皆さんは、腰壁と聞いて、どんな内装を思い浮かべますか?

西洋建築を取り入れた昭和30～40年頃の家屋(そのころを時代背景にした映画の社長のお屋敷で見かけるヤツ)を思い浮かべる方も多いかもしれませんね。

私が建材メーカーに勤めていた1990年後半、カタログには、腰壁が載っており、ドアと同デザイン・同色の腰壁をリビングや応接間など豪華に見せたい部屋に付ける方もいらっしゃいました。

あれから数年、フラットな壁・白い壁が当たり前となりつつある今、腰壁のあるお家は「古臭い」「野暮ったい」という理由から、だんだん使われなくなってきてしまい、デザインのバリエーションも減ってしまってるような気がします。

しかしながら、DIYブームの昨今「古臭い」といった印象の腰壁が、西洋風デザインを取り入れることで、再度、注目されているのをご存知でしょうか?

インテリアの流行を探る時、「最近できた商業施設を見る」を実行しているのですが、ブルックリンスタイルが流行し始めた数年前から、ベーカリーショップやカフェなどで、装飾性の高い腰壁を取り入れた内装を良く見かけるようになりました。

そして、この商業施設に施されている腰壁が、一般的な住居へも流入している気がするんですよね。

その理由は「商業施設で見かける西洋風の腰壁は、板とモールディングで作るもの」だから。

つまり、手を加えても良いお家なら、時間(手間)と材料と道具さえあれば、DIYで製作することが可能という訳なんです。

このページでは、数十年前に流行った腰壁と現在の腰壁(いわゆる西洋風腰壁)との違いやデザインや色などに注目して、DIYで腰壁を作る時の3つのコツと参考になる事例を紹介して行きたいと思います。

1.海外っぽい腰壁とは?

腰壁は「壁の腰程度の高さまで貼ってある板」のことです。

ですが、数年前日本の住宅で流行っていた腰壁のデザインと現在のDIY界で流行ってる西洋風腰壁のデザインは全く異なります。

下記は、2018年現在、腰壁を取り扱ってる国内のメーカーの一部です。

• WOODONE(ウッドワン)の腰壁
• DAIKEN(大建工業)の腰壁
• LIXIL(リクシル)の腰壁
• パナソニックの腰壁

これらを見てみると国内メーカーの腰壁は「フラットな板」「縦長の板」が横にズラズラと並んでいるという印象です。
※通販では、これに似たパネルをDIY用として販売しているところもありますが、今回紹介する腰壁はDIY用の腰壁(既製品)とは異なるので割愛します。

一方、海外の腰壁は、既製品ではなく、腰の高さくらいまで貼ったベースパネルの上に、凹凸のある装飾部材(モールディング)を取り付けて豪華に見せるのが一般的です。

1-1.日本メーカーの腰壁と西洋風腰壁(腰壁+モールディング)の比較

日本メーカーの腰壁

既成サイズの腰壁パネルを横に張って行く。
手間がかからないが、パネルの高さ・色・デザインが決まっているので、バリエーションに欠ける。

西洋風腰壁(腰壁+モールディング)

ベースとなるパネルの上に、板や装飾部材(モールディング)を使って鏡部分を作り、塗装する。
モールディングを4本繋げて腰壁のデザインを作るので、高さ・幅等、何通りものオリジナル腰壁を作ることが可能。

