寝室の役割は、リラックスして心と身体を休める場所であること。
布団に入ってしまえば、目を閉じて数時間経過するだけの部屋なので「特にインテリアにこだわる必要が無い」と思われがちですが、心と身体を休めるのに適した色があるのをご存知でしょうか?
例えば、下記は、海外に実際に存在する寝室のインテリア例。
寝室に入った途端、鮮やかな赤のベッドや赤と反対の青の(しかも水玉)ベッドカバー、シャッターの落書きのような派手な色使いの巨大なウォールアートが目に飛び込んできたら、一気に眠気が覚めてしまいそうですよね。
「寝室をこんな派手なインテリアにしようとは思わない。」と大半の方が感じると思いますが、ホワイトの壁に囲まれた寝室に木製のベッドを置いて、無難な色のカバー類でまとめた寝室もまた、リラックスという面から考えると、物足りないのではないかと思います。
リラックスできる寝室インテリアを作りたい時に参考になるのが、ビジネスホテルやシティホテルの個室です。
ホテルの個室のカラーコーディネートは、先ほどの奇抜な寝室インテリアとは反対で「穏やか」「癒し」「画一的」「落ち着く」などと感じる空間を演出してあり、過度な刺激を与えず、そこにいるだけで“ほっ”と出来ますよね。
では、個人の住まいの寝室で、安眠できる環境を作るには、どんな色が適しているのでしょうか?
推奨3色とインテリア例を紹介しますので、参考にしてみて下さい。
安眠効果を期待できる寝室に最適な3色とコーディネート例-目次
1.茶色を使った寝室インテリア
大地を連想させる茶色は、心を落ち着かせる効果があると言われています。
その理由は、現代社会では、地面はアスファルトに覆われ、人々は靴を履き、建物の中では、裸足でも居心地が良い素材の床が使われていますが、何代も前の祖先は、土の上で生活しており、そのDNAが私達の脳に残っているからです。
1-1.茶色のアクセントクロス
ベッドの頭側の壁に、茶色の木材風の壁紙クロスを貼った例。
収納家具やベッドも茶色で、質感と色味を統一。
木の皮を剥いだようなデザインの壁紙クロスは、カスタマイズ製品で市販されていない様子ですが、とっても格好良いです。
ベッドの頭側の壁をダークブラウンにした例。
フローリング、ベッド、壁が同じ暗さの茶色なので、統一感があり、とても落ち着いた雰囲気です。
ベッドの頭側の壁面に、ダークブラウンの木目の壁紙クロスを貼った例。
ベッドの足元には、焦げ茶色のレザー製ベンチをレイアウトした、高級感溢れる寝室例です。
ベッドの頭側の壁に丸太のパターン柄の壁紙クロスを貼った例。
何この柄?
「日本でも手に入るのかな?」と探してみたところ、輸入壁紙を扱うWALPAで入手できるようです。
1-2.茶色のカーテン
掃き出し窓に、白っぽい茶色のカーテンをコ-ディネートした例。
ベッド周りのラグやベッドリネンも同色。
濃淡の茶色をバランス良くコーディネートした、ぐっすり眠れそうな寝室例です。
腰窓に、床から天井まであるロングサイズの茶色のカーテンとホワイトのレースカーテンをコーディネートした例。
ベッド周りは、茶色と相性の良いベージュ色。
カーテンは窓のサイズに合わせて取り付けるのが一般的ですが、この事例のように窓サイズを無視して、壁の端から端、床から天井までカーテンを取り付けると「掃き出し窓があるような雰囲気になり、広々と見える」という効果があります。
腰窓に、ダークブラウンのカーテンとホワイトのレースカーテンをコーディネートした例。
この事例も1個前の事例と同じく、窓サイズよりも大きなカーテンを組み合わせた例。
カーテンの色は、ダークブラウンのフローリングと合わせてあります。
シャンデリアっぽいクリスタルのペンダントライトがついた寝室の窓に、暗めの茶色のカーテンとホワイトのレースカーテンをコーディネートした例。
何とエレガントな寝室!!
