照明器具は、上(天井)についていて、下(床やテーブル、机など)に向かって光を当てるものですよね。
なので、通常照明器具を取り付けるシーリングは、予め天井面に取り付けてあるのですが、照明器具の使い方には、もう一つ間接照明があります。
間接照明とは、下記の腰壁の上の明かりのように、光を壁面や天井に向けて当てるもの。
直接照明が上から下への垂直方向の光なのに対し、間接照明は下から上や屈折した光。
この光が、部屋全体をグンとおしゃれに見せてくれるという訳なんですね。
間接照明については以前「間接照明テクニック-知っておきたい効果的な照明の使い方&52実例」で、光源の位置別の特徴を紹介したのですが、このページでは、上方への広がりを演出する天井の間接照明について、取り付け方ごとに実例を紹介して行きたいと思います。
【取り付け方別】天井の間接照明実例-目次
1.スポットライトを使った天井間接照明
まずは天井に直付けorダクトレールを使ったスポットライトの間接照明例を6つ。
スポットライト直付け
2面に梁がある天井の梁から30cmほど離れた位置に高さ20cmほどのスポットライトを3灯取り付けて、梁の角に向けて照らした例。
カクっとなった梁と壁に映し出された光が美しい!!
リビングの中央にはテーブルが置いてありますが、テーブルの真上にはシーリング照明はなく、壁面を照らす間接照明とソファ横のフロアランプだけで明かりが構成してあります。
吹き抜けリビングの梁側面にホワイトのスポットライトを上に向けて取り付けた例。
梁下には、壁面方向に明かりの角度を調整できるユニバーサルダウンライトをon。
リビングの中央には明かりがなく、周囲を主に照らした明かり構成になっています。
三角天井の壁と天井の間に、等間隔に天井に向けて明かりを放つ、スポットライトをコーディネートした例。
柱と柱の間にパネルのようなものを取り付けて、器具が丸見えにならないように工夫。
小窓がついているような見た目で、とっても可愛い雰囲気です。
梁見せ天井のリビングの梁間にスポットライトを取り付けた例。
このスポットライト、明かりが梁や壁に向かって照らしてあり、ソファ付近に向けてはゼロ。
「“リビングの照明器具はソファやリビングテーブルの真上にあるもの”という考え方は、固定観念だったんだなぁ。」とこの事例を見て実感。
ダクトレール+スポットライト
間仕切りのない開放感のあるリビングの通路側に一直線にダクトレール+スポットライトを取り付けた例。
スポットライトの向きは、通路とリビング中央の2方向。
「ダクトレールにシルバーなんてあったっけ?」と探してみると、Panasonicにあるようです。
リビングの天井をぐるりと取り囲むようにシルバーのダクトレールを取り付け、中央にレイアウトしてあるリビングテーブルに向けてスポットライトを照らした例。
「リビングの天井の真ん中にはシーリング照明があるもの」という考え方を覆す、格好良い明かりコーディネート。
壁面に取り付けてあるブラケット照明を使った間接照明の作り方も参考になります。
2.折り上げ天井の間接照明
天井の中にもう一個背の高い天井があるようなデザインの折り上げ天井。
「折り上げ天井は、ヨーロッパ風味のデコラティブなインテリアとしか合わないのでは?」と思うかもしれませんが、シンプル・モダンなどとも相性抜群!!
折り上げ天井+間接照明のインテリア例を9個見て行きましょう。
モールディングやマントルピースが可愛いヨーロピアンなリビングに折り上げ天井を作り、ホワイト系の間接照明と組み合わせた例。
スキっとした光と可愛い装飾とのバランスがおしゃれ。
このリビング、海外っぽく見えますが、日本のおうち。
ヨーロッパのサロンのような雰囲気で、とっても美しいです。
折り上げ天井+電球色の間接照明の組み合わせ例。
高級感たっぷりのダークブラウンの建具と温かみのあるオレンジの光が、過ごしやすそうなリビングを演出。
家具やソファだけでも重厚感は出ると思いますが、天井が一段上に上げてあることで、一層リッチな空間が出来上がってるような気がします。
灰みがかった茶系の枠+折り上げ天井+電球色の間接照明の組み合わせ例。
折り上げ天井の開口部分に窓枠や家具に使われてるのと同じ色の木が使ってある!
重厚感+温かみを感じるリビング事例です。
茶系の枠+折り上げ天井+電球色の間接照明の組み合わせ例。
茶色のレザーソファと折り上げ天井廻りの枠とのコーディネートが素敵!!
枠が交差する部分が周囲よりも明るいので、スポットライトのように見えます。
ちなみに使用してあるのはLEDテープライトです。
長方形5本の折り上げ天井+昼白色の間接照明の組み合わせ例。
天井の周囲を均等に上げる正方形ではなく、筋のように作るアイデアがおしゃれ!!
