「日本のお家の壁は真っ白」
これは数年前の話。
インターネットを介して壁紙クロスや貼るための道具を手軽に手に入れることが出来る時代になり、必要枚数の数え方や貼り方を丁寧に解説してくれているところも出現。
「壁紙クロスは新築やリフォームの時に触る(変えたり、選んだりするの意)もの」という固定観念は無くなり、好きな時に好きな色にチェンジできるようになりました。
「どうせ貼るんだから、思い切った色を。」
「好きな色を選んで気分を上げたい。」
壁紙クロスの色を選ぶ際、特に制約は無いのですが、ちょっとしたポイントを抑えておくと、実際よりも開放感のある部屋を演出できるのをご存知ですか?
部屋を広く見せる壁紙クロスの選び方を3つのポイントに絞って事例と共に解説しますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
部屋が広く見える壁紙の色&インテリア実例-目次
1.薄い(淡い)壁紙クロスを選ぼう
薄い(淡い)色とは、白が多めの色のこと。
サンゲツ、東リ、リリカラなど、日本の主要壁紙クロスメーカーの色見本を見てみると、「目が覚めるような赤」「新芽のようなグリーン」といったビビッドな色よりも「ほんのりピンク」「ぼやけたグリーン」などの淡い色の品揃えが多いです。
この理由は、同じ空間でも、白に近い色の壁紙クロスを貼った方が広く見えるからです。
明るい色の壁紙クロス①
明るい色の壁紙クロス②
暗い色の壁紙クロス
上記の壁の色が異なる3つの部屋を比較すると、明るい色の壁紙クロスを貼った場合の方が開放感がUPして見えませんか?
次に、同じ系統の色の壁紙クロスの明るい版と暗い版を比較してみると
床や家具と合せやすい茶系の壁紙明暗比較
全く同じレイアウトの部屋でも、下の薄い茶色(ベージュ系)の壁紙クロスを貼った部屋の方が広く見えませんか?
サンプルやインターネットで壁紙クロスのカラーサンプルを目にした時
「白過ぎなのでは?」
「これではホワイトの壁紙クロスを貼った時と大差ないのでは?」
「色のインパクトに欠ける」
と感じる色の方が部屋を広く見せると覚えておくと良いでしょう。
明るい(淡い)色の壁紙クロスのインテリア例
幅3.5mほどの仕切り壁を淡いピンクにしたダイニング例。
窓側の壁はホワイトのタイル柄。
キュート&開放感のあるインテリア例です。
壁面を全て薄い水色にしたリビングダイニング例。
ホワイトの窓枠やダイニングチェアとの相性抜群!
窓に木製のシェードを取り付けて、涼し気なコーディネートがしてあります。
薄い水色の壁にホワイトのモールディングをプラスしたリビング例。
メインのソファはホワイト、対面には茶系の籐っぽい素材のソファをon。
1個前の事例同様、涼し気なコーディネートが印象的です。
壁面を全てベージュ系にしたリビング例。
ソファはライトグレー、家具はホワイトにして開放感をUP。
掃き出し窓の向こう側に緑が見える立地なので、ラグをグリーンにして家の中と家の外に一体感を持たせたコーディネートがしてあります。
壁面を全て薄いピンクにした寝室例。
黄緑のファブリックベッドとの相性抜群。
「落ち着きのある」というよりも「可愛い」という印象が強いインテリア例です。
壁面を全て、薄いオレンジにした寝室例。
薄いオレンジの壁に、黒っぽい緑のカーテンを組み合わせるセンスを見倣いたい。
この壁&カーテンの組み合わせ方は、リビングで真似ても良さそうですね。
2.暗い(濃い)壁紙クロスでメリハリをつけよう
1.薄い(淡い)壁紙クロスを選ぼうで紹介したような「薄い色が好きではない」と言った場合や「どうせ貼るならハッキリ主張する色使いたい」という場合は、暗い(濃い)壁紙クロスを貼る場所に気をつけてみましょう。
下記は、暗めの青の壁紙クロスを部屋全体の壁に貼った場合と短手(窓がある面)の壁だけに貼った場合の比較です。
壁全体に貼ると閉鎖的な印象がしますが、短手(窓がある面)の壁だけの場合は開放感がUPして見えませんか?
