住まいが物理的に狭いという方、部屋を広く見せる工夫をしてますか?
私が学生時代に住んでいたワンルームは、図面上6畳と書いてある鉄筋コンクリートのマンションでしたが、中に入ってみるとキッチンスペース込みで6畳。家具を置くと人が2人床に座れるスペースしかなく、とりあえず狭い!!
その上、ベランダにつながる掃き出し窓(約1.5m)から入る光が少なく、昼間でも夕方のような暗さの部屋で、1年も暮らしているうちに気が滅入ってしまった記憶があります。
当時、物理的には無理でも、“視覚的に広く見せるレイアウトの仕方”や“工夫次第で明るい部屋を作れる知識”を持っていなかったので、卒業と同時に少し広く、掃き出し窓が大きめの賃貸マンションに引っ越しましたが、あの時、「この技を知ってたら、もう少しマシだったかも…。」と思うのが鏡です。
もちろん、20歳前後の女子なので、室内に鏡はたくさんありましたが、それらは、服装、メイク、髪型をチェックする為のもの。
インテリアに鏡を活用しようなんて、これっぽっちも思っていませんでしたし、インテリアショップに置いてある全身が入るような大きな鏡は、「ファッション好きのナルシスト向け(失礼)」だと思い込んでいました。
そのせいか、某建材メーカーで家の建具の提案をしている時も、ミラー付のクローゼット扉や玄関収納を「出掛ける前に服装チェックができますよ。」とどちらかと言えば、使う人側のメリットを説明しておすすめする始末。
でも、最近、インテリアに関する知識が増えるうちに「鏡の魅力的な使い方を知っているのと、そうでないのは、住まいの快適度が変わってくる。」と、感じています。
という訳で、今回の特集は、部屋の狭さにうんざりしている方、鏡はナルシストが使うものだと思ってる方(両方、過去の私)の為に、インテリアにおける鏡の効果と実際に使ったインテリアの数々を紹介していきましょう。
このページの目次
1.鏡を窓みたいに使ったインテリア例
壁に囲まれた部屋よりも窓がある部屋、さらに、同じ窓でも2か所以上あったり、大きな窓がある部屋は、開放感がありますよね。
でもマンションのように構造上窓が付けられない位置にある部屋や中部屋の場合、住まい全体の光彩の量が減ってしまいます。
また、角部屋であっても、建物の奥側に位置する部屋は光が少ししか入らないなんてこともあるでしょう。
「部屋に窓が欲しい!!でも付けられない。」そんな部屋に、鏡を活用して、窓があるように見せたのがこれから紹介する事例です。
黒の格子付の1×1mほどの窓をソファの背面の壁にレイアウトした例。
最初見た時は、ここに窓があると勘違いしたほど。
鏡に映った景色を見ると、ソファの正面も壁になった横長タイプのリビングなのかな?
35×70cmのシルバーのフレーム付のミラーを縦2枚横3枚、合計6枚、コーナーソファの背面の壁にレイアウトした例。
このリビングは窓がないのかな?
窓が無い部屋って、圧迫感があり、暗くて窮屈な印象を受けますが、この事例のように天井にある照明や鏡と反対側にあるテーブルランプの光を取り込む工夫をすると狭い印象が緩和されます。
黒のフレーム付の正方形の鏡を縦2枚横4枚、合計8枚、コーナーソファの背面の壁にレイアウトした例。
ミラーの両サイドにブラケット照明を取り付けて、ディスプレイっぽくした演出の仕方も素敵!!
元々広いリビングルームですが、この空間にも窓がないので、鏡を使って更に開放感が出してあります。
黒の格子付の巨大な鏡を床から天井までレイアウトしたリビングの例。
掃き出し窓の反対側の壁一面を鏡にしたようなイメージです。
この事例も最初見た時、窓だと思ってしまいました…。
これだけ大きな窓があると、明るさ2倍ですね。
80×30cmほどの縦長の鏡を3枚等間隔に取り付けたリビングの例。
写真に写ってる正方形のテーブルは、ダイニングではなく、ゲームスペースだそう。
古ぼけたアンティーク調の鏡が素敵です!!
