マンションなどによくあるリビングとダイニングが一体になった間取り。
これまで、「ダイニングとリビングが別々の部屋で過ごしてきた。」という方は、この広いスペースをどう活用すべきか悩んでしまうことも多いのでは?
実際、私が暮らしているマンションは、不動産屋さんの図面で見ると、LDK12畳。
今まで、キッチン、ダイニング、リビングが独立した家にしか住んだことがなかったので、この“12畳”という文字に惹かれてしまったのですが、実際は、キッチン部が3畳(2.4×1.9m)、リビングダイニングが9畳(2.5×5.35m)という間取りで、更にリビングダイニングを分割すると4畳半の部屋が2個。
家具を配置した後は「思っているより狭かった。」という印象でした。
つまり「数字が大きい=広い」という錯覚を起こしてしまっていたんですね。
そこで、このトピックでは、一般的によくある12畳のリビングダイニングで、どんなインテリアが作れるか検証していきたいと思います。
「正方形だ」または「正方形に近い」という方は下記のトピックを参考にして下さいね。
【12畳リビング】3つのレイアウトパターンとインテリア例-目次
1.12畳のリビングの考え方
1-1.12畳のリビングってどのくらいの広さなの?
12畳の部屋とは、単純に畳を12枚並べる事ができる部屋のことです。
畳2枚の大きさが1坪なので、坪数で言えば6坪。
柱間1個分を使った単位「間(けん)」を使うと2間×3間。
建築様式のモジュール(柱間寸法)によって、微妙に違ってきますが、畳1枚のサイズを900×1800mmと想定すると、2700×7200mの広さということになります。
1-2.それぞれのスペースを独立して考える
「この長細い部屋に家具をどうやって置く?」
悩んでしまった場合は、
「12畳は、上の図のような6畳の部屋が2つある。」
と考えて、それぞれの部屋をダイニング、リビングに分けて考えると家具の配置がしやすくなります。
1-3.12畳のリビングに置ける家具のサイズは?
ソファをいきなり買う前に、知っておきたいスペース
リビング側
一人分のスペース:幅60~80cm
- 2人掛けソファ:幅120~160cm
- 3人掛けソファ:幅180~240cm
一人分の座るスペースに余裕があればあるほどくつろぎ感はアップしますが、ひじ掛けの有無でも変わってきます。
それでは、少し余裕のある大きめのソファをさっきのリビングダイニングの上に置いてみましょう。
まずは2人掛けソファ(180×90cm)を置いた場合。
次に3人掛けソファ(225×90cm)を置いた場合。
3人掛けソファを2700mmの方向に置いた場合、図では左右の余りスペースがたくさんあるように見えますが、実際は22.5cmずつしか残っていません。
I字ソファの場合は、ソファの幅と余りスペース(通路幅)に気をつけながら、サイズを考えるようにしましょう。
- コーナーソファ
L型に曲がっているコーナーソファは「大きい」というイメージがありますが、実際、部屋に置いてみると2人掛けソファのようにコンパクトで省スペース。
さらにコーナーに置けば、余りの空間がたくさん出来るので、部屋を広々と見せることができます。
ダイニング側
一人分のスペース:幅60~70cm、奥行35~40cm
ダイニングチェアを後ろに引くスペースも考慮したテーブル周りに必要な寸法は
- 4人掛け:255×230cm
- 5人掛け:320×230cm
- 6人掛け:320×230cm
※5人掛けは、6人掛けの椅子を1脚減らしたレイアウトで計算。
12畳リビングに置いた場合の図は、下のようになります。
※長方形ダイニングテーブルは、壁にピタッとくっつければ、90度回転させたバージョンも可。
リビング、ダイニングどちらの場合も、お互いの領域に多少家具がはみ出しても大丈夫です。
ただし、収納キャビネット・チェスト・食器棚などの他の家具のサイズとの兼ね合いや家具の周りに人が通れるスペース(最低でも45~60cm)があるかも確認しておきましょう。
2.12畳リビング3つのレイアウトパターン
1.12畳のリビングの考え方で紹介した通り、12畳リビングは、6畳のリビングと6畳のダイニングの2部屋を一つにしたものです。
しかしながら「四方を壁に囲まれた6畳のリビング」と「四方を壁に囲まれた6畳のダイニング」が、ひとつの家の中にあるのとは違い、家具のレイアウト次第で「12畳の空間を全部同じ空間に見せる」「見えない境界線を使って、それぞれの空間を独立させる」など、生活サイクル、家族構成、年齢に応じた使い方ができます。
以下に紹介する3つのパターンを参考に、ライフスタイルに合うものを考えて行きましょう。
※12畳以上の部屋の写真も混じっています。
2-1.独立型
「食べる」と「くつろぐ」を完全に分けるのがこのパターン。
- 家族で集まって食事をする機会が少ない
- 娯楽に没頭したい
など、どちらかと言えば、家族個々の生活サイクルを重視したい方向けのレイアウトです。
リビングダイニングの中央にコーナーソファをレイアウトして、背後に6人掛けダイニングテーブルを置いた例。
くつろいでる時にダイニングが全く目に入らないレイアウトですが、リビング側、ダイニング側ともに、家具や壁を茶色とグレーに統一して一体感が演出してあります。
リビング空間を囲むようにコーナーソファをレイアウトし、背面に6人掛けダイニングテーブルをレイアウトした例。
リビングとダイニングの間に目に見えない壁が存在。
ソファの背もたれを上手に活用して境界を作った事例です。
リビングの中央にコーナーソファをレイアウトして背後に、ベンチ+チェア×2の4人掛けダイニングテーブルを置いた例。
1個前の事例と似てますが、ソファの両サイドとダイニングテーブルの端の空間が均等に空いているのでスッキリとした印象です。
このレイアウトの仕方は、縦長リビングで真似すると良さそう。
リビングの中央に3Pソファをレイアウトして背後に、6人掛けダイニングテーブルを置いた例①。
12畳リビングにこの事例と同じ家具を置いた場合、左右のスペースはこれほど残りません。
「素敵だな。」と感じたレイアウトでも、実際に住んでいる部屋の寸法を測って検証するのを忘れないようにしましょう。
リビングの中央に3Pソファをレイアウトして背後に、6人掛けダイニングテーブルを置いた例②。
ブルー&イエローのアクセントカラーの使い方が素敵!
