「壁に黒い壁紙クロスを貼ってみたい。」
そう考えている方はいらっしゃいませんか?
高級・リッチ・格好良い・重厚などインテリアをイメージアップするのに相応しい黒は、木やレザーとも相性が良く、どんな色にも合うので「壁に色つけるなら?」と聞かれて、真っ先に「黒。」と答える方も多いでしょう。
我が家もこちらのお部屋の天井の色を考えた時、真っ先に思い浮かんだのが黒でした。
しかしながら、黒は、色の中で最も重さを感じる色でもあるんですね。
(この理由から、先ほどの天井はネイビー系に決定。 仕上がりはこちら)
その為、黒の壁紙クロスを「どこに」「どの程度(面積や割合)」使うかでお部屋の雰囲気はガラリと変化します。
もっとも効果的な黒い壁紙クロスの貼り位置を筆頭に、8パターンの貼り方と30個の事例を紹介しますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
黒い壁紙の効果的な貼り方とインテリア例-目次
1.黒い壁紙の貼り位置&面積と受ける印象
「黒い壁紙を使いたい。」
こう思って、部屋の全部に貼ることを考える方は、まずいないでしょう。
リビングのTVボードの後ろだったり、窓のある面の壁だったりとお部屋を見渡して「ここだ」という場所があるはず。
黒い壁紙クロスを貼った壁を見る位置によっても受ける印象は違ってきますが、白い壁を残しつつ黒い壁と対比させた場合、黒い壁は遠くに見える(後退・収縮)という特徴があります。
以下は、同じ部屋で壁・天井が白い場合と一部が黒い場合の5つの比較です。
正面の壁は、黒(右)の方が遠くに見える。
右の壁は、黒(右)の方が右側に見える。
天井は白よりも黒の方が圧迫感が出る。
(白い天井は見た目に10cm高く見え、暗い天井は20cm低く見えるとも言われていますが、落ち着きや高級感などを演出したい場合にはおすすめです)
また天井と壁の2面を黒い壁紙にする場合は、天井が白い時と比べると黒の面積が増えるので圧迫感が増します。
※間取りや窓の位置、他の色の使い方、環境などによって見え方は違ってくるので、この限りではありません。
2.黒い壁紙クロス7つの貼り方とインテリア例
2-1.壁の一部
同じ面にある壁の一部だけを黒くする方法です。
吹き抜け風になった三角屋根のリビングの短い方の壁を黒にした例。
2階部分が少し飛びててるので、壁の出っ張りまでを黒に。
「同じ面の壁に白と黒が混じってるのは変なのでは?」と思いがちですが、思ったほど違和感が無いですね。
この事例を参考に、仕事部屋の白い壁紙に黒の黒板塗料を塗ってみました。
リビングの壁に埋め込み型の床から天井まであるホワイトの収納家具を設置し、隣の壁を黒にした例。
家具と壁で白×黒を作った例ですが、黒い壁の前に、床から天井まである白い収納家具を設置することで、似たようなインテリアが作れます。
梁の下
リビングの梁のある短い方の壁の梁下だけを黒い壁紙にした例。
天井に梁が出っ張てるマンションで真似ると良さそうな事例。
黒い壁をキャンバスに、立体的な世界地図を貼るアイデアも参考にしたいです。
リビングダイニングがひとつながりになったリビングのソファ背面の壁だけを黒にした例。
反対側の壁は、格好良いホワイトレンガ!
「長く伸びる梁の下を全部」ではなく、一部だけ黒にするアイデアに目から鱗です。
2-2.壁の一面
短い方の壁
リビングの短い方の壁に黒のTVボードと壁掛け液晶TVをレイアウトし、背面の壁を真っ黒にした例。
壁が奥まって見える!
TVの黒を目立たせたく無い場合にも参考にできそうな事例です。
長方形ダイニングの短い方の壁を1面だけ黒にした例。
コーナーにL型にソファを置き、オープン側にチェアを2つレイアウトしたソファダイニング。
カフェっぽい雰囲気のダイニングが羨ましいですが、コーナー付近に座った人は出入りがしにくいのが難点。
長細いリビングの短い方の壁を1面だけ黒にした例。
奥の壁がグンと向こうに見えて広々とした印象。
長い方の壁が両方とも窓になってるので余計にそう感じるのかな?
長細いリビングダイニングのリビング側の短い方の壁を黒にした例。
1個前の事例とよく似た部屋ですが、こちらは天井が斜めになってるバージョン。
一瞬TVがあるのがわからないくらい壁と同化しています。
寝室の短い方の壁を黒くして、ベッドを平行に並べた例。
壁面が黒いと心が落ち着きそう!
ベッドカバーや壁面のアートには明るく元気なオレンジをコーディネートして、部屋全体が暗く見えないようにする工夫がしてあります。
長い方の壁
長方形リビングの長い方の壁を一面だけ黒にした例。
暖炉がある側の壁を黒くした事例ですが、この部分にTVボード&TVを置く場合にも参考にできそう!
右側のダイニング方向から見た時は「短い方の壁」というとらえ方も出来ますね。
長方形リビングの長い方の壁を黒にして黒のTVボードと壁掛けTVをコーディネートした例。
TVの後ろが黒だとしっかり画面に集中できそう!