縦長の掃き出し窓と掃き出し窓の間に、窓と同じ高さの大きな鏡を取り付けたリビングの例。
ヨーロピアンなデザインの上に、天井高がある部屋の事例なので、親近感は薄いですが、鏡のレイアウトの仕方は参考になります。
鏡の枠が、室内装飾と同じ雰囲気なので、統一感がありますね。
ブルーのソファの背面の壁に大きなアートを飾り、両サイドに曲線の枠が入ったミラーを2枚レイアウトした例。
ミラーの位置は、サイドテーブルの真後ろになっていて、ソファを中心にしたシンメトリー。
ブルーのソファの両サイドにベージュのソファを対面式に置ける広いリビングの例ですが、正面の鏡を使ったインテリアの作り方は、狭い部屋でも真似できますよ。
リビングの正面に腰から天井までの大きな鏡をレイアウトした例。
暖炉があるリビングなのですが、日本だと、この位置にTVがあるかな?
左側が階段で見えないですが、この壁は、収納棚+鏡+収納棚になっています。
これまで紹介した鏡に比べて、飾りが少ないシンプルなデザインですが、装飾の有無は、映り込む姿も考慮して選ぶと良さそうです。
茶色のレザーソファの背面の壁に横長の木製フレームに入った70×1.5mほどの鏡を取り付けた例。
鏡は壁にピタっとではなく、上部を少し離して下向きに。
天井にダウンライトを2灯入れてた演出の仕方も素敵です。
2.暗い空間を明るく見せる!!光彩を効果的に鏡で取り入れたインテリア例
1.鏡を窓みたいに使ったインテリア例で紹介したのと似ていますが、こちらは、窓や照明器具の方向に鏡を向けてレイアウトした例です。
2面に窓があるリビングの掃き出し窓の横の壁にエレガントなフレームのミラーを取り付けた例。
窓が2か所もある部屋なので、暗いという印象はありませんが、鏡をつけることで更に明るさアップ!!
また、この鏡は、そびえ立つ壁に奥行感を持たせる意味もあります。
円形になったリビングの壁にシルバーの分厚いフレームの鏡を縦5段横5列、合計25個取り付けたリビングの例。
入口と窓の間にある壁は、影になりやすいですが、鏡で入口と窓から入る光を反射させる工夫がしてあります。
素材自体もシルバーなので、明るい雰囲気ですね。
大きな掃き出し窓のあるリビングの壁にエレガントなホワイトのフレーム入りの鏡を取り付けた例。
この鏡は、ペンダント照明が映り込むような高さにレイアウトされていて、明るさ2倍!!
見る角度によっては、掃き出し窓も映り込むので、明るさ&奥行感の演出も。
窓の横にあるレンガ壁に150×90cmほどの大きな鏡を斜めに立て掛けた例。
鏡の後ろは広い壁なので、室内が暗くなりがちです。
鏡を天井に向けることで、ダウンライトの明かりを反射させ、開放感のある空間を演出してあります。
リビングとダイニングがひとつながりになった縦長リビングのリビングスペースとダイニングスペースの間の壁に、長方形の鏡を天井に傾けてレイアウトした例。
この間取りの場合、奥に窓があるので、ダイニング側が暗くなってしまいがち。
鏡を上手に利用することで空間全体を明るく見せる工夫がしてあります。
マンションのインテリアの参考になりそうですね。
巨大な木製枠のミラーを天井に傾けてレイアウトしたリビングの例。
このミラーも天井のダウンライトの明かりを受けるようにレイアウト。
暗くなりがちなリビングの奥側のスペースを明るく見せるのと、壁だけがある面に奥行感を出して開放的に見せる手法です。
暖炉を挟んで同じデザインの鏡を2つ、天井に傾けてレイアウトした広いリビングの例。
どこかの施設かと思うくらい広い空間ですが、天井から吊り下げられた2つのシャンデリアが入る位置に鏡をレイアウトするアイデアが素敵です。
窓が小さなリビングなので、鏡を使って照明の明かりを取り入れた事例です。
味のある木枠に入ったミラーを背の低い台の上に乗せ、窓の反対側の壁にレイアウトしたリビングの例。
上下に2枚の鏡が取り付けてありますが、鏡の向いている方向は、どちらも窓の高さに合わせてあります。
この事例を見ると、鏡を単に床に置くのではなく、角度や鏡の大きさにも配慮すると効果的に演出できるのだと気づかされます。
3.狭い空間を広く見せる!!視覚効果を狙った鏡のインテリア例
一人暮らしの部屋や狭い部屋で取り入れたいのがこの手法。
レイアウトのポイントは、①鏡を開口に向ける②短手の壁に置く、①②を意識して、部屋に奥行感を演出することです。
リビングの短手の壁一面に鏡を取り付けて、等間隔に木でストライプ柄を作った例。
全面鏡だと居心地が悪くなってしまいますが、所々に木があるので気持ち悪くありません。
デザイン性が高い上に奥行感も出すというアイデアが素敵ですね。
リビングの開口に向けてシャビーなデザインの背の高い鏡をレイアウトした例。
鏡の中に入口が見えるので、まだ奥に行けるような感覚に。
狭いワンルームの参考にすると良さそうな事例です。
テイストを揃えた家具のコーディネートの仕方も素敵!!
