みなさんは家具をレイアウトする時、最初に何を考えますか?
- 人の通りやすさ?
- 部屋が広々と見える置き方?
家具を置いて部屋がゴチャゴチャしてしまった経験がある方は、改善する為にこれらを重視しますよね。
このサイトでも家具レイアウトの基本として、こちらのトピックを書いていて、基本に当てはまらない家具は捨てるという選択を推奨しています。
しかし、最近「広さを重視した一般的な家具のレイアウト法は、元々広い部屋や天井高がある程度ある部屋には当てはまらないのでは?」と実感しています。
というのも我が家のリビングダイニングは、約10畳。
リビングとダイニングをそれぞれの空間を分割して考えた際は、リビング側約4畳、ダイニング側約4畳、通路約2畳という具合に決して広くはないのですが、このLDが一つの間取り内にある(仕切り壁がない)ことと、天井高が2.55mあることで、かなり開放感を感じる造りになっています。
そこに、TVボード、リビングテーブル、ソファ、ダイニングテーブルセットという生活に最低限な家具のみ(収納家具は置かない)を置いているのですが、最低限の家具だけでは「居心地が悪いなぁ~。」「見た目も殺風景だな~。」と感じている今日この頃。
このしっくりこない理由が、「床面だけにとらわれて、高さ方向を全く生かし切れていないからではないか?」とつくづく思うのです。
海外の「素敵♪」「おしゃれ!!」と感じるリビングインテリアは、我が家のリビングダイニングよりも家具の点数が多いのに、ゴチャっとしてなくて、むしろスッキリ!!
この理由を探るべく、部屋の高さ方向を意識した家具レイアウトの手法を見て行きたいと思います。
8畳・天井高2.5m以上の部屋のおしゃれな家具レイアウト法-目次
1.シンメトリーとアンシンメトリーを考える
シンメトリー(対称)とアンシンメトリー(非対称)は、インテリアディスプレイに使われることが多い手法ですが、ソファやTVボードをレイアウトする時に意識すると、“グン”とセンスアップした部屋を演出できます。
TVボードやソファ周りが殺風景という方は、下の例を参考にインテリアアイテムを増やしてみましょう。
ソファ周り
シンメトリー
リビングの大きな窓を中心に左右対称に、1.8mほど高さがありそうな黒のフロアランプをレイアウトした例。
「ここに照明は要らないでしょ。」と思ってしまいますが、この照明があることで、スッキリとした印象がアップ。
ダイニング側についている黒のシャンデリアとのバランスも抜群です。
縦長窓が2個ある壁面を背にベージュの3Pソファをレイアウトし、両サイドに同じデザインのサイドテーブルとテーブルランプをシンメトリーにレイアウトした例。
壁の真ん中を中心に、端へ行くほど背が高くなるようにレイアウトしてあるのがポイント。
部屋の造りが元々シンメトリーで、それを上手く生かしてありますね。
窓の前に家具を置くのはNGかと思ってましたが、この事例を見た時「これもアリだな。」と感心してしまいました。
壁を背にグレーの2Pソファをレイアウトし、両サイドに同じデザインのサイドテーブル+テーブルランプをシンメトリーにレイアウトしたリビングの例。
天井高は2.8mくらい?
