対面キッチンの前に横に広がるリビングダイニング。
この間取りのことを「横長リビング」「横長リビングダイニング」と呼びます。
横長リビングは、長い方の壁に沿って、大きな掃き出し窓がついており採光が良いのに加え、部屋の奥行きが短い為、光が奥まで届きやすく全体的に明るいのが特徴で、マンションによく見られる間取りです。
この明るさに惹かれ、横長リビングにしたは良いけれど、いざ家具を置こうとすると「リビングとダイニングに分ける?」それとも「一体感のあるレイアウトにする?」と迷ってしまいがち。
まずは「リビングダイニングをどのように使うのか?」を考えながら、生活サイクルに合った家具レイアウトを考えていきましょう。
横長リビングダイニングレイアウト&インテリア例-目次
1.リビングダイニングを“別”と考えて家具をレイアウトする
1-1.リビングダイニング分離レイアウトのメリット
ひとつながりになったリビングダイニングをそれぞれ別の空間ととらえて家具をレイアウトすると、「食べる」と「くつろぐ」をしっかりと分けることができるので生活にメリハリが生まれます。
リビングとダイニングを分ける家具レイアウトの方法には
- ソファの背もたれを活用して視覚的に分離する
- パーテーションや家具を用いて物理的に分離する
の2つの方法があります。
1-2.リビングダイニング分離レイアウトのレイアウト&インテリア例
1-2-1.一般的なレイアウト
ソファをダイニングスペースに背を向けた状態でレイアウトし、ダイニングスペースに周囲の通路スペースが均等になるようにダイニングテーブルを置く方法です。
ソファの背もたれをダイニング側に向けることで、リビングとダイニングをしっかりと視覚的に分離。
ソファに座った際、くつろぎ空間しか目に入らないので心身ともにリラックスできます。
ダイニングテーブルの上が「食器の片付けは後回し」状態でも、リビングからは見えないのでソワソワしない!?
コーナーソファの背もたれをダイニング側に向けることで、リビングとダイニングを分離した例。
リビング、ダイニング、それぞれのスペースがキチンと独立して見えます。
1-2-2.ダイニングテーブルを壁にくっつけて通路スペースを広く取り家事スペース&家具スペースを確保したレイアウト
ダイニングテーブルを壁や対面カウンター(腰壁)に寄せてレイアウトすることで、収納家具スペースや家事スペースを作る方法です。
ここで言う、家事スペースとは、
- 取り込んだ洗濯物をバサっと置いたり、たたんだりする場所
- 大量の買い物を広げる場所
など、フレキシブルに使えるスペースのことです。
ダイニングを背にソファをレイアウトし、ソファ背面にダイニング側から収納できるオープン棚を設置した例。
ダイニングテーブルを、リビング側&窓寄りにレイアウトし、対面カウンターにカウンター用スツール、短手の壁面に腰の高さまでの収納家具を設置した例。
1-2-3.仕切りを設けてリビングダイニングを分離する
- 上記で紹介したレイアウトを更に視覚的に分離したい場合
- 窓や配線の関係上、ダイニングに背を向けてソファをレイアウト出来ない場合
は、家具やパーテーションを使って仕切りを作るのもアリです。
リビングとダイニングの間に床から天井まであるオープン棚を使って、仕切り兼収納にした例。
使用家具は、IKEAのEXPEDIT(現行品はKALLAX)。
ダイニングに背を向けたソファの後ろにダークブラウンの柱を10本立てて、目隠しを作った例。
DIYが得意な方なら、ラブリコやディアウォールを使って、床と天井に穴を開けることなく、似たようなパーテーションを作ることができるかも。
リビングとダイニングの間に腰までの高さの収納家具をレイアウトした例。
フラット扉のホワイトの家具なので、本物の壁のようにも見える!
