引っ越す前、何も家具を置いていない状態を見た時は広く感じたのに、ソファやテーブルをレイアウトすると、狭苦しく感じてしまう。
こんな経験、あなたにも無いですか?
狭い部屋でインテリアを作っていく時に気を付けたいことは、「狭い部屋を広く見せるコツ【NG例付】-8つのポイントで実現!」で紹介していますが、今回は、この中の“床面は広く”にスポットを当ててみたいと思います。
たいていの場合、ダイニングテーブル、ダイニングチェア、リビングテーブルは空間の中心にレイアウトすることが多く、これらを選ぶ時、大きさを決めて、次に「木目にするか」「鏡面にするか」「色付のものにするか」と言った具合に材質を決める方がほとんどですよね?
この材質を選ぶ時、“床面を広く見せる”に注目して、床が透き通って見えるクリアなデザインを選ぶことも選択肢に入れてみましょう。
特に、面積が広いダイニングテーブルは、木の材質だと床面の6割近くを塞いでしまうことも。
これを透明素材のテーブルにすると、そこに何も置いていないのと同じ風景を見せてくれるので、床面を広々と見せることができます。
ダイニングテーブル以外にも、チェアやリビングテーブルなど床や視線を遮る家具に透明素材を使った実際の事例を見ていきましょう。
透明インテリア実例-目次
1.床面広々♪透明なチェアのインテリア例
部屋を広々と見せる為には、床面に近い(ロータイプ)家具にすると良いと言われていますが、腰を掛けて座るダイニングチェアは、座面の高さが決まっているため、ロータイプよりも一般的なダイニングチェアを選ぶという方も多いのでは?
でもこの場合、背もたれが存在感を出し、視界を遮ったり、床面を見えなくしてしまいます。
「一般的な高さのダイニングチェアを透明にすると、どんな風に見えるのか?」を見てみましょう。
ルイ・ゴースト(Louis Ghost) by Kartell(カルテル)
ルイ15世の椅子をモチーフにデザインされたルイ・ゴーストは、ポリカーボネート製。
楕円形の背もたれと存在感のある肘掛があるにもかかわらず、視界をクリアに見せてくれます。
ルイ・ゴースト(Louis Ghost) by Kartell(カルテル)公式サイト
鏡面ホワイトの天板にステンレス脚のモダンな長方形ダイニングテーブルに透明なチェアをコーディネートした6人掛けのダイニングの例。
白っぽい床の広々とした空間を透明の家具を使って開放感のある雰囲気に!!
サーモンピンクをアクセントカラーに使う、カラーコーディネートの仕方も素敵です。
L型キッチンの前の3畳ほどのスペースにベンチシート+テーブル+透明チェアで、カフェ風のダイニングを作った例。
通路側にある椅子を透明にすることで、狭苦しさを軽減。
「もし、この椅子が木製だったら…。」と考えると、クリア素材の椅子が持つ軽やかさや透け感は、空間を広々と見せるのに一役買っていると思いませんか?