天井方向に漏れる光が壁面を照らし、奥行感を出す効果も。
1Pソファをプラスしたコの字レイアウトですが、リビングスペースに余裕がない場合は、壁面部だけを参考にしてもOK。
壁を背にダークグレーの2Pソファをレイアウトし、両サイドに同じデザインのサイドテーブル+テーブルランプをシンメトリーにレイアウトし、更にソファの背面にモダンアートをレイアウトしたリビングの例。
1個前の事例のプラスαバージョン。
こんな大きな額縁入りのアートが飾れるのは、ある程度天井高が確保できているから。
背の高い家具は圧迫感を生むので基本的に使わない方が良いですが、アートなら壁の高い位置にあっても圧迫感ゼロ。
アンシンメトリー
ソファの両サイドに均等な空間が作れない場合は、片側だけにプラスする方法も。
リビングダイニングが一つの空間になったLDの長手方向の壁に2Pソファをレイアウトし、ダイニングとの間にフロアランプをレイアウトした例。
フロアランプが、ダイニング空間とのゾーニングの役目も。
このような事例は、下の2.高さのバランスを考えるで、たくさん紹介しているので、そちらを参考に。
アンシンメトリー&シンメトリー混合
ベージュの3Pソファをリビングの壁面を背にレイアウトし、ソファの背もたれの上に、横長アートを中心にして、縦長アートを左右に飾った例。
ソファの背面の壁はシンメトリーレイアウトですが、ソファの左右に置いてあるフロア照明とサイドテーブルのレイアウトは、アンシンメトリー。
全部が揃ってると、まるで応接間のような息苦しさを感じてしまいますが、崩してあるので安らぎを感じます。
幅2.5mほどの壁面を背に2Pソファをレイアウトし、両サイドにサイドテーブル+テーブルランプをシンメトリーに置き、ソファの背もたれの上に同じ大きさのアートを2枚飾った例。
「このインテリアのどこがアンシンメトリーなの?」と思った方は、クッションに注目。
1個前の事例では、座面の左右に同じデザインのクッションがコーディネートしてありましたが、こちらは左右がデザイン違い。
「揃ってるようで揃ってない。」をわざと作ったインテリアです。
ブルーグレーの2Pソファを中心に、フロアランプ×2をシンメトリーにレイアウトし、ウォールシェルフ×2と鹿の飾りをアンシンメトリーにレイアウトした例。
3種類のクッションもシンメトリー。
シェルフのディスプレイは、アンシンメトリー。
暖色と寒色を上手に組み合わせたカラーコーディネートも参考に。
TVボード周り
シンメトリー
幅1.5m高さ90cmくらいの木製のTVボードの上に黒の液晶TVを乗せた例。
TVの周りに同じデザインのフレームに入れたアートを飾るアイデアが素敵!!
TVボード+TVの組み合わせは一般的ですが、その周りを飾るなんて考えたことなかった…。
壁から壁まである横長のTVボードと液晶TVを組み合わせ、TVの両サイドに額縁に入れたアートを飾った例。
TVを中心に左右の同じ位置にアートを飾る方法です。
壁面にアートを取り付けることができない賃貸や壁に穴を開けたくない方は、この方法だと問題なし!!
アンシンメトリー
フロアタイプのTVボードの上に黒の液晶TVを置き、上にワインレッドのウォールシェルフ×2、左にグレーのシェルフ×1をレイアウトした例。
グレーのシェルフは、デスクとして活用。
シンプルだけど、格好良い!!
液晶TVを壁掛けにして、TVの下部にホワイトのウォールシェルフを2本取り付けた例。
それぞれ、左の壁からと右の壁から取り付けてあるので、見た目がアンシンメトリー。
「TVは、TVボードの上に置くもの。」と思ってましたが、こんなレイアウトの仕方もあるんですね…。
幅2mくらいありそうなホワイトのフロアタイプのTVボードの中心に液晶TVをレイアウトし、TVの上部にダークブラウンのシェルフを1本取り付け、左側に縦長の収納家具を取り付けた例。
これは格好良い!
よく見ると、TVボードの上と左側の床に置いてあるフロアランプも同じデザインの高さ違いです。
茶色の木製TVボードの上に黒の液晶TVを置き、同じ面材の横長の収納家具をTVの左右に高さ違いで取り付けた例。
壁に飾られているアートやシェルフも長さや高さがバラバラなのにまとまって見える!!