お互いの空間を見えなくする「目隠し」ではありませんが、リビングとダイニングが完全に別々の部屋に見えます。
2.リビングダイニングを1つの空間として家具をレイアウトする
2-1.リビングダイニング同一空間レイアウトのメリット
ひとつながりになったリビングダイニングをひとつの部屋ととらえて家具をレイアウトすると、広々とした印象になります。
食事時間が異なる家族間での団らん、TVを見ながらの食事、食後のごろ寝など、くつろぎ重視のリビングダイニングを作りたい方におすすめです。
また、家具のレイアウトの仕方によっては、リビングテーブルやTVボード無し(リビングとダイニングで兼用)も可能なので、家具点数を減らすことができ、コストの軽減にも。
2-2.リビングダイニング同一空間レイアウト&インテリア例
リビングダイニング同一空間レイアウトの鍵となるのは、ソファの置き方です。
“ソファに座った時、ダイニング空間が視界に入るように”を基本に家具をレイアウトしましょう。
2-1-1.ソファを短手の壁を背にレイアウト
ソファが壁際にあることで中央に広いスペースができ、広々とした印象です。
ソファに壁を占領されると収納家具を置く場所が減少しますが、ソファ上の壁面にシェルフを取り付け、本棚として活用すれば収納量UP。
オーシャンビューの開放感とリビングダイニングの広々とした雰囲気が一体となって居心地が良さそう。
横幅が狭い横長リビングやリビング側に壁面が少ない間取りにおすすめのレイアウト
「TVはリビングにあるもの。」
そう思っていませんか?
横長リビングの場合、長い方の壁のうち、一方は窓、もう一方は他の部屋の入口という間取りになっていることも。
この時、唯一の壁面にソファをレイアウトしてしまうと「TVの置き場所に困る」となってしまうのですが、「リビングダイニング同一空間」の利点を活用し、ダイニング側の壁面にTVをレイアウトする方法があります。
この場合、ソファから遠い位置にTVが来るので、見えやすいTV画面の高さや大きさに配慮するようにしましょう。
上記のような壁掛けTVをつける場合のポイントは下記のトピックを参考に。
2-1-2.ソファを長手の壁を背にレイアウト
ソファを長手の壁を背にレイアウトすると、ソファに座った時常に窓側を向いている状態になるので、開放感がUPします。
外の景色を感じながら、くつろぎタイムを過ごしたい方におすすめのレイアウトです。
2-1-3.ソファを窓を背にレイアウト
ソファを窓を背にレイアウトすると、外の景色を遮ってしまうので勿体無いような気もします。
しかしながら、このレイアウトは、ソファとキッチンが対角線になるので、キッチンで作業している人とリビングのソファでくつろいでいる人が会話をするのに最適です。
窓を背にコーナーソファ、4人掛けダイニングテーブルはソファと直角にレイアウトした北欧横長リビングの例。
窓を背にI字ソファ、ダイニングスペースに正方形の4人掛けダイニングテーブルをレイアウトした例。
2-1-4.対面キッチンの前にソファをレイアウト
間取り図や家具を置いてない状態の横長リビングを見ると、誰もが「対面キッチンの前はダイニングスペース」と思ってしまいがちですが、対面キッチンの前にソファを置くレイアウトもあります。
このレイアウトのメリットは、キッチンからダイニングへの移動が直線(斜め移動)ということ。
対面キッチンの前がダイニングの場合、キッチンとダイニング間の移動には“回り込む”という動作が発生しますが、斜め前方にダイニングが来る「対面キッチンの前にソファをレイアウト」の場合は、キッチンとダイニング間の移動がスムーズです。
キッチン側(この事例の場合は対面式ではありませんが、対面式と想定)の短手の壁を背にソファをレイアウトし、ソファの対角線上に2人掛けダイニングをレイアウトした例。
対面キッチンの腰壁を背にソファをレイアウトした例。
対面キッチンの腰壁と短手の壁を背にコーナーソファをレイアウトし、隣にダイニングスペースを作った例。
冷蔵庫までの移動もこのレイアウトの方がスムーズそうに見えます。
I型キッチンの前の腰壁の幅はキッチン幅+10~15cmなので、2.5mくらい。
I字ソファを置くには、ちょうど良い幅の壁です。
横長リビングの家具レイアウトを2パターン、7種類紹介しましたが、家具を買う前にレイアウトを考えておくことは、とっても大事です。
また家具選定には、部屋の大きさ以外にも目に見えない数字を考慮する必要があります。
「【永久保存版】家具の大きさ選びに役立つ!日常生活に必要なスペースを知っておこう」に、リビングダイニングに必要な最低限の数字を掲載していますので、参考にしてみて下さいね。