円形のダイニングテーブルに透明チェアをレイアウトした4人掛けダイニングスペースの例。
このダイニング空間も壁とドアが接近していて、狭めですが、椅子が透明なので、さほど圧迫感は感じませんね。
ちなみに、この丸いテーブルは、エーロ・サーリネンのチューリップテーブルです。
ヴィクトリア・ゴースト(Victoria Ghost) by Kartell(カルテル)
ヴィクトリア・ゴーストは、ルイ・ゴーストの肘掛無バージョン。
ルイ・ゴーストと混合させてコーディネートすると一味違ったおしゃれな空間を演出してくれます。
ヴィクトリア・ゴースト(Victoria Ghost) by Kartell(カルテル)公式サイト
木製の長方形のダイニングテーブルに、ルイ・ゴーストとヴィクトリアゴーストをレイアウトした8人掛けダイニングの例。
壁一面がテラスに面した開放的なダイニングスペースを家具で遮らないように工夫してあります。
椅子が透明なので、この空間にはダイニングテーブルしかないように見えますね。
木製のモダンな長方形ダイニングテーブルにルイ・ゴースト×2、ヴィクトリア・ゴースト×4をレイアウトした6人掛けダイニングの例。
チェアの色は、ルイ・ゴーストがクリア色で、ヴィクトリア・ゴーストがglossy blackです。
モノクロカラーでまとめてあるので、静寂と清潔感を感じますね。
Tobias チェア by IKEA
Tobias チェアはIKEAのダイニングチェアシリーズで、1脚1万円ちょっとと手が出しやすいのが魅力です。
2面を窓に囲まれた開放的なダイニングスペースに円形ダイニングテーブルをレイアウトし、透明なチェアをコーディネートした4人掛けダイニングの例。
視界を遮るものは、ダイニングテーブルの天板の厚みと脚だけなので、外の景色を十分に堪能。
掃き出し窓のあるダイニングスペースにダイニングテーブルをレイアウトする場合に参考になりそうな事例です。
イームズ シェルサイドチェア DSR
デザイナーズ家具でおなじみのイームズチェアは、インテリア全体をワンランクアップさせてくれる優れもの。
SDRは、脚がクロームメッキタイプのデザインです。
木目が美しい長方形ダイニングテーブルにイームズチェアをコーディネートした10人掛けダイニングの例。
10脚の椅子のうち、8脚をクリア色にして、残りは、赤とアイスブルーに。
カラフルな色を使ったコーディネートなので、ダイニング空間が明るく楽しい雰囲気です。
イームズ シェルサイドチェア DSW
DSWは、DSRと同デザインで脚が木製ものも。
インテリアに暖かさをプラスしたい時に使うと良いかな?
木製のダイニングテーブルを壁づけにして、イームズチェアをコーディネートした4人掛けダイニングの例。
キッチンとリビングの間の狭いスペースにダイニングを設けた事例です。
ダイニングテーブルをもう少し華奢なデザインにしたり、チェアを1個前に紹介したDSRにすると、窮屈な印象がもう少し軽減できるような気も…。
ダイニング以外にイームズの椅子を使ってワンランク上のインテリアコーディネートをした事例を見たい方は、下記のトピックを参考に。
鏡面ホワイトの天板のダイニングテーブルにクリア素材のダイニングチェアをコーディネートした6人掛けダイニングの例。
このチェアは、アクリル家具を取り扱うアメリカのPlexi-Craftのもの。
「日本でも取扱いがあるのかな?」と調べてみましたが、2016年2月現在、購入できる場所は通販も含め、無いようです。
2.視界クリア!透明なダイニングテーブル・テーブルのインテリア例
ダイニングテーブル
円形のガラステーブルにクリア素材のダイニングチェアを組み合わせた5人掛けダイニングの例。
濃い床色+狭いダイニングスペースなので、少しでも空間を広々と見せる為に、テーブルとチェアを透明にしてあります。
リビング&ダイニングが一つの空間になったマンションの家具選びの参考に出来そうな事例です。
キッチン前のダイニングスペースに透明の長方形ダイニングテーブル&クリア素材のチェアを組み合わせた6人掛けダイニングの例。
透明な家具がコーディネートしてあるので、テーブルの向こう側にあるリビングが見え、空間全体が広々と見えますね。
この事例もマンションの家具レイアウトの参考になりそう!
ダークブラウンの床の狭いリビング&ダイニングのダイニングスペースにクリア素材の円形テーブルと透明チェアをコーディネートした例。
写真がアップなので、圧迫感を感じるかもしれませんが、実物を見ると、そうでも無さそう!
濃い床色の空間を少しでも広く見せたい時に、参考にできそうなカラー使いです。
透明なリビングテーブルに、クリア素材の赤、ブルー、グリーン、オレンジ、透明のチェアを組み合わせた6人掛けダイニングの例。
なんちゅうお洒落なダイニング!!
6畳くらいの広さかな?
