーンの赤、青、黄で、ソファ、クッション、収納家具をコーディネートしたリビングの例。
このリビングも可愛い♪
壁の色がベージュ系ですが、ホワイトの壁でこの色使いを真似すると、広々と見えそう!!
「リビングがこんなに広くない。」「一人暮らしのワンルームだ。」という方は、ソファ+クッションの色使いだけでも真似してみては?
ペールグリーンのテーブルにペールピンクの木製チェアをコーディネートしたリビングの例。
ホワイトのフローリングとペールトーンの家具を組み合わせた空間は、優しい心地良さを感じますね。
床壁天井が白の部屋に住むことになったら、絶対に真似してみたい!!
リビングの壁一面をペールイエローにし、対面にペールブルーのソファをレイアウトした例。
奥にペールピンクの物体が見えますが、これはカーテンで応用可能。
トーンが揃ってると、こんなにスッキリとした印象に!!
ペールグリーンのカーテン&クッションとペールブルーのクッション&スツールをコーディネートしたリビングの例。
メインのソファは、ホワイトにして、明るさや広さを強調!
初夏を思わせる爽やかな印象のインテリアです。
壁をペールブルーでペイントし、ソファにペールピンクをコーディネートしたリビングの例。
三角屋根の特徴のある構造ですが、壁とソファのカラーコーディネートは、真四角(?)のリビングでも応用可能です。
壁に色が付けられない場合は、カーテンとソファの組み合わせでもOK。
ペールブルー、ペールグリーン、ペールパープルでペイントした壁の前にホワイトのチェアを2セットレイアウトしたリビングの例。
壁の色とラグの色に注目!!
ペールイエローのシャギーラグを敷くことで、壁との統一感が出してあります。
「このラグがダークレッドだったら…。」と想像すると、違和感たっぷりだと思いませんか?
ペールオレンジのソファ&クッションをコーディネートしたリビングの壁に、ペールオレンジ×ペールイエローで描いた人物のアートを飾った例。
温もりを感じる素敵なリビング!!
このリビングなら、緊張感が一気に抜けて、心からリラックスできそうです。
2.ソフトトーン・ストロングトーンのインテリアコーディネート例
ソフトトーンやストロングトーンは、ペールトーンに比べるとはっきり主張する色です。
リビングで組み合わせる場合は、ソファと対面に置くチェア、壁とスツール、クッションとペンダント照明といった具合に離れた位置にコーディネートするようにすると、空間全体にまとまりを演出することができます。
リビングの壁から壁、床から天井まである大きなオープン棚の内部を赤→オレンジ→黄→緑→青の同じトーンでグラデーションにした例。
このトーンは、ソフトトーンとペールトーンの中間くらいかな?
明るめの色なので、カラフルな色が一か所に集中してても違和感なし。
ストロングトーンの緑のTVボードとストロングトーンの青の一人掛けソファをコーディネートしたリビングの例。
TVボードを買う時って、黒、茶色、ホワイトの木の色の濃淡だけで色を決めがちですが、こういう家具のカラーコーディネートの仕方もあるんですね…。
床の色が白っぽい場合に参考にすると良さそうな事例です。
壁をストロングトーンの黄緑、一人掛けソファをソフトトーンの青、アートとランプシェードをソフトトーンの赤紫でコーディネートしたリビングの例。
こ、これは色使いが素敵過ぎる!!
カラフル大好きな私の心を鷲づかみにした事例です。
カーテンを黄色のストロングトーン、ソファを緑と青のストロングトーンでコーディネートしたリビングの例。
むむぅ…。
このカラー使いは濃すぎるので、狭い部屋では真似しない方が良いかな?
狭い部屋でも、大きな窓がある場合ならOKかも。
ストロングトーンのオレンジ(ストール)、青(スツール&花瓶&ブラケット照明)、黄緑(花瓶)をコーディネートしたリビングの例。
暖炉とアートを無視して、インテリア小物の色使いがセンス抜群!!
グリーンの一人掛けチェアの上にあるクッションに、花瓶の色がそれぞれ入っているのがポイントです。
ストロングトーンの緑の壁のリビングに、ストロングトーンの赤のガーデンスツール(写真左側のチェアの間)とクッションをコーディネートした例。
こんな色使いの部屋、初めて見ました!!
