家具好きなら一度は訪れてみたいMoMA。
MoMAは、ニューヨーク近代美術館(The Museum of Modern Art)のことで、ニューヨークのミッドタウンにある20万点以上もの作品を所蔵するモダンアート堪能の場。
ですが、3階には19世紀半ばから現在に至る建築とデザインを代表するコレクション展示があり、ここに置かれている家具は、“デザイナーズ家具”として日本でも認知度が高いです。
アートに造詣はないけれど、家具は大好き♪
という訳で、先日、この憧れのMoMAに足を運んできました!!

Tilt-Back Side Chair

Chaise Longue (La Chaise)
写真は、MoMA内のイームズのチェア群。
もう少し豪華な展示を期待していたのですが、部屋の片隅にひっそりと美術作品のように展示してあるところが何とも…。
家具そのもののデザインを見るには、こういうシンプルな展示の方が向いているのかもしれませんが、実生活との結びつきがイマイチ想像できません。
そこで、今回は、これらMoMAにコレクションされているイームズチェアを使ったインテリアの数々を紹介していきたいと思います。
イームズチェア by MoMAインテリア実例-目次
1.Low Side Chair by Charles Eames
Low Side Chairは、座面がキュッと上がった木製のチェアです。
リビングの顔として、1~2脚置くだけでちょっぴりリッチなインテリアを演出できます。
リビングの中央に茶系のカウハイドラグを敷き、Low Side Chairをサイドテーブルを挟んで2セット並べてレイアウトした例。
チェアとラグの組み合わせ方が格好良い!
カウハイドラグは、敷居が高く見えますが、IKEAでも入手できます♪
KOLDBYカウハイド
ダークブラウンのフローリングのリビングダイニングのリビングとダイニングの境界線上に、Low Side Chairとオットマン付きの一人掛けチェアをハの字にレイアウトした例。
くつろぎを感じるリビング空間!!
奥に見えるダイニングチェアは、cherner chair。
同じ空間にたくさんの木目のチェアがたくさんあると和みますね。
リビングダイニングがひとつながりになった空間のリビングとダイニングの境界線上に、Low Side Chairを2セット、レイアウトした例。
この家のリビング側はどんなレイアウトになっているかと言うと…
壁側に黒の2Pソファが置いてあります。
8畳くらいないと出来そうもないレイアウトですが、ダイニングチェアもイームズにしたALLイームズコーディネートがおしゃれです!
床から天井まである本棚の前に、Low Side Chairとル・コルビジュエのLC4をレイアウトした例。
何というリッチな空間!
こんな書斎に憧れます!!
一番最初に紹介したカウハイドラグとのコンビでも思いましたが、Low Side Chairと牛柄って相性抜群ですね。
グランドピアノを置いたリビングの隅に赤色のLow Side Chairをレイアウトした例。
ソファを置かず、バルセロナチェア by ミース・ファン・デル・ローエを2脚。
リビングテーブルは、コーヒーテーブル by イサム・ノグチ。
ピアノ、チェアとも黒でシックにまとめて、イームズチェアの色でアクセントを加えるカラーコーディネートにも注目です。
グレーの3Pソファに向かって、オレンジ色のLow Side Chairをレイアウトした例。
ソファ用クッションとチェアの色を同じにしたカラーセンス抜群のリビング。
グレー×オレンジのコンビネーションは、上品で活気のある空間を演出してくれます。
…と、ここまでリビング事例ばかりを紹介してきましたが、このチェアは他の部屋にもおすすめです。
ベッドルームの隅にあるだけで
寝室のベッドの足元にLow Side Chairをレイアウトした例。
水色のベッドカバーとの相性抜群!!
ちなみに、チェアが置いてあるスペースは、下記のようなレイアウト。
茶色の格子柄のラグが格好良い!!
この組み合わせは、リビングにも応用できそうですね。
玄関インテリアとしても
玄関ホールの階段の前にLow Side Chairをレイアウトした例。
椅子1個でも、こんなにおしゃれに見えるなんて…。
“ドアを開けた瞬間、スタイリッシュなチェアがお出迎え♪”
ホールにスペースがあれば、絶対に真似してみたい!!!
2.Side Chair (model DCW) by Charles Eames&Ray Eames
Side Chair (model DCW)は、1個前の項目で紹介したLow Side Chairと似てますが、サイズが違います。
Low Side Chair:65.4×56.5×63.5cm
Side Chair (model DCW):74.9×48.3×54.6cm
ナチュラルブラウンの正方形ダイニングテーブルにSide Chair (model DCW)を2脚ずつ、合計8脚レイアウトした例。
まるでテーブルとチェアがシリーズもののようにぴったりマッチしてます。
テーブルの四方にダイニングチェアを2脚ずつ並べたダイニングって初めて見たかも…。
ダークブラウンの長方形ダイニングテーブルにSide Chair (model DCW)を6脚レイアウトした例。
これも格好良い!!
このお家、梁が丸見えになった天井が素敵過ぎます!!
3.Side Chair (model DCM) スチールバージョン by Charles Eames&Ray Eames
Side Chair (model DCM)は、Low Side Chair:やSide Chair (model DCW)と背もたれ&座面が同じデザインですが、脚がスチール製。
学校の椅子を連想させるシンプルな佇まいです。