DOMITALIAの家具は、日本の通販サイトでも取り扱っているところがあるので、気になる方は探してみて下さいね。
ガラス製の正方形ダイニングテーブルにクリア素材のチェアを組み合わせた6人掛けダイニングの例。
1個前と同じ6人掛けですが、こちらは全部透明なので統一感があります。
椅子やテーブルが透明だと、家具の存在感って半分くらいになるような気がします。
リビングダイニングがひとつの空間になったダイニングスペースにクリア素材の長方形ダイニングテーブルとダイニングチェアをレイアウトした5人掛けダイニングの例。
この事例もマンションや昨今のワンルームの参考にできそう!
5人掛けだとダイニングテーブルの短手方向にも椅子が一つ必要になり、この間取りだと、窓までの視線を遮る形になってしまいますが、透明素材の椅子なら、開放的な空間をそのまま生かすことができますね。
ガラス製の長方形ダイニングテーブルにクリア素材のチェアを組み合わせた8人掛けダイニングの例。
このダイニングも隣はリビング。
ここで紹介した7個中5個の事例がワンルームタイプのリビング&ダイニングでしたが、クリア素材のダイニングセットって、こういう間取りでこそ、魅力を発揮できる気がします。
リビングテーブル
ホワイトの3Pソファとクリア素材のリビングテーブルをコーディネートした例。
遠目からの写真&大きな掃き出し窓のあるリビングなので、透明なテーブルによる開放感がわかりやすい!!
ここに色付のテーブルを置いてしまうと、せっかくの広々とした印象が細切れになってしまう気がしませんか?
ベージュの2Pソファと黒の一人掛けソファ×2をL型にレイアウトし、中央にクリア素材のリビングテーブルを置いた例。
このリビング、そんなに広くないので、テーブルの周りには、人が最低限通れる程度の通路スペースだけを確保してあります。
その為、このテーブルが木製だと、窮屈な印象を受けてしまうんですね…。
クリア素材なら、ラグが見え、正面のTVボードまでの視界も良好なので、さほど狭苦しい印象を受けませんね。
グレーの3Pソファに長方形のクリア素材のリビングテーブルをコーディネートした例。
部屋の中心に広々としたスペースがあるので、開放的に感じますね。
部屋を広く見せる為には、ラグを敷かない方が良いと言われていますが、透ける素材なら、ラグありでも広く見えます。
薄いベージュのコーナーソファとクリア素材のリビングテーブルをコーディネートした例。
白でまとめた開放感のあるLDKをますます広く見せるテーブルデザイン!!
真っ白過ぎると緊張感が出てしまうので、ソファにちょっぴり色が使ってあるのがポイントです。
ダークグレーの3Pソファとクリア素材のテーブルを組み合わせ、モノトーンにまとめたリビングの例。
これまで、クリア素材のテーブルや椅子を使った部屋は、白でコーディネートした事例が多かったですが、これは暗めの色が多いパターン。
暗い色による圧迫感を緩和する為に、ソファの後ろに遠近法を使ったアートを飾って、視覚効果を上手く活用して部屋を広く見せる技も参考にしたいポイントです。
狭い部屋を広く見せるアートの使い方は、下記のトピックを参考に読んでみて下さいね。
グレーの3Pソファと薄いライムグリーンの一人掛けソファ×2を対面式にレイアウトし、ソファの前にクリア素材のリビングテーブルをコーディネートした例。
このリビングも、部屋の中央がたっぷり空いているので広々とした印象です。
リビングテーブルを書き物用の台として活用している場合、最低幅80cm必要になってきますが、「横長のテーブルを置くと部屋が狭く見えてしまいそう。」という場合は、先ず“透明素材”を頭に入れておくと良さそうです。
3.間借りに最適!透明なデスクのインテリア例
幅1.2mほどの廊下の突き当りにデスクスペースを設けた例。
天板ガラス、支柱が鉄筋のようなデザインなので、机独特の圧迫感ゼロ!!
チェアは、日本でも購入可能です。
窓下にアクリルデスクをレイアウトし、右側の壁にオープン棚を設けたホームオフィスの例。
何て使い勝手が良さそうなレイアウト!!
机も椅子も透明なので、部屋を占領しているという印象が少ないですね。
リビングの隅を利用して、テラスに向かってアクリルデスクをレイアウトした例。
1枚のアクリル板を曲げただけのデスクなので、引き出しに入れる小物は足元に籠を置いて収納スペースを確保。
海を眺めながらの作業、憧れます!!