映画鑑賞や海外ドラマ観賞が好きな方が参考にすると良さそうな事例です。
長方形リビングダイニングの長い方の壁を黒にして、黒い壁を背にソファをレイアウトした例。
1個前の事例の壁とソファのレイアウトが逆。
壁を黒くした場合は、この事例のように光(照明)の陰影を使ってムーディーな雰囲気を出すのもアリですね。
長方形リビングの長い方の壁を黒にして、ベージュのソファをくっつけた例。
このリビング落ち着く!
ソファに座ってる時は黒が目に入らないので、目への影響はあまりないかも。
長方形リビングの腰窓がある長い方の壁を黒にして、グレーのソファをくっつけた例。
外が見える窓の周りの壁は白い方が開放的になると思ってましたが、周りが暗いと景色が強調されますね。
「窓周りの壁を黒。」コーディネートの1つの案として頭にインプットしておきたいと思います。
2-3.壁の二面
2面が通路スペースになったオープンダイニングの2つの壁を黒にした例。
高級感たっぷり!
長方形で、間仕切りがほとんど無いダイニングなので「黒に囲まれている」という雰囲気もゼロです。
三角屋根のダイニングスペースの2面の壁を黒にした例。
ダイニングの右側にあるのはリビングで、ダイニングの手前は通路スペース。
どちらの事例も、部屋の一辺がオープンになった(つまり3つの壁、または2つの壁に囲まれた)間取りなので、4つのが壁で仕切られている間取りでは参考にしにくいかも。
ドアや壁が無い開放感のある部屋で参考にしてみて下さいね。
2-4.壁の三面
長細いリビングダイニングの短い壁2面と窓側の長い壁1面の3つを黒にした例。
窓がたくさんある部屋なので、暗い雰囲気はゼロ。
写真では見切れてますが、白いダイニングチェアの後ろにある壁も真っ黒です。
リビングダイニングがひとつながりになった長方形の部屋の短い壁2面と窓側の長い壁1面の3つを黒にした例。
重厚感があってエレガントな雰囲気。
ソファの対面にあるチェアの後ろにダイニングスペースがあり、ダイニングの壁も黒にしてあります。
広々としたダイニングの3つの壁を真っ黒にした例。
短い方の壁に飾ったNYのアートが一瞬本物の景色に見えました…。
黒い壁で囲まれた閉鎖的な空間を開放的に見せる視覚効果の使い方に脱帽です。
2-5.壁の4面
リビングのコーナーに格好良い黒のレザー製コーナーソファを置き、周囲の壁を全部黒にした例。
全周黒にする場合は、家具やインテリアを高級にすると雰囲気UP!!
軽い気持ちで壁を全部黒にしてしまうとカラーコーディネートや家具選定に悩んでしまいそうなので、黒の壁は少ない方が良いかも。
リビングの4面の壁を真っ黒にして、ヨーロピアンテイストの家具やソファをコーディネートした例。
リビングへ繋がる部屋が大きな開口のみ(ドア無)の間取りなので、短い方の壁の黒い面積は少なめ。
(反対側から見た風景は下の写真)
こういう特殊な間取りでない限り、全周真っ黒にするのは、おすすめできません。
2-6.天井
リビングの天井を真っ黒にした例。
頭上にノシっと天井があるような雰囲気。
床も黒なので、上下からグシャっと押しつぶしたような部屋に見えます。
天井のみを黒にした12畳ほどのリビング例。
広いリビングなのに、天井が低く見え、横長に見える気が…。
梁のあるリビングの天井を黒にした例。
1個前の事例と同じくらいの天井高のリビングなのに、天井が高く見えるのは梁があるから?
天井を黒くすることで折り上げ天井のような雰囲気に!
2-7.天井と壁の一面
天井とソファ背面の壁を黒にしたホームシアターの例。
天井高が低く見える分、ソファを足無し(フロアタイプ)にして、壁面を多く見せる家具チョイスの仕方は「どうしても天井を黒くしたい。」という場合に参考にすると良さそう。
2-8.部屋全部
壁と天井を全て黒にしたリビング例。
天井高が2.5m以上ありそうなリビングな上に壁面以外に家具が置いていないので広々とした印象。
開口部もリビングが暗くならないように、光がたっぷりと入る大きな間仕切りにしてあります。
天井と壁を真っ黒にしたダイニングの例。
シャンデリアやガラステーブルが似合う高級なダイニング!
壁に縦長の鏡を3つ並べて、閉鎖的な印象を緩和するアイデアがとても参考になります。
天井・壁・ラグ(カーペット)を全て黒にしたホームシアターの例。
映画を見るのに最適な色使い。
リビングで真似ると圧迫感があり、窮屈な印象がしてしまうかも。
天井・壁・キッチン扉が全て黒のキッチン例。
まるで高級バーみたい。
広いキッチンで真似るのはOKですが、狭いキッチンで真似ると圧迫感が出てしまいそう。
黒い壁紙は、貼る場所や面積によってお部屋の印象が違って見えてくるのが伝わったでしょうか。
冒頭で紹介したこちらの部屋。
「天井を黒に」と言い出したのは主人です。
確かに、天井を黒にすると格好良い雰囲気に出来そうなな気がしたのですが、いくら広い&天窓がある部屋とは言え「黒い天井は低く見える」の懸念がぬぐえなかった私。
結局、暗い色ではあるけれど、青を基調としたデニム系に決定。
真っ黒な天井の圧迫感は回避できたかな?