「茶色はダサいorもっさい」と勝手に思ってましたが、こんなにおしゃれなインテリアも作れるんですね。
1-3.茶色のベッド
茶色の木製ベッドに、ダークブラウンの掛け布団をコーディネートした例。
壁面に飾ってあるアートの額縁もダークブラウン。
ホテルの一室を見てるかのような、心が静まるインテリア例です。
茶色のファブリックベッドとベージュのベッドリネンをコーディネートした例。
ベッドリネンは床、ベッドは壁面収納と同じ色。
濃淡の茶色の組み合わせ方が素敵過ぎます!!
茶色の木製フロアベッドにグレーのベッドリネンをコーディネートした例。
木目が目立つヴィンテージ風のベッドは、フローリングの質感とマッチ。
ナイトテーブルにもヴィンテージ家具を使った格好良い寝室例です。
1-4.茶色のベッドカバー
ホワイトのベッドに白が多めの茶色のベッドカバーをコーディネートした例。
ベッドの足元には、カバーよりも濃い目の茶色のラグをon。
飾り気の無い真っ白な壁の寝室ですが、ベッドリネンとラグのカラーコーディネートだけで、こんなにお洒落に見えるなんて…。
薄い茶色のベッドスカートとベッドスカートより濃いめの茶色のBOXシーツをコーディネートした例。
ベッドサイドに置いてあるテーブルランプのシェードも薄い茶色。
ベッドの頭側の壁は薄いグレー、カーテンはダークブラウンと言った組み合わせが、清潔感と居心地の良さの両方を感じさせます。
2.緑を使った寝室インテリア
緑は誰もが知ってるように、“癒しの色”です。
インテリアに緑を手っ取り早く取り入れる方法に「観葉植物を飾る」がありますが、生ものなので、メンテナンスが大変と言ったデメリットも。
植物と同じ自然を連想させる緑を取り入れて、心身共にリラックスできる寝室を作ってみましょう。
2-1.緑のアクセントクロス
ベッドの頭側の壁に、暗めの緑の壁紙クロスを貼った例。
「緑の壁紙クロス」と聞くと、黄色が混じった黄緑系を連想される方もいらっしゃるかも知れませんが、暗めの緑は、寝室全体に落ち着きも演出してくれます。
ベッドの頭側の壁に、エメラルドグリーンの壁紙クロスを貼った例。
まるで、デザイナーが設計したホテルの一室みたい!
白い壁とエメラルドグリーンの組み合わせが、清潔感のある寝室を演出しています。
寝室の2面の壁に、黄色が多めの黄緑の壁紙クロスを貼った例。
これまでの事例と打って変わって、カジュアル感UP!!
落ち着きというより、清々しさを感じるコーディネートです。
2-2.緑のカーテン
2面の窓に、黄緑色のカーテンとホワイトのレースカーテンをコーディネートした例。
ベッドカバーには、緑と相性の良いピンクを使った花柄をチョイス。
掃き出し窓と腰窓の大きさが違う2種類の窓ですが、両方とも床まであるロングサイズのカーテンがコーディネートしてあります。
掃き出し窓にくすんだ黄緑のレースっぽいカーテンと透け感のあるブルー系のローマンシェードをコーディネートした例。
カーテンの下には、レースカーテンを組み合わせるのが当たり前だと思っていましたが、縦横と違うデザインで組み合わせる方法もあるんですね…。
ベッドのカバー類に、カーテンと全く同じ色が使ってあるので、統一感があります。
大きな腰窓に、ダークグリーンの床まであるカーテンをコーディネートした例。
枕カバーもカーテンと同じ色(柄)。
緑と相性の良い紫を取り入れたセンスのあるカラーコーディネートにも注目です。
2-3.緑のベッド
暗めの緑のファブリックベッドに、白いカバーを掛けた布団をコーディネートした例。
ちらりと見えるベッドのフレームが良いアクセントになってる!!
日本では、まだまだファブリックベッドがメジャーではありませんが、ソファみたいに様々なカラーが選べるので、インテリアコーディネートの幅が広がりそうですね。
白っぽい緑のパイプベッドに、ホワイトのベッドリネンをコーディネートした例。
若葉を感じさせる素敵な色使い。
優しさと清々しさを感じる、柔らかいインテリア例です。
2-4.緑のベッドカバー
ダークブラウンの木製ベッドに、白っぽい黄緑色のベッドカバーをコーディネートした例。
ベッドの色と相性抜群!!
