インテリアを確実にセンスアップさせる方法に有名なデザインの家具を使うという方法があります。
ミッド・センチュリー・モダンの巨匠=チャールズ・イームズ、モダン建築の巨匠=ル・コルビジェなど、世界には有名な建築可家がデザインした長年愛され続けている数々の家具がありますよね?
(2人のデザインした家具を知らないという方は、下記のトピックを参考に。)
建築一家なので、ついつい建築家出身の家具に憧れを抱いてしまうのですが、人生で一番最初に認識したデザイナーズ家具はエッグチェアでした。
当時は、デザイナーズ家具という言葉すら知りませんでしたが、コロンと丸い一人掛けチェアを目にしたときは「イタリアチックで、宇宙っぽいなぁ~。」と感じたのを記憶しています。
あれから数年、秘密基地など狭いスペースが大好きな私は、リビングにこの椅子を置くだけで、「自分だけのテリトリーが出来るのでは?」と思っていて、例えば、“家族がこのチェアに座って何かに集中している私を見かけた時は、話かけない”などの暗黙ルールを形成できる気がしています。
とは言え、正規品で1台約75万円~する高級家具。
しかも、座面の材質やカラーバリエーションは「同じ色でも、これとこれは何が違うの?」というくらい種類が豊富。
IKEAに行って、一目惚れで家具を衝動するのとはわけが違います。
今のリビングカラーに合うのは、どの材質でどの色?
レイアウトするならどんな風に?
よくよく考えてから買う必要があると思うんですね。
そこで、今回は、エッグチェアを買う(置く)前に、インテリア作りのヒントとなる事例を紹介していこうと思います。
エッグチェアコーディネート事例ー目次
1.エッグチェアってどんな椅子?
デザイナーとデザイン背景
エッグチェアをデザインした人物は、デンマークの建築家アルネ・ヤコブセンです。
アルネ・ヤコブセンは、1956年、デンマーク コペンハーゲンのSASロイヤルホテル(現ラディソンブルーロイヤルホテル)の設計・インテリアデザインに携わった際、家具会社Fritz Hansen(フリッツハンセン 1872年設立)とコラボレーションして、このホテルの為のチェアをいくつかデザインしました。
エッグチェアは、その中の一つで、現在でもロビーのくつろぎ椅子やロイヤルスイートのティースペースの椅子として活躍しています。
サイズと重さ
エッグチェアのサイズは、幅86cm、奥行き79cm(リクライニング時95cm)、背もたれの高さ107cm(SH37cm)。
畳半分くらいのスペースに置けるパーソナルチェアです。
ちなみにフットスツールのサイズは、幅56cm、奥行き40cmなので、セットで置く場合は、約1畳分のスペースが必要になります。
どこで買えるの?
エッグチェアの正規品は、Fritz Hansen(フリッツハンセン)社が販売しており、正式名称は、EGG™。
日本公式サイトもありますが、ベーシック×1、クラシック×5、COMFORT×45、DIVINA×56、DIVINA MELANGE×24、エレガンスレザー×4、FAME×22、HALLINGDAL×58、HOT×21、ナチュラルレザー×1、オプティカルホワイトレザー×1、ラスティックレザー×1、スチールカット×36、スチールカットトリオ×46、TONUS×21、ホワイトレザー×1、MILANI×12、DIABLO×16、DIVINA MD×27、CANVAS×28、センスレザー×2といった具合に仕上げとカラーの組み合わせが全428種類もあるので、どれにするか迷ってしまいます。
2.魅力的なエッグチェアのコーディネート例
では実際にどんな素材&カラーのエッグチェアをどうレイアウトすればおしゃれに見えるのか?