壁の色が濃いので、このインテリア例も広い空間で真似した方が良いかも。
ソフトトーンのオレンジ(リビングテーブル)、青(ソファ)、黄緑(一人掛けチェア×2)をコーディネートしたリビングの例。
天井が木、壁がレンガなので、床面にあるものにわざと木の色が使ってないのかな?
リビングテーブルにカラフルな色を選ぶという発想自体がなかなかできないので、このコーディネートは斬新です。
黒のレザーソファにソフトトーンの黄緑とオレンジのクッションをコーディネートしたリビングの例。
「トーンの使い方がイマイチ理解できない。」という方は、この事例のように色違いのクッション2個でカラーコーディネートを練習してみると良さそう。
2つのクッションが上手く馴染んだら、花瓶、本、テーブルランプ…といった具合に色の面積を増やしていきましょう。
ストロングトーンのオレンジのソファとストロングトーンの青のデイベッド(窓際にある椅子)、ストロングトーンの赤の壁でコーディネートしたリビングの横にあるダイニングチェアにストロングトーンの赤紫&紫のチェアをコーディネートした例。
これは、ちょっと上級者じゃないと真似できないかもしれませんが、6色のトーンを全部同じにしたカラフルコーディネート。
これだけ色が使ってあっても、グチャっと見えずに、むしろ「めちゃくちゃオシャレ」と感させてくれる“トーンの統一”、ぜひ習得したいです。
3.ディープ・ダークトーンのインテリアコーディネート例
重厚感を演出するのに適してしますが、狭い部屋で壁面に多用すると圧迫感を生むので注意が必要です。
ディープ・ダークトーンを選ぶ場合は、ホワイトやライトグレーの面積を多めに配分してバランスを取るように心がけましょう。
ディープトーンの青の壁紙をリビングの一面に張り、ライトグレーの対面にディープトーンの緑のレザーソファをレイアウトした例。
ラグもホワイト地にディープトーンの青のパターン柄がチョイス。
暗めの色でコーディネートした部屋ですが、ソファが明るいので開放感たっぷり!!
このソファがダークグレーや黒だったら、もっと狭苦しく見えてしまいますね。
ディープトーンの青のテーブルランプとディープトーンの黄色の一人掛けソファをコーディネートしたリビングの例。
メインカラーはホワイトとライトグレー。
色がついているアイテムの面積が少ないので、このリビングも開放感たっぷり♪
アクセントカラーにディープトーンを使った事例です。
ディープトーンの青の壁にディープトーンの黄色の一人掛けソファをコーディネートしたリビングの例。
1個前の事例と使ってある色は同じなのに、この部屋の方が圧迫感があります。
このように、使う面積や他の色との配分の仕方で部屋の印象がガラリと変わってしまうので、コーディネートに慣れていないうちは、ディープトーン・ダークトーンをインテリア小物に使うことから始めると良いです。
ディープトーンの緑のカーテンにディープトーンの赤紫の一人掛けチェア×2をコーディネートしたリビングの例。
重厚感たっぷり♪
紫と緑は、暑さ・寒さ、狭さ・広さに影響を与えない色なので、インテリア初心者さんにもおすすめの色です。
ディープトーンの緑のカーテン&一人掛けチェアにディープトーンの赤紫のクッションをコーディネートしたリビングの例。
1個前の事例と同じ色使いで、緑の面積が広いバージョン。
ディープグリーンとディープパープルの組み合わせは、家具のデザインに関係なく、ちょっぴりエレガントな雰囲気もしますね。
ディープトーンの赤紫のソファにディープトーンの黄緑色のクッションをコーディネートし、壁をディープトーンの青にしたリビングの例。
同じ緑&赤紫の暗い色の組み合わせでも、緑→黄緑に変更すると、また違った印象に。
壁の色が暗いですが、ホワイトの壁でソファ&クッションのカラーコーディネートを真似てもOK!!
ディープトーンのオレンジの壁のリビングに、ダークトーンの青のプラスチックチェアをコーディネートした例。
ディープトーンのオレンジとダークブラウンの家具が、こんなに相性が良いなんて知らなかった…。
両方とも壁になった部屋でこの色にすると空間全体が暗くなりそうですが、この事例のように一方が通路になってる壁なら真似しても良さそう。