壁面取り付けOKな住まいは、壁を活用して、こんなインテリアを作るのも面白そう♪
シンメトリー&アンシンメトリー混合
幅2mほどあるTVボードの中心に黒の液晶TVを置き、TVボードの空いたスペースの左側にテーブルランプ、右側に花瓶をレイアウトした例。
シンメトリーになってるのは、左右の壁面にある同じデザインのアート。
よく見ると、向かい合ってレイアウトしてあるソファ+クッションの組み合わせが、右側と左側で逆になってます。
ダークブラウンのTVボードと黒の液晶TVを組み合わせ、TV上部の壁面に同じデザインのアートを2枚飾り、TVボードの左右にテーブルランプと観葉植物を飾った例。
こういう事例を見た後に、自分ちのTV周りを見ると「何も置いてない。」と恥ずかしくなってくる…。
全く同じ絵を2枚横に並べて飾る発想が無かったので、このインテリアの作り方には目から鱗。
TVボードをリビングのコーナーに斜めにレイアウトし、左右の壁に大きさの違うアートを飾った例。
TVボードの左右にあるスピーカーはシンメトリー。
壁面のアートはアンシンメトリー。
揃える&揃えないのバランスは、難しそうな気もしますが、実際のインテリア事例を見ながらなら挑戦しやすいかも。
2.高さのバランスを考える
「遠くにあるものは小さく、近くに見えるものは大きく見える。」
目の特性を生かした家具レイアウトでは、手前に背の高い家具、奥に背の低い家具を置いて部屋の奥行き感を出すのが基本と言われています。
しかし、ある程度高さが揃った空間は、変わり映えがせず、飽きてしまうことも。
フロアランプやネストテーブル、観葉植物を使って、高さのバランスを活用したおしゃれなリビングインテリアを見てみましょう。
リビングのコーナーから少し隙間を開けてグリーンの3Pソファをレイアウトし、壁との間に黒のドット柄の可愛いフロアランプを置いた例。
このインテリア、エレガント♪
壁のアートの下端とソファの背もたれのちょうど真ん中にランプシェードが来るように計算してレイアウトしてあるところが憎い!!
リビングのコーナーに沿って、コーナーソファをレイアウトし、壁面に黒のフレームに入れた大きさの違うアートを4枚飾った例。
高さ違いの正方形リビングテーブルを2つ重ね気味にして長方形にしたり、ソファとキッチンカウンターの間に背の高いフロアランプをレイアウトしたりと、細かいところまでこだわったインテリアの作り方がおしゃれ過ぎる!
天井高が3mくらいありそうな縦長(?)の空間を存分に生かしたインテリア例です。
グレーの2Pソファを壁を背に向けてレイアウトし、上部の壁面にソファの幅よりも短いホワイトのウォールシェルフ2本取り付けた例。
ソファの中心ではなく、ソファの両端とシェルフの端を揃える取り付け方が素敵!!
物置としてではなく、飾り棚としてシェルフを活用した事例です。
グレーの2Pソファを壁を背に向けてレイアウトし、上部の壁面にソファの幅よりも小さめのアートを飾り、ソファの左右にフロアランプと観葉植物を飾った例。
アート、フロアランプ、観賞植物の高さはバラバラなのに、ゴチャっと見えない!!
対角線を強調したアートが、部屋の開放感を演出している気が…。
グレーの2Pソファの左右にサイドテーブル+観賞植物、シルバーのシンプルなフロアランプをコーディネートした例。
リビングテーブルもソファの中心ではなく、片側に寄せてレイアウト。
こういう事例を見てると「揃えるだけがおしゃれなインテリアを演出できる訳ではないんだなぁ…。」とつくづく感じます。
グレーのコーナーソファの向かって左側に背の高いフロアランプ、右側の壁面に正方形のアートを飾った例。
壁の中心に窓があり、シンメトリーレイアウトにできそうな部屋なのに、アンバランスにしてあるのは、ソファのデザインに合わせたからかな?
幅、高さ、奥行きの3方向で空間をとらえるのって難しそうですが、感覚を身に着ければコーディネートの幅が広がりそうです。
家具レイアウトの基本である“揃える”を無視した“敢えて揃えない”部屋は、高さ方向に目が行き、空間全体をフル活用できていて、部屋が開放的に見える気がしませんか?
ただし、今回紹介した事例は、8畳以上or天井高が2.5m以上ある部屋で有効。
何も置いていない状態の部屋を見た時に、床面だけでなく高さ方向も意識し、キッチリと揃える場所とわざと揃えない場所の棲み分けをキチンと考えることで、よりセンスのあるインテリアが作れるのではないでしょうか。