具体的なコーディネート例を見ていきましょう。
2-1.エッグチェア1台のみのコーディネート例
窓際に丸太っぽいサイドテーブルと赤のファブリック製のエッグチェアをレイアウトしたリビングの例。
部屋のコーナーを上手に使ったコーディネートの仕方がおしゃれ♪
コーナー部ってデッドスペースになりがちですが、アートやデザイン性の高いオープン棚と組み合わせると、こんなに見栄えのする空間になるんですね。
リビングの窓際のコーナースペースにクリーム色のレザー製のエッグチェアをコーディネートした例。
1個前の事例と同じく部屋の隅を使ってありますが、チェアの背面からフロア照明の長い首をチェアの上に向けたワンランク上のインテリア例です。
ホワイトのデスクを室内に向けてレイアウトした仕事部屋に黒のエッグチェアをコーディネートした例。
接客用ではなく、自分用かな?
考え事をする時に座ると良いアイデアが浮かびそうな予感!!
壁に向かってデスクをレイアウトし、デスクチェアの後ろにヴィンテージっぽいエッグチェアをコーディネートした例。
エッグチェアの背面に格好良いフロア照明がレイアウトしてあるので読書用かな?
この仕事部屋は、デスク用チェアもデザイナーズ家具です。(Eames Aluminum Lounge Chair by Herman Miller)
1個前の仕事部屋と同じようなレイアウトで、デスク用チェアとエッグチェアを茶色にした例。
このカラーコーディネート、落ち着きがあって素敵!!
この配色なら、室内でON/OFFの頭の切り替えが上手くできそうな予感です。
2-2.エッグチェア2台のコーディネート例
掃き出し窓に向かってライトグレーのエッグチェアを2セット、ハの字にレイアウトし、真ん中に黄色のミニテーブルをコーディネートした例。
リビングの一角かな?
こんなくつろぎスペースがあったら、毎晩ここでお酒を飲んでしまうかも!
特別感のある場所、憧れます!!
リビングとダイニングが同じ空間にある広いLDの通路スペースにカウハイドラグを敷いて、グリーンのエッグチェアを2セット対面式にレイアウトした例。
リビングとダイニングの間に2人用スペースを作る発想は無かった!!
ソファの背もたれとダイニングの間が2m以上離れている住まいなら、こんなレイアウトも可能ですね。
縦長窓の前にアイボリーのエッグチェアを1脚ずつ置いた例。
壁面を中心にシンメトリーにエッグチェアがそびえ立つ姿(?)が格好良い!!
イエロー×ブルーのカラーコーディネートも参考になりますね。
長手の壁に向かってデスクをレイアウトし、反対側の壁にパープルのエッグチェアを2セット、フットスツールを挟んでレイアウトした例。
こんな仕事部屋で作業したい!!
このセットだけでお値段約200万円…。
黒っぽいエッグチェアをハの字にレイアウトし、間に黒のサイドテーブルをレイアウトしたリビングの例。
暖炉を中心としたシンメトリーデザインが格好良い!!
読書好きなカップルに似合いそうなインテリアです。
部屋のコーナーにダークグレーのエッグチェアを2セット置いて、間にキノコっぽいデザインのサイドテーブルをコーディネートした例。
1個目の項目で部屋の隅にエッグチェアをレイアウトした事例を紹介しましたが、両方の壁面に余裕があれば、2台置きという手もあるんですね…。
この部屋は、リビングではなく、子供の遊び専用の部屋だそう。何て贅沢っ!!
2-3.エッグチェア1台+ソファのコーディネート例
グレーのソファの前に赤紫のエッグチェアとホワイトのファブリック製スツールをコーディネートしたリビングの例。
このインテリア、エレガント!!
エッグチェアって、どちらかと言えばカジュアルなインテリアに合う気がしていたのですが、シルバーやガラス素材とも相性が良いんですね。
茶色のコーナーソファの対角線上にオレンジ色のエッグチェアとオレンジ色のフットスツールをコーディネートした例。
茶色とオレンジの対比が素敵!!
「茶色のソファは、もっさりした印象がするので敢えて選ばない。」と言う方も、オレンジや黄色のエッグチェアと組み合わせることを想定すると、「茶色のソファが一番良いかも。」となるかも…。
ライトグレーのコーナーソファの横にダークオレンジのレザー製のエッグチェアをコーディネートした例。
エッグチェアは、リプロダクト品もあって、リプロダクト品の方が安く、正規品にないカラーバリエーションがあることも。
1個前の事例と似た色のエッグチェアですが、グレーのソファと組み合わせるよりも茶色のソファと組み合わせた方が素敵に見える気がしませんか?
