ダイニングテーブルには、正方形、長方形、楕円形、円形など様々な形があります。
ダイニングテーブルを決めてから、ダイニングの広さを決めるという方はまずいないので、限られたスペースにテーブルを置くことになりますよね。
テーブルの形と脚のデザインを紹介しながら、メリットやデメリットについて考えてみましょう。
ダイニングテーブルの形と選び方
1.ダイニングテーブルの形の決め方
ダイニングテーブルの形を決める時は
- 正方形のダイニング部屋だから、テーブルは正方形か円形。
- 長方形のダイニング部屋だから、テーブルは長方形か楕円形。
ではありません。
インテリアショップや家具ショールームでダイニングテーブルを目にする場合、見た目やデザイン、テーブルのサイズや高さや座り心地、使い心地だけで選んでしまうと大失敗することがあります。
その理由は、たいていは4人掛け、6人掛けなどのテーブルと椅子だけを組み合わせたものが置いてるだけだから。
つまり、実際に人が暮らすダイニングを想定したディスプレイ(いわゆるマンションのモデルルームのような置き方)になっていないんですね。
(最近、実際の部屋を想定したトータルコーディネート的な置き方も増えてきましたが…)
しかも、テーブルの下に椅子がピタッと納まってる状態で置いてあるので、とてもコンパクトに見えます。
しかしながら、実際にこれらの家具を使用する場合には、下記のスペースを考える必要があります。
ダイニングテーブル(主にチェア)に必要な最低限のスペース
チェアに座る場合は、テーブルの端からチェアの後ろまで約50cm。
チェアを後ろに引く場合は、テーブルの端からチェアの後ろまで約75cm。
チェアに座ってる人の後ろを人が通る場合は、チェアの後ろから約60~90cmのスペースが必要。(設計図を書くときは通路スペース75cmで設計します。)
食事をするのに必要な一人分のスペースは、幅約60~70cm、奥行約40cm。
これらを踏まえ
- 独立したダイニングルームの場合は、食器棚や収納家具だけでなく、ドアの開閉スペース。
- 別の部屋との間仕切りがないオープンなダイニングの場合は、他のエリアとの取り合い。
も考慮しながら、テーブルの形とサイズを決めて行く必要があります。
また、周りにたくさんスペースが取れそうな円形テーブルは、上記の「食事をするのに必要な一人分のスペース」や「通路スペース」を考えた時、思ったほど省スペースに置けない場合もあります。
直径100cmの円形ダイニングテーブルを置いた場合に必要なスペース
※誰も座っていない状態で通路スペース1mで計算した図(食べてる最中に後ろを人が通過しないと想定)
直径120cmの円形ダイニングテーブルを置いた場合に必要なスペース
※誰も座っていない状態で通路スペース1mで計算した図(食べてる最中に後ろを人が通過しないと想定)
2.ダイニングテーブルの形と脚のデザイン
1-1.正方形
※誰も座っていない状態で通路スペース1mで計算した図(食べてる最中に後ろを人が通過しないと想定)
しかしながら、食事するのに必要な一人分のスペース(幅60~70×奥行40cm)を考慮すると、4人掛けで各面に座る場合、食器の数や大きさにもよりますが、120cm角のテーブルでは、スペースが被ってしまい、少し手狭に感じてしまうことも。
120cm角のダイニングテーブルと一人分の食事に必要なスペース例
※誰も座っていない状態で通路スペース1mで計算した図(食べてる最中に後ろを人が通過しないと想定)
黒く重なってる箇所が他の人のエリアに侵入している場所。
150cm角のダイニングテーブルと一人分の食事に必要なスペース例
150cm角だと一人分のスペースがしっかりと確保できていますが、その分、縦にも横にもテーブルが大きくなるので、ダイニングの広さが8畳以上ないと余裕を持ったレイアウトは難しいでしょう。
4本脚
4本脚の正方形木製テーブルの各面にダイニングチェアをレイアウトした例。
窓から少し離した位置で、壁に対して斜めにダイニングテーブルを置くことで省スペース化を実現!