窓面の壁だけに注目すると、壁の色が暗い分、壁が奥の方にあるようにも見えます。
このように、暗い(濃い)壁紙クロスを奥行きを出したい壁だけに貼ると、実際よりも広く見えるという視覚効果が得られます。
また、同じ系統の明るさの違う2種類の壁紙クロスを壁一面だけに貼った場合を比較すると
床や家具と合せやすいグリーン系の壁紙明暗比較
思いっきり暗いグリーンの壁紙クロス(下のコーディネート)の方が、窓のある面の壁が奥にあるように見えませんか?
暗い(濃い)壁紙クロスを狭い空間に効果的に貼ったインテリア例
リビングのソファ背面の壁を暗めのブルーにした例。
茶色レザーのソファとのコンビネーションが格好良い。
大きなリビングテーブルを置かずに、真ん中のスペースを広く空けた家具のレイアウト法も部屋を広く見せる為のポイントです。
リビングの窓の無い面の壁を黒にした例。
長細い部屋が黒の壁の効果で余計に長細く見える。
黒×グレー×ホワイトのモノトーンカラーを使ったコーディネートの仕方も参考になります。
リビングの長手方向の壁を黒にした例①。
ホワイト×黒のメリハリの付け方がおしゃれ。
白い壁面に、黒の額縁に入れた同じ大きさの写真を縦3段、横4列に飾ったワンランク上のインテリアの作り方も参考になります。
リビングの長手方向の壁を黒にした例②。
元々広いリビングですが、更に広く見える!
黒の壁の前には家具を置かず、壁面に白のカウンターを取り付けて液晶TVをon。
飾り気のない生活感少なめのインテリア例です。
ソファ背面を壁をダークブラウンにしたリビング例。
高級感と落ち着きを感じる!
リビングで長時間過ごすことが多い方が参考にすると良さそうな事例です。
ダイニングの窓のある面の壁を黒にした例。
黒い壁のおかげで、窓がとっても明るく見える!
黒の壁以外の面は、白ではなく薄いグレーで統一してあります。
3.寒色の壁紙クロスを選ぼう
赤・青・黄色・オレンジ・緑など、壁紙クロスには様々な色がありますが、赤・オレンジ・黄色などの暖色よりも、青・青緑といった寒色系の方が空間を広く見せる効果があります。
暖色系壁紙と寒色系壁紙の比較
上の薄いオレンジ(暖色系)の壁紙の部屋よりも、下の水色(寒色系)の壁紙の部屋の方が広く見えませんか?
また、寒色を選ぶ際は、薄い色なら壁全体、濃い色なら壁一面といった具合に、薄い(明るい)or濃い(暗い)に注意するようにしましょう。
寒色系壁紙の貼る範囲比較
薄い青(水色)なので、部屋全体に。
暗い青は、部屋全体ではなく、奥行きを出したい面にだけ貼ると効果的。
寒色の壁紙クロスを効果的に使ったインテリア例
寝室の壁面を白っぽい水色にした例。
中央に大きなダブルベッドがありますが、ベッドの存在が目に入らないくらい開放的。
ラインが細いストライプ柄のラグも部屋を広く見せる効果があります。
白っぽいタイル床のリビングの壁面を薄い水色にした例。
白×寒色の相乗効果で開放感たっぷり!
寒々しく感じないように、ラグとソファに温かみのある薄いベージュが使ってあるのがポイントです。
リビングとダイニングの間にある仕切り壁をちょっぴり暗めの薄い水色にしたリビング例。
落ち着きと開放感を感じる素敵なリビング。
ベージュや茶色の家具と暗めの水色が、こんなに相性が良いなんて…。
6畳ほどのリビングの壁面をグレイッシュな薄い水色にした例。
“THE水色”という感じではなく、見方によってはグレーにも見える色。
寒色独特の寒々しい雰囲気は少なめで、スッキリ&広々とした印象です。
TVボード背面の壁を緑が混じった暗めの水色にしたリビング例。
壁面のブルーとダークブラウンのTVボードとの組み合わせ方がおしゃれ。
ダークオレンジのラグをプラスして、寒暖のバランスが取ってあるところもポイントです。
ソファ背面の壁を灰みがかった暗めの青にしたリビング例。
ブルーを使いつつ、落ち着きも演出した居心地が良さそうな空間。
ソファやラグは、どこにでも売ってそうな色使いなので、壁の色を真似るだけで似たようなインテリアが作れそう。