4畳半ほどの細長いスペースにガラス製のデスクを窓に向けてレイアウトし、クリア色のチェアを組み合わせた例。
床から天井まで、2面が窓になった開放的なスペースを損なわない、家具のチョイスが素敵!!
日当たりも良い場所なので、早朝から作業を楽しんでできそう♪
ガラス張りの空間に、ガラス製のデスクを外を向けてレイアウトし、黄色のチェアをコーディネートした例。
本格的なオフィスの事例なので、一人暮らしの部屋では真似できなさそうですが、これだけ透明な空間にいると創作意欲が湧いてきそう!!
寝室の一角を利用して、アクリル机と透明チェアを組み合わせて作ったデスクスペースの例。
透明家具の組み合わせなので、視覚的な部屋の広さにはほとんど影響なし。
このデスクの作り方は、リビングやダイニングにも応用できます。
4.まるで宇宙!?透明なハンギングチェアのインテリア例
ハンギングチェアの事例でも紹介したがある風景22選でも紹介したBubble Chair by Eero Aarnio(英語サイト)をコーディネートした事例を5つ紹介。
エーロ・アールニオがデザインしたBubble Chair(1968)は、アクリル製なので、窓際にハンギングチェアを吊るす際、窓の向こうの景色を遮ることがないのでおすすめです。
一面が掃き出し窓になったリビングダイニングの窓寄りのコーナーにバブルチェアをレイアウトした例。
バブルチェアは、読書スペースとしても活用できます。
こんな大きな椅子が目の前にあっても圧迫感を感じないのは、素材が透明だからですね。
2面が窓になったリビングのコーナーにバブルチェアをコーディネートした例。
吹き抜けになった空間に、ホワイト×水色の後退色を使ったカラーコーディネートで広さを強調。
透明のハンギングチェアはソファの目の前にありますが、向こうの景色が見えるので、圧迫感なしです。
6畳ほどのリビングのコーナーにバブルチェアをレイアウトした例。
これまで紹介してきた事例と比較すると色を多めに使ったカラフルなコーディネートですが、窓前にあるハンギングチェアは、やはり透明です。
2面を窓に囲まれた子供部屋のコーナーにバブルチェアをレイアウトした例。
ベッドと壁の間にハンギングチェアがある感じになってますが、透明なので、さほど狭さを感じませんね。
オレンジと水色を使ったカラーコーディネートが素敵なインテリアです。
2面を全部まどに囲まれた開放感のある三角屋根のリビングのコーナーにバブルチェアをレイアウトした例。
緑に囲まれた、こんなリビングで過ごしてみたい!!
ハンギングチェアに座って、お昼寝するのも心地良さそう♪
5.壁にアクセントをプラス!!透明なボトル容器のインテリア例
グリーン
ホワイトでコーディネートしたリビングにグリーンのガラス容器を花瓶とディスプレイにして飾った例。
深いグリーンなので、落ちつきがあって、心地よさを感じます。
自然なインテリアが好きな人は、この事例好きかも!
グリーンのガラス製の壺を床に2つ並べて花瓶代わりに飾ったリビングの例。
この部屋も白がメインカラーなので、広々とした印象です。
「この花瓶が陶器だったら…」と想像すると、やはり存在感や圧迫感が違って見えますよね。
ブルー
シャビーなラダーシェルフにブルーのボトル容器やグリーンの瓶を花瓶代わりに飾ったインテリア例。
ほんのり色のついたガラス瓶にピンクの花を飾ると、こんなに素敵になるんですね!!
ラダーシェルフは、奥行を取らずに物が飾れるので狭い部屋のディスプレイに向いています。
ブルーのボトルにブルーの花を飾ったインテリア例。
大小、様々な大きさ、透明度の違う瓶を7個ランダムに並べて、青い花を飾ってるだけなのに、めちゃくちゃおしゃれ♪
青は圧迫感を感じない色なので、狭い部屋のディスプレイの参考に。
[参照元:Houzz Inc]