赤のレザーソファを2セットL字にレイアウトしたリビングの対角線上にホワイトのエッグチェアをコーディネートした例。
ホワイトのソファに赤のエッグチェアの組み合わせの方がエッグチェアが目立つ気も…。
このレイアウトのままでカラーコーディネートする場合、私ならソファをライトグレー、ラグをソファより白いライトグレー、エッグチェアを赤にするかな?
ダークグレーの2Pソファの対面に、ダークブルーのエッグチェア、ウィグル・サイドチェアをコーディネートしたリビングの例。
この部屋には、有名なデザイナーの家具が全部で3つ。
エッグチェアの隣にあるのは、フランク・O・ゲーリーのウィグル・サイドチェア(なんと、段ボール製)、部屋の中央にあるのがイサム・ノグチのコーヒーテーブル、ソファの手前にあるのが、エーロ・サーリネンのチューリップサイドテーブルです。
ダークパープルのコーナーソファの横にグレーのエッグチェアをコーディネートした例。
クッションのカラーコーディネートがアジアンっぽい!!
カーテンが閉まってるので室内が暗く感じますが、自然光の元だとカラフルに見えるんだろうな…。
黒のレザーソファと黄土色のエッグチェア+フットスツールをコーディネートしたリビングの例。
よ~く見ると、置くにもホワイトのレザーソファが!
「どんだけ広いリビングなの?」と思ってしまいますが、シックな色のエッグチェアを使って空間をファッショナブルな印象にするのもアリですね。
グレーのコーナーソファと水色のエッグチェアをコーディネートした部屋の例。
「リビングにしては、年齢層が低めのカラーコーディネートだな…。」と思ってたら、子供部屋でした。
薄いピンクと水色のカラーコーディネートがおしゃれ過ぎます!!
お花模様の壁は壁紙ではなく、アートだそう。
グレーのソファの対面側にグレーのエッグチェアをコーディネートしたリビングの例。
これまで、ソファとエッグチェアの色が別々の事例ばかりを紹介してきましたが、同じにすると、こんなに統一感が出るんですね!!
ソファとエッグチェアを同じ色にして、リビングテーブル代わりのオットマンで違う色をプラス!!
このコーディネートを真似ると、今までとは一味違ったインテリアになりそうな予感。
茶色のレザー製ソファの横に茶色のレザー製のエッグチェア+フットスツールをコーディネートした例。
こ、これは格好良い!
ソファとエッグチェアがまるでお揃いの家具のように馴染んでます!!
ライトグレーのソファの対面にホワイトのエッグチェアをレイアウトしたリビングの例。
窓際の明るい場所に置くエッグチェアは暗い色よりも明るい色(白っぽい色)が断然おすすめ!!
より開放的な空間を演出できます。
2-4.エッグチェア2台+ソファのコーディネート例
ネイビーのフロアソファの対面に黒のエッグチェアを2セットコーディネートした例。
コロンと丸いソファは、日本でも購入可能なPloum by Ligne Roset。
リビングテーブルをわざと置かずに、視線が低い家具コーディネートがしてあるので、空間が広々と見えますね。
ダークグレーの2Pソファの両サイドに、ベージュのエッグチェアをレイアウトしたコの字レイアウト例。
ダークグリーンのクッションとペンダント照明が素敵!!
「ソファとエッグチェアだけだと、ここまでおしゃれに見えなかったかも…。」と考えると「ソファや照明の色にもこだわりたいなぁ~。」と思いませんか?
グリーンの2Pソファの対面にホワイトのエッグチェアを2セットレイアウトしたリビングの例。
ラグもグリーンイエロー系にした爽やかな印象のインテリア!!
インテリアに緑を加えることを意識したことが無かったのですが、1個前の事例といい、この事例といい緑が効果的に使われている例を連続で目にして、「こういうカラーコーディネートもアリだな~。」と思いました。