大きな面がもう一段ある折り上げ天井と比較すると、上部への開放感は減少しますが、洗練された雰囲気がUPして見えます。
折り上げ天井に昼白色の間接照明の組み合わせ例①。
これまでの事例とは異なり、シャープでスッキリとした印象。
このように、同じ折り上げ天井でも、組み合わせる照明器具の色やリビングに置く家具の色で全く違った雰囲気に。
折り上げ天井に昼白色の間接照明を組み合わせた例②。
換気口っぽいルーバーの上下を真っすぐに走る明かりが素敵!!
1個前の事例と似てますが、こちらは間接照明の上にもう一段、段があり、下からの光を受けるデザインになっています。
折り上げ天井に電球色の間接照明を組み合わせた例。
オレンジ色っぽい明かりが、ライトグレー&黒でまとめた冷たく無機質なインテリアに温かみをプラス。
壁面の木目の仕切り壁とも相性抜群です。
折り上げ天井に黄色っぽい間接照明を組み合わせた例。
こちらも白っぽいソファ&ラグとの冷暖のバランスが参考になる!!
リビングをスッキリ&シャープに見せつつ、明かりの色やクッションで温もりをプラスするコーディネートの仕方がとても勉強になります。
3.段差天井の間接照明
1個前の項目で紹介した折り上げ天井は、壁の端から均等にもう一段高い天井があるデザインですが、段差天井は、天井の片側や両側、若しくは中央に段がある天井のこと。
この段差天井を活用した間接照明例を12個紹介します。
リビングの天井中央にパネルのような板を取り付け、周囲から電球色の間接照明をのぞかせた例。
折り上げ天井では、明かりが上向きでしたが、この事例の天井は明かりが下に降ってくる感じ?
開口部の高さとパネル取付面の高さが違うところもポイントかも。
リビングの天井を数か所切り欠いて、昼白色の間接照明を組み合わせた例。
仕切り壁のないLDKを間接照明でゾーニングしてある!!
1個前の事例とは異なり、こちらは、天井面が全て同じ高さにあるパターンです。
広いLDKの壁と天井の間(周囲)に昼白色の間接照明を組み合わせた例。
「間接照明の器具はどこに取り付けてあるのだろう??」とよく見てみると、廻り縁を天井より低い位置に取り付けて、その上にテープライト!
「こんな施工の仕方もありなんだ!!」と大変勉強になった事例です。
リビングのTVボードが置いてある面の段差になった天井に、間接照明を組み込んだ例。
海外のお家って、この事例のように天井付近にガラリがついてるパターンをよく見かけるのだけど、通気口が必要なのかな?
壁側は間接照明、窓側はダクトレール+間接照明の明かりデザインになっています。
1個前の事例とよく似たパターンで、ダクトレール&スポットライトが黒になってるバージョン。
段差になった天井面の下部(TVボードの真上)にもダウンライトを2灯つけて、壁面を照らす間接照明に。
家具は、ちょっとおしゃれな家具屋さんに行けば、すぐに見つかりそうなデザインなので「照明器具の位置や間接照明を上手く取り入れた部屋にするとどこにでもありそうな家具も数倍おしゃれに見えるなぁ~」と感じました。
リビングダイニングの窓側の段差になった天井に電球色の間接照明を組み合わせた例。
自然光が入る窓の上に暖色系の光があるので温もりを感じる!!
「天井面がフラットで間接照明を仕込む場所がない」という場合は、カーテンBOXに仕込めば、似たような雰囲気になりそうな予感です。
リビングの天井の窓上部と暖炉上に暖色系の間接照明を組み合わせた例。
めちゃくちゃムーディー!
天井の真ん中付近のダウンライトからリビングテーブルの真上に向かって一直線にのびる光にも注目です。
リビングの天井中央に折り下げ天井を作り、電球色の間接照明を組み合わせた例。
折り下げ天井の側面は、ホワイトクロスではなく、木の色。
ちょっぴり和の雰囲気も感じる温かみのあるリビング事例です。
リビングの壁と天井の間にカーテンBOXのような隙間を作り、昼白色の間接照明を組み合わせた例。
天井はライトグレー、壁がベージュなので、とっても洗練された雰囲気!!
間接照明があることで、凸凹した壁が浮かび上がり、高級感もUPして見えます。
ソファ上部の天井を120cmほど前に張り出し、上部に電球色の間接照明を組み合わせた例。
ソファに座ると、目の前にあるTVに向かって明かりが伸びてる感じ?
リビングの中央には、シーリング照明もペンダント照明もなく、ソファ側のダウンライトと間接照明だけで明かりが構成してあります。
リビングの天井付近の壁を10cm程度出し、下部に照明器具を埋め込んだ例。
溝の天地逆バージョンみたいなデザイン。
30㎜角くらいのダークブラウンの木を格子のように使い、ちょっぴりレトロな印象も。