枝と葉っぱの組み合わせを連想させるカラーコーディネートです。
ホワイト×光沢のある、くすんだ黄緑のベッドカバー例。
枕カバーは、白とくすんだ黄緑を使ったリーフ柄。
ポイントにパターン柄を取り入れることで、単調な印象を軽減。
真っ白なシーツに暗めの緑の掛け布団をコーディネートした例。
枕カバーも掛け布団と同じ色で柄違い。
壁面やカウンターデスクが真っ白の白が多めの部屋に、暗い緑をちょっぴり加えるだけで、こんなにおしゃれに見えるなんて…。
3.青を使った寝室インテリア
空や海を連想させる青。
寝室に青が向いている理由は「果てしなく広がる自然を連想させる」からではなく、「心を落ち着かせる効果がある」からです。
心が燃え上がる赤とは対照的に、青には、冷静、静寂など沈静効果があると言われています。
3-1.青のアクセントクロス
ベッドの頭側の壁に、明るめの青の壁紙クロスを貼った例。
ちょっぴり明るすぎるかな?と思いますが、夜だと、もっと落ち着いて見えるのかも…。
質感の良さそうな木製ベッドとの相性もバッチリです。
ベッドの頭側の壁に、鮮やかな青の壁紙クロスを貼った例。
1個前の青は、緑がかった青でしたが、こちらは本当の青。
この色を使うのは勇気が要りそうですが、ホワイトの壁とのコントラストが美しく、清潔感たっぷりです。
ベッドの頭側の壁に、グレイッシュな青の壁紙クロスを貼った例。
このくらいの青になると「ありだ」と思えてくる…。
男の子っぽい印象の寝室インテリア例です。
ベッドの頭側の壁に、ネイビーの壁紙クロスを貼った例。
落ち着いて眠れそう。
この事例を見るまで、ネイビーとベージュ(薄い茶色)が相性が良いと気づきませんでした。
3-2.青のカーテン
腰窓にダークブルーのカーテンをコーディネートした例。
一瞬黒に見える、暗めの青。
我が家もこれと同じくらいの青のカーテンをリビングの窓にコーディネートしてますが、夜、妙に落ち着きます。
掃き出し窓に、暗めの水色のカーテンをコーディネートした例。
1個前の事例よりも、白っぽい青。
寝室を広々と見せたい場合は、この事例くらい明るい方が良いかも。
掃き出し窓にネイビーのカーテンをコーディネートした例。
陰になると真っ黒に見える青。
重厚感を演出したい時には良いかもしれませんが、閉めてる時は圧迫感を感じそうです。
3-3.青のベッド
暗めのブルーのファブリックベッドに、ホワイトのベッドリネンをコーディネートした例。
グレイッシュなダークブルーのファブリックベッドに、ネイビーのポイントが入ったホワイトのベッドリネンをコーディネートした例。
ダークブルーのファブリックベッドに、ブルーの縁取りのホワイトのベッドリネンをコーディネートした例。
3つとも、日本での扱いが少ないファブリック(布製)ベッドの事例ですが、数年後に主流になることを期待して、コーディネート例を掲載。
3-4.青のベッドカバー
ホワイトの床&壁の寝室にホワイトの木製ベッドを置き、掛け布団カバーを暗めの青にした例。
「青のベッドカバー=男の子の寝室」と勝手に思ってましたが、ホワイトの面積を多くすることで、女性にも合う寝室が作れるんですね…。
灰みがかった、デニムみたいな色のベッドリネンをコーディネートした例。
この寝室も壁は真っ白ですが、床がベージュ系のカーペットとくすんだ青の組み合わせなので、1個前の事例と比較すると、ぼやけた印象です。
暗めの青に、四角・三角・雷マークを小さくプリントした枕カバーと掛け布団カバーをコーディネートした例。
子供用寝具で見かけるようなプリント柄のベッドリネンを大人の寝室に使うなんて…。
床・壁・カーテンが真っ白の緊張感のある寝室を可愛い柄が緩和しています。