向かって右側に隣の部屋向かう通路スペースもしっかりと確保してあるので「誰かが食事している時は人が通れない」ということはありません。
この事例のように正方形ダイニングテーブルをコンパクトに置きたい場合は、ひじ掛け無し(ひじ掛け付きでもテーブルの下に収まるような高さ)のダイニングチェアを組み合わせるようにしましょう。
1本脚
正方形テーブルには、真ん中に支柱(脚)を立てたデザインのものもあります。
天板サイズが2mほどありそうな正方形のテーブルの一辺にチェアを2つずつ並べた8人掛けダイニングの例①。
これだけ大きな天板を支えるとなると、真ん中の脚が太くないと持ちませんね。
構造力学に詳しい訳ではありませんが、華奢な脚では天板が傾いてしまうことが容易に想像できます。
天板サイズが2mほどありそうな正方形のテーブルの一辺にチェアを2つずつ並べた8人掛けダイニングの例②。
こちらは脚を柱のように組んで、オープンにした例。
支える脚の範囲は1個前の事例と同じくらいですが、向こう側が透けている分圧迫感を感じません。
1本脚デザインの場合、立ち座りや椅子の移動にテーブルの脚が邪魔になるということが少ないのが特徴です。
2-2.長方形
※誰も座っていない状態で通路スペース1mで計算した図(食べてる最中に後ろを人が通過しないと想定)
※誰も座っていない状態で通路スペース1mで計算した図(食べてる最中に後ろを人が通過しないと想定)
※誰も座っていない状態で通路スペース1mで計算した図(食べてる最中に後ろを人が通過しないと想定)
しかも、正方形テーブルと比べると、一方の長さは最低80cmあれば良いので、着席人数が増えてもこの長さは一定でOK。
つまり、来客時のことを想定して、幅が大きめのダイニングテーブルにしておくと、6人掛けや8人掛けにも臨機応変に対応できるという訳です。
4本脚
長方形テーブルは、4本の脚で支えられたデザインが一般的。
天板から床に脚が垂直についているものや
斜めについたものなどがあります。
斜めタイプは、上部に行くほど脚が天板の内側に寄ってくるので、上記の事例のようにチェアを2つ並べた場合、チェアが接触しないかを確認しておく必要があります。
なかには脚がクロスになった4本脚パターンも。
また、2本脚に見せかけた、以下のようなデザインのテーブルもありますが、このタイプは短手にチェアを置くと、脚の位置によっては、座ってる人の足とテーブルの脚がぶつかってしまうこともあるので注意しましょう。
床との接地面に桟のように脚が回っているデザインの場合は、天板と桟の差にチェアが収まるかを確認しておく必要があります。
(上記の事例は、短手側のチェアの脚とテーブルの桟がぶつかる為、テーブルに目いっぱいチェアを寄せることが出来ていません。)
2本脚
天板の短手方向に脚が2本ついたパターンの長方形テーブルは、見た目に格好良いのが特徴です。
海外のヴィンテージな中古テーブルでよく見かけるデザインです。
上記の事例のような一枚板の無垢材テーブルは天板自体に重量があり、それを2本の脚で支える為、脚もしっかりした素材で作られていることが多いです。
その為、テーブルを容易に動かすことができませんのでレイアウトをしっかりと考えてから、テーブルを置くようにしましょう。
2-3.角丸
角丸は天板の角に丸みがあるタイプです。
見た目の柔らかさがくつろぎ感のあるダイニングを演出してくれるのが特徴です。
また、角に頭や体をぶつけてケガをする心配がないという安全面にも優れています。
こう書くと「ウチは小さい子どもがいないから、鋭角な角のテーブルでもOKかな?」と思う方もいらっやるかもしれませんね。
しかしながら、ダイニングテーブルの高さが、洋服のポケットの位置とぴったりと合ってて、ダイニングチェアから慌てて立ち上がった際、テーブルの角にポケットが引っかかって「前に進めない」「洋服が破れた」「テーブルを移動させた」というコントのようなことが起こってしまうことも。(経験談)
丸みのある角は、大人にとっても優しい設計だったりします。
角丸の正方形ガラス製ダイニングテーブルにホワイトのチェアを組み合わせた4人掛けダイニング例。
冷たく無機質な印象のガラスも角が丸いと優しい雰囲気。
清潔感の白がメインのダイニング空間ですが、くつろぎやすそうな気がしませんか?