また、モールディング自体のデザインも奥行きや装飾の大きさが異なる為、「ゴージャス」「シンプル」など好みのデザインの腰壁を作ることが可能。

西洋風腰壁(腰壁+モールディング)のメリットは、

• 幅や高さを自由に決めることができる
• 凹部凸部のデザインを自由に決めることが出来る
• 色を自由に決めることができる

など、自由度がとても高いことです。

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2.腰壁+モールディングのデザイン

2-1.腰壁の高さ

既製品の場合、腰壁の高さは床から約90cmが一般的ですが、モールディングを使って腰壁を作る場合は、どんな高さにでもできます。

床から160cm程度

天井高を240cmと想定すると160cmは2/3。
壁面の2/3を腰壁にすると下記のような雰囲気になります。

床から120cm程度

天井高を240cmと想定すると120cmは半分。
壁面の半分を腰壁にすると下記のような雰囲気になります。

床から90cm程度

天井高を240cmと想定すると90cmは1/3程度。
壁面の1/3を腰壁にすると下記のような雰囲気になります。

床から40～60cm程度

天井高を240cmと想定すると40cmは1/6程度。
低めの腰壁を付けると、天井が高く見え開放感がUPします。

2-2.腰壁の鏡部のデザイン

板と装飾部材(モールディング)を使って作る腰壁の場合は、板の厚みと装飾部材(モールディング)の大きさによって見た目が変わってきます。

また、ベースとなるパネルの上に、板を貼らずに装飾部材(モールディング)だけで腰壁を作る方法もあります。

フラット感のあるデザイン

ベースとなるパネルに板のみを張り付け、モールディング無しにすればフラット感のある腰壁に。

壁の2/3までの高さをフラット感のあるホワイトの腰壁で装飾したリビング例。

壁の2/3までの高さをフラット感のあるグレーの腰壁で装飾したバスルーム例。

ゴージャスなデザイン

腰壁をゴージャスなデザインにしたい場合は、板の周りにモールディングを使うと効果的。

壁の1/3までの高さをゴージャスなホワイトの腰壁で装飾したパウダールームの例。

板の厚みよりも厚みのあるモールディングを使うと、上記の事例のような板よりも装飾が飛び出てる雰囲気になります。

ベースパネル+モールディング

ベースとなるパネルにモールディングのみを取り付けて、凹凸感のある腰壁に。
板が不要な為、低コストで抑えられるのがメリットです。

凹凸感のあるデザインのモールディングを使えば、陳腐な印象も軽減できます。

壁の1/3までの高さを、ベースパネルと凸凹したモールディング、見切り材と巾木で作ったホワイトの腰壁にしたリビング例。

凹んだデザインと出っ張ったデザイン

幅の広い板で四角を作ったデザインは凹んだ見た目になり、板で囲った四角の中にもう1枚を張り周りにモールディングを施すと出っ張った見た目になります。

壁の1/3までの高さをベースパネル、板、モールディング、見切りと巾木で凹んだ印象のグレーの腰壁にしたリビング例。

壁の1/3までの高さをベースパネル、板、モールディング、見切りと巾木で出っ張った印象の茶色の腰壁にしたリビング例。

中央をリブ調

鏡の部分に細い板を貼ると、ちょっぴりカジュアルさがUPします。

細い板とモールディングを組み合わせたホワイトの腰壁の例。

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3.腰壁+モールディングと壁の色

板とモールディングを使った腰壁は、好きな色で塗装できるのが最大のメリットです。

白い壁に色のついた腰壁のシンプルな組み合わせも良いですが、両方に色を付けて、海外っぽいインテリアを作るのもあり。

その際は、腰壁と壁の色の明暗によって、雰囲気が違って見えてくるので、その辺りも考慮しつつ色を決めていきましょう。

3-1.腰壁の方が明るい

腰壁：ホワイト×壁：グレー

腰壁：ライトグレー×壁：グレー

腰壁：ホワイト×壁：ブルーグレー

腰壁：ホワイト×壁：ダークブラウン

腰壁：ホワイト×壁：黒

腰壁：グレー×壁：黒にホワイトの花柄

3-2.腰壁の方が暗い

腰壁：薄いグリーン×壁：ホワイト

腰壁：薄いブルー×壁：ホワイト

腰壁：ブルー×壁：ホワイト

腰壁：ダークブラウン×壁：グレーとホワイトのパターン柄

腰壁：黒×壁：ライトグレー

腰壁：黒×壁：ホワイトと黒のパターン柄

腰壁：ダークブラウン×壁：薄い青

腰壁：ダークブラウン×壁：黄緑

腰壁：薄い茶色×壁：グレー

腰壁：ダークグレー×壁：ベージュ

腰壁：グレー×壁：ライトグレー

腰壁：グレー×壁：ベージュ

3-3.腰壁と壁が同じくらいの明るさ(暗さ)

腰壁：グレー×壁：暗い紫

腰壁：緑×壁：緑と黄色の花柄

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