リビングエリアの床面を全部覆う大きなラグではなく、リビングテーブルの下だけのミニラグなので、床面がたっぷりと見え、広々とした印象も。
2PソファをL字にレイアウトしてダイニングとの境界を作り、ダイニング側に4人掛けテーブルを置いた例。
12畳リビングにソファを2セット置くのは無理。
奥側にあるソファをチェアにチェンジすれば、似たようなインテリアは作れます。
このレイアウトのポイントは「くつろいでいる時に、視界にダイニングスペースを入れないようにソファを配置すること。」です。
リビングとダイニングを完全に切り離したくない場合は、下の例のように、ソファの位置から斜め方向にラウンド型のダイニングテーブルを配置して境界線を曖昧にすると良いです。
2-2.一体型
「食べる」と「くつろぐ」が臨機応変に対応でき、12畳の広さを生かせるのが、このパターン。
- 家族で集まって食事をしたい
- 家族で娯楽を楽しみたい
- 食事をしながらTVを見たい
- 視界に子供たちを入れておきたい
など、どちらかと言えば、家族団らんを重視したい方向けのレイアウトです。
ソファからダイニングが見えるようにリビングの壁面に沿ってコーナーソファをレイアウトした例。
独立型とは違い、広々と見えます!!
コーナーソファは大きいというイメージから「ソファ選びの選択肢にない。」という方も、一度検討してみる価値はあるかも!!
というのも、背もたれが1面しかないI型ソファよりも、2面に沿ってあるコーナーソファの方が、床面の広さが強調される気がするんですよね。
ただし「リビングが長細い」という場合は、1個下の事例のように長さを生かす方が良いです。
縦長リビングの壁を背に3Pソファをレイアウトし、4人掛けダイニングテーブルが視界に入るように配置した例。
長細い部屋の場合は、コーナーソファより、I字ソファの方が広さが強調されます。
キッチンの入口(写真、右奥)からリビングに向かって、同じスペースの空き空間(写真、右側)があるので、スッキリとした印象です。
横長リビングの長手方向の壁を背にソファをレイアウトし、4人掛けダイニングテーブルが視界に入るように配置した例。
こういう間取りの場合、景色が見える窓の方に向かってソファを置きがちですが、これは逆。
写真では切れてしまってますが、写真の右側に壁掛けのTVがあります。
リビングの壁を背にソファをレイアウトし、4人掛けダイニングテーブルが視界に入るように配置した例。
ここまで紹介した2つの事例とは異なり、ソファとダイニングのラインが揃えてないので、ソファに座った時、ダイニングが丸見え。
ダイニング側にいる人とリビング側にいる人の会話が成り立ちやすい、団らん重視のレイアウトです。
※写真の左手前にソファが置いてあります。
リビングの壁を背に2Pソファをレイアウトし、ベンチ+チェア×2の4人掛けダイニングテーブルが視界に入るように配置した例。
12畳より狭いかな?
ダイニングチェアを片方ベンチにすることで、ダイニング全体に必要なスペースをカット。
更に、テーブルの下にしまえるサイズのベンチにすることで、リビング側を広く取る工夫がしてあります。
2-3.境界無型
「食べる」と「くつろぐ」の境界線を全く作らず、12畳の広さを最大限に生かせるのが、このパターン。
- 床スペースに余裕ができる
- 広々と見える
など、新発想のレイアウトです。
木製のヴィンテージ風の長方形ダイニングテーブルにホワイトの木製チェアを組み合わせた4人掛けダイニング+ピンクの3Pソファのコーディネート。
木製のヴィンテージ風の長方形ダイニングテーブルにファブリックチェアを組み合わせた4人掛けダイニング+ダークグリーンの2Pソファのコーディネート。
グレーの長方形ダイニングテーブルにライトグレー×黒のチェアを組み合わせた6人掛けダイニング+ヴィヴィッドピンクの3Pソファのコーディネート。
木製の長方形ダイニングテーブルに黒のレザーチェアを組み合わせた4人掛けダイニング+茶色のレザー製3Pソファのコーディネート。
木製のオーバル型ダイニングテーブルにファブリックチェア+ソファを組み合わせた4人掛けダイニング+グレーの3Pソファのコーディネート。
黒の長方形ダイニングテーブルに、ホワイトと茶色の木製チェアを組み合わせた4人掛けダイニング+ベージュの3Pソファのコーディネート。
どの事例も「この部屋はダイニング?」と錯覚しそうなくらいダイニングテーブルがメインになっています。
また、このレイアウトは、リビング空間にテーブルを置かないパターンとも違い、空間全体の一体感が感じられ、家具周囲の空きスペースもたっぷり♪
12畳くらいの広さなら、このレイアウトをしても「スペースが余ってるという感覚になりにくいのでは?」と思います。