角丸の長方形木製ダイニングテーブルに、グレーのファブリックチェアを組み合わせた8人掛けダイニング例。
シャンデリアのついた上品な印象のダイニングも丸みのあるテーブルの影響で、緊張感が減少。
「ダイニングテーブルの角にまで気にしたことが無かった。」という方は、これを機に是非細かいデザインまで注目してみて下さいね。
また、角丸テーブルは、角の丸みに様々な大きさがあります。
短手がほぼ半円になった角丸テーブル①。
短手がほぼ半円になった角丸テーブル②。
「丸みを帯びた面に座る人は使い勝手が悪いのでは?」と思うかもしれませんが、円形テーブルに座る場合と同じ感覚なので問題ありません。
ただし、角丸のカーブが大きければ大きいほど、長手の直線部分が減るので、上記の事例のようなデザインを選ぶ場合は、長手側に座る人の前が途中からカーブになってしまうことも。
2-4.円形
円形テーブルは、見た目にコンパクトですが、全周に通路スペースを取る場合は、正方形テーブルと同じ考え方です。
※誰も座っていない状態で通路スペース1mで計算した図(食べてる最中に後ろを人が通過しないと想定)
角が無いからコンパクトに置けると思っていても、実際は直径分の正方形テーブルを置くのと同じだと覚えておきましょう。
上記の図の直径100cmの円形テーブルと正方形テーブルでは、必要な部屋のスペースは同じですが、テーブルにたくさんの料理を並べる場合は、直線部分が無い分、円形テーブルの方が手狭になります。
しかしながら、円形テーブルの場合は、面(辺)が無い分、どの位置にでもチェアを置けるというメリットがあります。
1本脚
1本脚の円形テーブルの周りにスクールチェアを3脚置いた例。
スキットした印象。
チェアの位置が三角形になっていて、どの位置からでも外が見えるのは円形テーブルならではのレイアウトです。
4本脚
4本脚の円形テーブルの場合は、長方形テーブル同様、「どの位置から脚が出てるか?」によってチェアの置き方が決まってきます。
天板の中心から外に向かって4本脚がついた円形テーブルに黒の木製チェアを組み合わせた例。
脚の間にチェアを置くイメージです。
天板から外に向かって(クロス形状)4本脚がついた円形テーブルに、ライトグレーのファブリックチェアを組み合わせた例。
脚がXになってて格好良い!
このデザインも脚と脚の間にチェアを置くイメージです。
天板の内側に向かって斜めに4本脚がついた円形テーブルに、レザーチェアを組み合わせた例。
床の上で足がXになってるデザインが高級感たっぷり!
この事例のような脚と床の接地面が多いタイプは、脚の周りについた埃を掃除するのが面倒というデメリットがあります。
2-5.オーバル
角丸と似てますが、テーブルの全周が緩いカーブになっていて、直線部分はありません。
くつろぎやすいカフェのようなダイニングを演出したい時に最適です。
また、4人掛け以上で円形テーブルにしたい場合、お部屋の大きさとの兼ね合いで「置けない」となってしまった時に使えるのがオーバルテーブルでもあります。
※必要設置スペースは長方形と同じです。
木製のオーバルテーブルにイームズチェアを組み合わせた8人掛けダイニング例。
黒のオーバルテーブルにイームズチェアを組み合わせた8人掛けダイニング例。
1個前は4対4の対面、こちらは3対3&1対1レイアウトです。