Low Side ChairとSide Chair (model DCW)スチールバージョンを1脚ずつソファの前にレイアウトしたリビングの例。
同じようなシルエットの椅子をわざとデザイン違いでコーディネートするセンスは見習いたい!!
波のような模様の寒色系ラグも、とってもオシャレです♪
茶色のレトロな雰囲気の3PソファとSide Chair (model DCW)スチールバージョン1脚をコーディネートしたミッドセンチュリーなリビングの例。
古臭い感じが何ともキュート♪
茶色の木製家具やソファをメインにして、赤(オレンジレッド)をアクセントカラーに使う暖かいインテリアの演出法も是非参考に!
4.Lounge Chair and Ottoman&Low Side Chair by Charles Eames&Ray Eames
Lounge Chair and Ottomanは、“ラウンジチェアと言えばコレ”と連想する方も多い定番スタイル。
日当たりの良い場所にくつろぎ席を設けるのにも最適です。
ホワイトの3Pソファの対面に黒のLounge Chair and Ottomanをレイアウトし、隣にLow Side Chairを1脚コーディネートした8畳リビングの例。
この2つのチェアが似合うのはモダンインテリアだけかと思ってましたが、カジュアルな部屋にも合うんですね…。
間仕切りを兼用したデスクスペースの作り方がおしゃれ過ぎます!!
ベージュのL字ソファとLow Side ChairをL字にレイアウトし、対面に黒のLounge Chair and Ottomanをコーディネートした例。
黒と白の配分が絶妙!!
コーナー部に斜めに暖炉がある海外のリビングの例ですが、日本のリビングで真似ても大丈夫そう。
ベージュのコーナーソファとLow Side ChairをL字にレイアウトし、対面に黒のLounge Chair and Ottomanをコーディネートした例。
ソファ、チェア×2のレイアウトの仕方が1個前の事例と同じですが、こちらは茶系を主体としたカラーコーディネートなので温かみを感じます。
リビングの中心にテーブルを置かないと、こんなにスッキリと見えるんですね…。
リビングの中央に茶×ホワイトのカウハイドラグを敷き、上にホワイトのLounge Chair and Ottomanを置いて、対面にLow Side Chairを2脚コーディネートした例。
リビングだけで10畳くらいあるかな?
広いリビングをソファスペースとくつろぎスペースに分けるアイデアが素敵♪
茶色と白でコーディネートしたまとまりのあるカラー遣いにも注目です。
ダークグレーのコーナーソファの横にLow Side ChairをL字にレイアウトし、対面に黒のLounge Chair and Ottomanをコーディネートした例。
「これぞモダン!!」といった感じのシンプルな家具レイアウト。
チェア、コーヒーテーブル、ラウンジチェアが直線状にあり、それぞれに同じような木目が使われているので統一感を感じます。
5.Chaise Longue (La Chaise) by Charles Eames&Ray Eames
Chaise Longue (La Chaise)は、横に長いシルエットが特徴的なチェアです。
個性的なデザインが、部屋全体の雰囲気を格上げしてくれること間違いなし!?
ホワイトのレザー製2PソファとChaise Longue (La Chaise)を対面式にレイアウトしたリビングの例。
何よりも先にChaise Longue (La Chaise)に目が入る!!
デザインが奇抜なので、ありきたりな家具とコーディネートするのは難しいかもしれませんが「このチェアが1個あるだけで部屋全体が芸術的に見える!」と感じるのは私だけではないはず…。
ダークブラウンのフローリングのリビングダイニングに白と黒の家具をコーディネートしたモダンな空間に、Chaise Longue (La Chaise)をさりげなく置いた例。
マンションギャラリーの一室を見ているかのような上質な空間!
間接照明を活用した薄暗い明かりの作り方が素敵過ぎます!!!
玄関ホールにChaise Longue (La Chaise)を置いた例。
階段下にLow Side Chairを置いた事例を最初の方に紹介しましたが、Chaise Longue (La Chaise)の方が奇抜な印象で、個性的な階段手摺と見事にマッチしています。
掃き出し窓の前にホワイトのラグを敷き、Chaise Longue (La Chaise)をポツンと置いた例。
もはや美術品?
実用的というよりアートっぽい使い方なので、スペースに余裕のあるお家じゃないと無理かな?
テラスに繋がる掃き出し窓の前にChaise Longue (La Chaise)をレイアウトした例。
椅子というより置物みたい!?
入口に立って目に入る部屋のコーナーに置けば、通行の邪魔にもならず、部屋全体のオシャレ度アップに貢献してくれるかも。
MoMAに実際に展示されている家具を使ったインテリアコーディネートの数々は参考になったでしょうか?
今回はイームズの2種類のチェアをメインに紹介しましたが、実際の展示はもっとたくさんありました。
が、見るのに夢中になり過ぎて写真を撮り忘れる(MoMAは、フラッシュを焚かない写真撮影はOK)という大失態。
今回紹介したチェア類は、1945~1956年のデザインで、この時代の日本は昭和20~31年の戦後真っ只中。
自分が生まれるよりも前にデザインされている家具達が全く古臭さを感じさせない衝撃と言ったら…。
今まで雑誌や写真でしか見たことがなかった、数々の家具を自分の目で見ることができたことは、最高の体験となりました。

MOMAコレクションの家具イラストをプリントしたMoMAグッズ