壁面オープン収納の背板を鏡仕様にしたリビングの例。
一般的に収納家具の背板は、表面材と同じ色なのですが、鏡にすると奥行感がアップ!!
オーダー家具でないと、こんなデザインは無いかもしれませんが、狭い部屋に家具を買う時は気にして探してみると良いですよ。
1個前の事例と同じ位置に鏡だけをレイアウトした例。
鏡に映った壁の位置を考えると、このリビングは6畳ほどかな?
2.暗い空間を明るく見せる!!光彩を効果的に鏡で取り入れたインテリア例でも似たような事例を紹介しましたが、こちらは、鏡を床と垂直に置き、リビングの入り口を映し出すようにレイアウトしてあります。
リビングの短手の壁に、白いフレームの縦長の鏡を2枚レイアウトした例。
鏡に映ってるのは、リビングの手前にあるダイニングスペースとその奥にあるキッチンの窓です。
白が多いインテリアなので広々と見えますが、ソファのサイズからすると、リビング4畳半、ダイニング4畳半程度かな?
窓を鏡に映すことで、リビングの奥行感が演出してあります。
寝室のヘッドボードの上部の壁をミラー仕様にした例。
ダブルベッド+通路スペースでギリギリの狭い寝室を広く開放的に見せるアイデアが素敵!!
部屋の広さが2倍に見えますね。
クローゼット扉を全部ミラー仕様にしたワンルームの例。
1個のユニットに観音扉がついたタイプの収納を3つ並べて、扉を6枚ともミラー仕様に!
収納の手前にあるのがベッドで、通路を挟んでソファスペース、続いてデスク(壁付け)という縦長の部屋なのですが、鏡のおかげで狭さを感じません!!
2×2mくらいある大きな鏡を2人掛けのソファスペースの後ろにレイアウトした例。
この部屋は寝室で、鏡にはベッドが映っています。
ベッドを置いて、足元にスペースが多く取れる間取りの寝室なら、簡単に真似できそうな事例ですね。
ソファを開口に向かってレイアウトし、背面の壁に横長の鏡を取り付けた例。
鏡には、広い空間が映し出されているので、実際よりも広く感じそう。
明るさも考慮した絶妙なレイアウトが勉強になります。
4.鏡をアクセントにした意匠性の高いインテリア例
最後は鏡に映し出される景色の効果よりも、デザイン面を重視した個性的な見た目の鏡の事例を5つ紹介。
紫のアクセントクロスの上に、太陽のようなデザインの鏡をアクセント的に飾ったリビングの例。
上記で紹介しているリンク先には、同じデザインの鏡の取り扱いはもう無いのですが、「鏡ってこんなにデザインがあるの?」とビックリするくらい、たくさんの鏡が売られています。
鏡をディスプレイ的に使うという発想が無かったので、こういった事例は刺激になりますね。
4Pソファをレイアウトした背面の壁に綿毛みたいなデザインの鏡を飾ったリビングの例。
この事例も、1個前と同じく、アクセントクロス+鏡のコンビネーション。
埃掃除が大変そうなデザインですが、見た目のインパクトがリビング全体をお洒落な雰囲気に!!
2Pソファの背面の壁に凸凹した鏡を飾った例。
この鏡は、デザイナーズ家具でおなじみのヴェルナー・パントンが1970年代にデザインしたもの。
日本の通販ショップでは、取扱いがない様子ですが、見かけたら是非使ってみたいアイデムの一つです。
ベージュの3Pソファをレイアウトした背面の壁に同じデザインの鏡を2個飾ったリビングの例。
オレンジと薄い水色でコーディネートした元気が出るカラーコーディネートと、鏡のデザインがめちゃくちゃ合ってます!!
この鏡は、Estyで入手したものらしいのですが、現在は、取扱いが無い様子です。
王冠みたいな煌びやかなデザインの鏡を飾ったリビングの例。
美し過ぎる鏡のフォルムにうっとり♪
シャンデリアのあるリビングに似合いそうですが、残念ながら日本からは購入できません…。
[参照元:Houzz Inc]